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      スキマ時間に読めるB2B基礎用語シリーズ(全4回)|Vol.1 積極的!?受身営業の秘訣-インバウンドマーケティングとは?

      スキマ時間に読めるB2B基礎用語シリーズ Vol.1(全4回)

      INDEX

      積極的!?受身営業の秘訣-インバウンドマーケティングとは?-

      インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)は、消費者(生活者)の求めるコンテンツを提供し、自ら「見つけてもらう」マーケティング手法です。

      インバウンドマーケティングのメリットや、従来型マーケティングであるアウトバウンドマーケティングとの違い、また、「見つけてもらう」ための魅力的なコンテンツ作りについて解説します。

      インバウンドの意味は“内向きに入ってくる”。インバウンドは、海外からの旅行客を指すことが多いのですが、「インバウンドマーケティング」は、観光分野における外国観光客向けのマーケティングとは異なります。

      一般企業においても「インバウンド」という言葉が使われます。いずれのケースでも「インバウンド」と「アウトバウンド」は対比して使用されることが一般的です。

      インバウンド
      アウトバウンド

      企業から顧客へのコンタクトがNGなのではありません。アプローチ行為としての「接触」ではなく、「相手から価値を受け取る前にこちらから価値をご提供できていたか?(Providing value before extracting value)」が、インバウンド/アウトバウンドマーケティングを分ける、非常に重要なポイントとなります。

      インバウンドマーケティングの概要

      従来のアウトバウンドマーケティングは、企業側が商品やサービスのメリット、企業イメージなどを潜在顧客に向けて一方的に発信するプッシュ型でした。
      それに対して、インバウンドマーケティングはプル型といわれています。

      インバウンドマーケティングは、HubSpot(ハブスポット)社の創立者であるブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアの両氏が提唱したマーケティング手法です。
      2人は、在学していたマサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院で2004年に出会いました。ベンチャー企業でマーケティングと営業戦略に従事していたブライアン。一方、ダーメッシュは当時卒業論文執筆中でした。

      お互い立場や状況は違うものの、二人が抱いていた思いは同じでした。
      当時主流であったプッシュ型のアウトバウンドマーケティングや営業方法では消費者(生活者)に届きにくくなっているのではないか、という疑問です。

      その頃すでに消費者(生活者)は一方的に送られてくるCMやDMなどの情報をブロックする様子がうかがえました。インターネットの普及で、必要な情報は自ら探しにいけるようになっていたからです。

      2006年にブライアンとダーメッシュは HubSpot を設立。当初はマーケティング用ソフトウェア販売を目標としていたそうですが、ソフト販売にとどまらず、新しいマーケティングの形を広めることにもなったのです。

      グレイトフル・デッドに学ぶ

      ブライアンとダーメッシュは、インバウンドマーケティングの事例の1つとして、”グレイトフル・デッド”というバンドを例に挙げています。
      グレイトフル・デッドは1965年にカリフォルニア州で誕生したロックバンド。そのビジネスモデルが現在のSNSを用いたマーケティングに通じるものだったのです。書籍でも紹介されているので是非お時間のある方はご一読ください。


      グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ 日本経済新聞出版(2020/04/03)

      多くのミュージシャンは、レコードやビデオの売上抑制を恐れてライブの録音・録画を禁じてきました。ところが、グレイトフル・デッドは録音することを許可し、ファン同士で録音テープを共有することまで許容しました。

      今でこそ、ライブ中の撮影、その映像・画像をSNSで拡散することを許可するバンドは増えましたが、グレイトフル・デッドは、50年以上も前、インターネット普及以前の時代にそれと同じことをしていたのです。

      コンサートツアーに専念することで、バンドの演奏・演出の質は高まる。ファンの満足度はあがり、ライブを録音したテープを手にして友人・知人に広げていく。グレイトフル・デッド自身は宣伝に時間や予算を割く必要がないため、コンサートに集中できる……そんな好循環が生まれました。
      当時の一般的なバンドの主な収入源はレコード。それに対してグレイトフル・デッドはライブの質の高さから、収入の多くをコンサートから得るようになったのです。

      情報過多な時代のマーケティング

      インバウンドマーケティングでマーケターがすべきことは、消費者(生活者)の求める情報を提供すること。
      昨今インターネットの情報通信量は加速度的に増えています。新型コロナの影響で在宅時間が増えたという要因を除いても、増加の一途をたどっているのは間違いありません。

      情報過多といわれる現在、プッシュ型のマーケティングで効果を上げることは、HubSpot設立時よりさらに難しくなっています。

      そこで注目されているのが、消費者(生活者)に「見つけてもらう」コンテンツを提供するインバウンドマーケティングなのです。

      出典:総務省 総合通信基盤局『我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2020年11月分)』

      インバウンドマーケティングのメリット

      従来のプッシュ型マーケティングの中心は、テレビCM、新聞・雑誌広告などのいわゆるマスメディア(オールドメディア)を用いた広告やダイレクトメールなどです。

      いずれも、広告主・広告会社がマーケティング戦略にもとづき不特定多数のターゲットに向けて発信します。
      こうした手法は、多くの人に届けられるメリットがあるものの、一人でも多くの人の目に留まるようにするには露出を増やす、つまりより多くの費用を捻出する必要があります。

      情報量が多い今の時代、消費者(生活者)は自ら情報の取捨選択をし、さらには興味のあるコンテンツを探しにいきます。

      ブライアンとダーメッシュの共著『インバウンドマーケティング』のサブタイトルにあるように、『オンラインで顧客を惹きつけ、招き、喜ばせるマーケティング戦略』が今の時代に求められているのです。

      インバウンドマーケティングを説明する本やサイトには、マスメディア(オールドメディア)を否定的にとらえているものもあります。しかしながら、インバウンドマーケティングで大切なのは媒体の種類ではなく、消費者(生活者)が求めるコンテンツを適切なタイミングで提供することだということを念頭におくべきです。

      インバウンドマーケティングの手法

      インバウンド手法は次の3段階で行います。

      1. Attract(惹きつける):有益なコンテンツや対話を通じてオーディエンスを惹きつけ、頼りになるアドバイザーとしての自社の存在感を高めます。

      2. Engage(信頼関係を築く):相手の課題や目標に合わせた情報やソリューションの提供によって、取引の成約の可能性を高めます。

      3. Delight(満足させる):購入した製品やサービスを使って顧客が目標を達成できるように、必要な支援を行います。

      出典:HubSpot『インバウンドマーケティングとは』

      Attract(惹きつける)を生むためには

      まず、ターゲットとなる消費者(生活者)を惹きつけるコンテンツを用意します。
      利用するメディアは、SNS・動画・ブログ・TV CM・新聞広告など。

      重視すべきなのは、消費者(生活者)が求める情報であることです。製品の特長を並べ立てるのではなく、消費者(生活者)が抱える問題と、その課題解決に自社のソリューション(問題解決・解決策また解決のための情報システム)がどのように役立つかといった情報を盛り込みます。

      Engage(信頼関係を築く)を獲得するためには

      自社サイトやSNSアカウントにたどり着いた消費者(生活者)を離さないように対応します。
      サイトを見た消費者(生活者)が、製品そのものをすぐに購入しようとしているとは限りません。漠然と情報を集めている段階であると考えます。
      利用するものは、ポップアップフォーム・Eメール・チャットボット・MA(※)など。
      より詳しい情報を消費者(生活者)に提供し、その代わりに企業側は消費者(生活者)の情報を得ることができます。

      Delight(満足させる)を高めるためには

      自社の製品を購入した顧客に対してサポートする段階です。長期にわたってサポートをすることで、顧客満足度を高めていきます。
      製品購入後に、チャットボットやアンケートを表示して顧客からのフィードバックをもらうようにします。ここで利用するのは、スマートコンテンツ(レコメンド機能など)・Eメール・MA(※)などです。

      ※ MA=マーケティングオートメーション。マーケティングの各プロセスを自動化するシステムのこと。HPやブログに設置するCTAなどで見込み客(リード)データを収集・スコアリングし、リードのタイミングに合ったEメールやコンテンツ配信などを自動で行います。
      HubSpotの Marketing Hub (マーケティング ハブ)や、Salesforce(セールスフォース)のPardot(パードット)がこれに当たります。

      インバウンドマーケティングを成功させるには?

      それでは、具体的にインバウンドマーケティングを実施していくにはどうすればいいのでしょうか。

      コンテンツの作り方

      消費者(生活者)が惹かれるコンテンツを作るためのテクニックの1つが、SEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)です。
      消費者(生活者)は求める情報を探すために、GoogleやYahoo!などを使います。ですから、できるだけ検索結果の上部に表示させるための工夫が必要です。

      検索結果画面の上部には、スポンサード・リンク、つまり有料広告が表示されます。この広告は入札価格によって表示場所・頻度が決められます。

      有料広告の下に表示されるのがオーガニック=普通の検索結果です。
      オーガニック検索結果の上部に表示されれば、それだけ多くの人にクリックしてもらえる可能性は増えます。
      上部に表示させるには、検索語を吟味して選ぶことと、検索語に関連性の高いキーワードや文を記載することがポイントです

      キーワード(検索語)の選定には、自社製品に関することで消費者(生活者)がどのような情報を求めているのか?といった視点が大切です。
      そのキーワードがどれくらいの頻度でGoogleやYahoo!で検索されているのかを調べる必要もあるでしょう。
      検索数が少ない場合は、そのキーワードに興味を持っている人が少ないということです。

      SNSの利用

      コンテンツをアクティブに広める手段として、SNSの利用があります。ブログやHPのページを定期的に見るよりも、SNSに流れているコメントで情報をキャッチアップするほうが、消費者(生活者)にとって手軽だからです。

      ただし、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、LinkedIn(リンクトイン)は発信した情報が流れていってしまうので、ブログ・HPへの導線として位置づけておくほうがいいでしょう。

      マスメディア(オールドメディア)の利用

      アウトバウンドマーケティング=マスメディア(オールドメディア)、テレビや新聞は依然強い影響力をもっています

      広告だからと見落とされない、視聴者・読者の目を惹きつけるコンテンツを作成しましょう。

      顧客を育成するには(コンバージョン)

      自社HPへの訪問客を定着させ、実際に製品を購入する顧客にコンバージョン(育成)しなくては、コンテンツを作っている意味は半減します

      そこで、サイト訪問客がほしいと思うような限定コンテンツを用意します。
      形態としては、以下のようなものが考えられます。

      ● Webセミナー
      『コロナ禍であなたのリーダーシップは通用していますか?』
      これは過去に行われたウェビナーですが、時勢に合ったテーマや、多くの企業が抱えている問題をとりあげたセミナーは人気です。

      ● ホワイトペーパー(白書)、業界レポート
      『令和若者が望む未来調査レポート』
      『10年後の未来を考える調査』
      製品に関連するノウハウやその製品を使っている業界の潮流などを紹介します。

      ● Eブック
      『 B2Bマーケティング用語集』など
      企業にとって役に立つさまざまな情報を提供します。

      ● 無料トライアル・デモ
      『バズウォッチ』
      『Kiku-Hana QA』
      購入前に試用できれば、顧客も製品を購入・導入しやすくなります。

      ● 事例集
      『デジタル起点の見込み顧客獲得戦略とは? 生命保険の営業マーケティング変革の事例から学ぶ』
      マーケティングでの事例です。
      導入事例には、その企業の業務内容、抱えている課題、製品導入によってどう解決したのか・できるのかを盛り込みます。同様の課題を抱えている企業が参考にするだけでなく、製品を売る側も営業ツールとして利用できます。

      これらの情報をダウンロードするために、サイト訪問客は自分の名前や会社名、メールアドレスなどをフォーム入力する仕組みにします。見込み客(リード)の情報が集められなければ、コンバージョンにつながりません。
      サイト訪問客には、個人の情報を企業側に提供してでも欲しいと思わせる、内容の濃いものを用意しなければなりません。

      こういったコンテンツを配したページをランディングページ(LP)といいます。
      また、LPへの導入をCTA(Call to Action)と呼んでいます。

      CTAとして、「お問い合わせはこちら」というメッセージとクリッカブルなメールアドレスの記載をするのは悪手だとされています。サイトを見ているデバイスにメールクライアントが入っているとは限りませんし、よほど聞きたいことがなければわざわざメールはしないからです。
      効果的なのは、上に挙げたような魅力的なコンテンツへの誘導リンク設置です。

      例えば、HubSpotの「マーケティングソフトウェア」(MA)を使えば、画面上の指示に従ってテキスト入力・スタイル選択だけで簡単にCTAボタンが設置できます。

      顧客の満足度を高めるには

      製品を購入した顧客、無料トライアルを導入した顧客が長い期間満足してくれるようサポートします。
      実際に使ったと思われるタイミングを見計らって、チャットボットで使用感や不明点などを尋ねるメッセージ送信・アンケート実施をします。

      製品のアップデート情報なども積極的に流しましょう。
      また、顧客から不満点などフィードバックがあったら改善点を検討し、質問の多い事項はFAQとしてサイトに掲示します。

      繰り返しになりますが、ここでも顧客の気持ちを大切にすることです。
      仮に、一回製品を購入した顧客がリピーターにはならなかったとしても、その顧客に対する対応を変えてはいけません。
      企業に対して好印象をもっていてくれれば、その顧客は周りに企業や製品を勧めてくれる可能性があるからです。

      効果測定も必要

      インバウンドマーケティングの各段階での施策は必ず効果測定することが大切です。
      入り口となるコンテンツにどれくらいの訪問者がいるのか、CTAは効果が出ているのか、購買につながっているのか。
      どこかに問題が見つかったら、アップデートしていきましょう。

      Withコロナのマーケティングとして

      総務省の調査によると、2020年3月の緊急事態宣言後にインターネット通信量が大幅に増えました

      2020年2月下旬までと比べて、平日昼間は2~3割増加、休日昼間は1~2割増加、夜間は1割程度の増加です。
      緊急事態宣言解除後には減少傾向があったものの、新しい生活様式が定着するとコロナ前まで戻ることはないだろうと見られています。

      インバウンドマーケティングのように、HPやブログ、SNSを中心に、マスメディア(オールドメディア)も利用したコンテンツサービスは、この時代に合う手法といえるでしょう。

      参考:総務省『新型コロナウイルス感染症の影響下におけるインターネットトラヒックの推移について』

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