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    【必読】サステナビリティ経営&サステナブルカスタマーまるわかり解説!

    最終更新日:2024年05月30日

    【必読】サステナビリティ経営&サステナブルカスタマーまるわかり解説!

    Do! Solutionsでは、これまでサステナビリティ経営に関する基礎知識や、サーキュラー・エコノミーの実践を後押しするソリューション、顧客との関係づくりのコツなどを、いくつかのブログでご紹介してきました。

    今回のブログでは、サステナビリティ経営における重要なキーワードやそれらの関係性について、電通 サステナビリティコンサルティング室部長の堀田峰布子から改めてご説明したいと思います。

    少しボリュームがありますが、Q&A形式でわかりやすく解説し、関連する詳細や事例を紹介するブログへのリンクも載せておきました。これからサステナビリティ経営を深く学びたい方は“入門編”として、これまでブログを読んできてくださった方は“おさらい”として、ぜひご参考にしてください。

    PROFILE

     

    INDEX

    そもそもサステナビリティ経営とは?

    社会貢献性と事業性を両立する、持続可能な経営手法

    サステナビリティ経営とは、「事業や経営戦略に、社会貢献活動を含めたサステナビリティの要素を取り込む」という経営の考え方です。より詳しく説明すると、企業が環境保護・社会貢献・経済成長を同時に達成し、企業の社会的責任とビジネスの持続可能性を両立させるための戦略的な経営手法と言えます。

    社会貢献活動をCSR(企業の社会的責任)の一環として位置づけるのではなく、事業モデルそのものを社会貢献性のあるものへとシフトしていく。こうした変革は「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」とも呼ばれ、多くの企業がSXに向けた取り組みを始めています。

    サステナビリティ経営について、事例とともにもっと詳しく
    サステナビリティ経営とは?取り組む意義や事例、SDGsとの違いを解説

    サーキュラー・エコノミーとは?

    サステナビリティ経営の実現に欠かせない、循環型の経済モデル

    そうしたサステナビリティ経営を実践するうえで欠かすことができないのが、「サーキュラー・エコノミー」と呼ばれる循環型の経済モデルです。

    最終的に廃棄物が生じるリニア型の経済モデルとは異なり、サーキュラー・エコノミーでは廃棄を前提とせず、製品や原料を再利用することで、できるだけバージン材料(新品の材料)を投入せず循環させることを目指します。

    経済モデルの仕組みを表したイメージ図

    原料を廃棄せず使い続けるので、経済システムへの新たな資源の投入を最小化できる。さらに、環境負荷を抑えると同時に、従来の売り切り型のビジネスモデルからリユースやメンテナンス、シェアなどのサービス型のビジネスモデルへ転換していくことで、企業に新たな収益拡大の可能性をもたらします。

    社会貢献性と事業性の両立を叶えるという点から、サーキュラー・エコノミーはサステナビリティ経営に欠かせない事業モデルなのです。

    サーキュラー・エコノミーについてもっと詳しく
    循環する経済ってどういうこと? 『サーキュラー・エコノミー」の基本を解説

    サーキュラー・エコノミーの構築に必要なこととは?

    まずは、動脈・静脈産業の連携

    サーキュラー・エコノミーを構築するうえで押さえておくべき最大の観点は、「自社だけでは実現できない」と言うことです。

    サーキュラー・エコノミーのサイクルを回していくには、製造して売るだけでなく、「回収・再利用する」ことまでが企業活動の範囲となります。製品をつくる製造業者や、それを生活者に販売する流通・小売業者は「動脈産業」、使い終わったものを回収・リサイクルする企業は「静脈産業」と呼ばれますが、まずはこの2つの産業が連携しなければ、循環サイクルは成り立ちません

    ちなみに、多くの企業にとってサーキュラー・エコノミー実践の障壁の一つとなっているのが、自分たちに合った適切なパートナー探しです。

    そこで電通では、サーキュラー・エコノミーの実現をサポートする多彩な企業が集まったワンチーム「電通サーキュラー・エコノミー・パートナーズ(d-cep)」をオーガナイズし、企業さまのパートナー探しのお手伝いや最適なソリューションのご提案を行っています。

    素材提案や調達、回収、リサイクル方法など、循環モデル構築に欠かせないさまざまな分野のトップランナーと豊富なネッワークを保有していますので、連携先をお探しの企業さまはぜひ「d-cep」にご相談ください。

    サーキュラー・エコノミーの実践やd-cepについてもっと詳しく
    サーキュラー・エコノミーの課題とは? 実践に向けたソリューション5選!

    そして、回収に参加する“顧客”の存在が不可欠!

    たとえ動静脈産業が連携して循環サイクルが構築できても、残念ながらそれだけでは循環サイクルは回り始めません。

    それもそのはず。下記の図を見れば明らかですが、産業同士が連携しても、購入した製品を回収にまわす“顧客の行動”がなければ循環の輪はつながらないのです。

    そう考えると、サーキュラー・エコノミーの実践において、つまりサステナビリティ経営の実践において、顧客の存在がいかに重要であるかが分かります。

    電通では、このように回収に参加し、社会貢献性と事業性の両方に寄与する顧客群を「サステナブルカスタマー」と定義し、サステナビリティ経営実践の大きなカギとして注目することにしました。

    サステナブルカスタマーとは?

    サステナビリティ経営の“パートナー”になり得る次世代顧客群

    先ほども述べた通り、「サステナブルカスタマー」とは製品の回収活動に参加し、社会貢献性と事業性の両方に寄与する顧客群のことです。従来の顧客群とは何が違うのか、以下のようなセグメント図でご説明します。

    従来のマーケティングフレームでは、購入を軸に顧客をピラミッドで階層分けし、ロイヤリティの高い「ロイヤルカスタマー」を増やすことを大きな目的としていました。しかしSX時代のマーケティングフレームでは、そこに「回収・リサイクル」という軸が加わります。

    すると、顧客を4タイプに類型化することができます。

    ・サステナブルカスタマー:継続的に購入し、かつ回収活動にも参加する顧客群
    ・ロイヤルカスタマー:継続的に購入する顧客群
    ・グルーンカスタマー:回収活動のみ参加する顧客群
    ・無関心:いずれも関心のない層

    これまで重視されていたロイヤルカスタマーは、いわば“購入者”。事業性には大きく寄与しますが、社会貢献性の実現にはあまり寄与しない存在とも言えます。しかしサステナブルカスタマーは、そのどちらにも貢献します。その意味で、サステナブルカスタマーは購入者ではなく、企業の“パートナー”と捉えるべきでしょう。

    実は意外に多い! サステナブルカスタマーの市場ボリューム

    こうしたサステナブルカスタマーについて、電通では提唱するだけでなく、市場における実際のボリュームや特性などを把握するために独自調査を行っています。

    これまで2回にわたり実施した「サステナブルカスタマー調査」では、世代を問わず生活者の約2割にサステナブルカスタマーが存在することが分かっています。また、「価格が高くても環境に良いものを選ぶ」「回収参加のインセンティブとして金銭を伴わない見返りを望む」など、注目すべき価値観も明らかになってきました。

    こうしたサステナブルカスタマーの実態を詳しく知ることは、サステナビリティ経営の大きなヒントになるはずです。興味のある方は、ぜひ下記のブログや無料のeBookを合わせてご覧ください。

    サステナブルカスタマー調査についてもっと詳しく
    サステナビリティ経営に役立つ「サステナブルカスタマー」調査データを解説

    eBookのダウンロードはこちらから
    サステナブルカスタマー調査ダイジェストレポート ダウンロード

    サーキュラー・エコノミーの回収参加を促すためには?

    参加する前から後まで、4つのポイントを押さえよう

    サステナブルカスタマーは積極的に回収に参加してくれる顧客群ですが、とはいえ何もしなくても参加してくれる……というわけにはいきません。回収活動を促しサーキュラー・エコノミーの循環サイクルを回していくには、いくつかの仕掛けも必要です。ここでは大きく4つのアプローチをご提案します。

    1. 企業からの適切な発信
    回収拠点の近隣に対して、ジオフェンシング*など位置情報を使った広告を出すなど、生活者の身近な広告媒体を通じて回収実施をアピールします。適切な手法を上手く活用し、生活者への気づき促進と「意識喚起」を狙います
    *ジオフェンシング…GPSやWi-Fiなどを使用し、特定の場所やその周辺に仮想的な境界(ジオフェンス)を設け、顧客がその境界内に入ったときにスマホアプリなどを通じてお知らせができる仕組み。

    2. 回収拠点と回収物の拡大
    回収参加においては、実際に顧客が回収場所へ足を運ぶ「行動促進」までに大きな障壁があります。流通・メーカー同士で競合排他せず、1カ所で複数種の製品の回収を同時に実施するなど、相乗りして回収拠点を拡⼤する工夫が求められます。

    3. 個別最適化したインセンティブの提供
    回収参加への見返りとしてクーポンやポイントの付与が一般的ですが、どんなインセンティブが行動変容の動機になるかは人によっても異なります。金銭的なインセンティブではなく、非金銭的なインセンティブによる行動変容は大きな可能性を持っています。顧客へのインセンティブ付与を個別最適化することで、参加や回収量の増加へつながる可能性があります。

    4. フィードバック
    自分が回収に参加した製品がその後どうなるのか。自分の行動の成果を、顧客は案外気にするものです。回収からリサイクルまでのプロセスを可視化し公開することは、企業やブランドの信頼性を向上させ、参加した顧客に「誇らしい気持ち」をもたらします

    実証実験では、参加者の4割がサステナブルカスタマーという結果に

    上記のポイントを念頭に置き、電通グループでは実際の参加者やその行動を調査すべく、独自開発した循環プラットフォームを活⽤し、ローソン・明治・ナカダイHDの協働で紙パック回収の実証実験を行いました。

    <循環プラットフォーム「で、おわらせないPLATFORM」実証実験の概要>
    ●実施期間:2023年11月30日~1月31日 ●回収場所:都内ローソン3店舗  ●回収物:「明治おいしい⽜乳」の紙パック及びローソン取扱の商品の紙パック、キャップ ●インセンティブ:「明治おいしい牛乳」割引クーポン

    この実験において、参加者へのアンケートを分析した結果、やはり最も多く参加したのはサステナブルカスタマーであることが分かりました。先に紹介した顧客セグメントの有効性が裏付けられた結果と言えるでしょう。

    ロイヤルカスタマーからサステナブルカスタマーへ成長? 行動変容にも注目

    同実験で興味深かったのは、実証実験によってロイヤルカスタマーの行動変容を促すことができた、ということです。

    参加者はサステナブルカスタマーが最多ですが、インセンティブであるクーポンへの応募率がもっとも高かったのは、実はロイヤルカスタマーでした。通常は回収参加がほとんどないロイヤルカスタマーですが、クーポンなどのインセンティブを付与することで回収参加を促し、サステナブルカスタマーへとナーチャリング(育成)できる可能性があると分かりました。

    サステナブルカスタマーを拡大していくためには、ロイヤルカスタマーにアプローチしてサステナブルカスタマーへと押し上げる。この視点も、これからのサステナビリティ経営において重要になっていくでしょう。

    サステナビリティ経営の成功のカギとは

    質の高いサステナブルカスタマーを増やすことが大切!

    さて、以上の話をまとめると、企業がサステナビリティ経営を成功させるためには大きく次のことがポイントになると考えられます。

    顧客が回収やリサイクルに参加しやすい、サーキュラー・エコノミーの仕組み(プラットフォーム)を構築すること

    サーキュラー・エコノミー施策を通じて「サステナブルカスタマー」を増やし、パートナーとしての関係を深めていくこと

    さらに、こうした行動結果やプロセスを可視化し伝えるコミュニケーションを続けることで、サステナブルカスタマー自身が「回収活動に参加してよかった」と満足度を高めることができ、より良質な企業と顧客の関係性構築へとつながります。ただ数を増やすだけでなく、質を高めていくことの重要性も、あわせて頭に留めていただければと思います。

    P.ドラッカーが述べているように、事業やマーケティングの目的は「顧客の創造」です。それに則って考えれば、サステナビリティ経営に取り組む企業の使命のひとつは、「本業である事業やマーケティングを通じて、質の高いサステナブルカスタマーを創造すること」とも言えるでしょう。

    サステナブルカスタマーを起点とした、サステナビリティ経営の推進モデル

    上記は、これまでお話してきたサステナビリティ経営とサーキュラー・エコノミー、そしてサステナブルカスタマーとの関係をまとめてモデルにしたものです。

    このモデルをマネジメントの流れから見ると、「社会貢献性と事業性の両立」を実現するには「自社のサステナブルカスタマーをいかに増やすかが重要」という本ブログの主旨が、より分かりやすくなるのではと思います。

    今やサステナビリティ推進は、経営戦略における全体最適の段階に入っています。サステナビリティ経営が「顧客の創造」という事業やマーケティングによって実現される、という気づきは、経営戦略を担当している方にとって大きな価値があると思います。

    また逆に、このモデルをプランニングの流れから見て、事業やマーケティングに携わる方にとっては、顧客への働きかけがサステナビリティ経営にどう貢献するのかを考える際のヒントにしていただければ幸いです。

    サステナブルカスタマーの量と質を、経営管理のKPIに

    さらに、「サステナブルカスタマーの量と質の向上」をKPIに設定し、サステナビリティ経営の管理をリアルで着実に実現可能なものにすることも可能です

    社会貢献性を担う部署と事業性向上に責任を持つ部署が、関わりが薄く分断されがち……というケースは少なくないかと思います。そんな企業こそ「サステナブルカスタマーの量と質の向上」という同じ目的をもって施策に取り組み、その進捗を共に管理することで、一体感を持ってサステナビリティ経営に取り組めるのではないでしょうか。

    経営戦略や施策実施のサポートをお探しなら

    貴社のサステナビリティ経営を、さまざまな視点からご支援します

    盛りだくさんの内容をお伝えしてきましたが、サステナビリティ経営とサーキュラー・エコノミー、そしてサステナブルカスタマーの関係性を、ご理解いただけたでしょうか。

    電通では、企業のサステナビリティ経営実践に向け、さまざまなソリューションやご支援をご用意しています。今すぐ始められるサーキュラー・エコノミー施策のご提案や、戦略立案に活用できるツールのご紹介、サーキュラー・エコノミー構築に取り組んだ企業さまの事例紹介などなど、今回はご紹介できなかったテーマについてもDo! Solutionsのブログでお話させていただいています。個別のお問合せも随時受け付けていますので、どんなことでもぜひお気軽にご相談ください。

    サステナビリティ関連ブログの一覧はこちらから

    *「ウェブ電通報」でも、サステナブルカスタマーについて連載しています。

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    詳しくはこちらをチェック!
    サーキュラー・エコノミーの始め方
    サステナブルカスタマー調査ダイジェストレポート
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