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      注目事例の担当者が語る、サーキュラー・エコノミー実践のコツとは?

      注目事例の担当者が語る、サーキュラー・エコノミー実践のコツとは?

      SDGsへの取り組みや地域貢献の一環として、日本国内でもサーキュラー・エコノミーに興味を持つ企業が増えています。しかし、製品づくりだけでなく原料調達やリサイクルシステムについての知識とネットワークも求められる循環型システムの構築は、聞くだけでなんだか難しそう……。今回は、そんな「興味があるけど何から始めたらいいか分からない!」という方に向け、サーキュラー・エコノミー構築に取り組む3企業の担当者が、実践に役立つ視点や具体的なソリューションをお伝えします。

      お話をお聞きするのは、NTTビジネスソリューションズの宮奥健人氏、三菱ケミカルの小林哲也氏、そして電通TeamSDGsの堀田の3人。2021年8月、Jリーグサッカークラブのギラヴァンツ北九州が開催した「ギラヴァンツサマーフェスティバル2021」において、サッカースタジアムを起点とした地域食品資源循環型システムの実証実験を実施しました。
      この実証実験は、三菱ケミカルが開発した生分解性樹脂「BioPBS™️」を使った紙コップをスタジアムで使用・回収し、NTTビジネスソリューションズ社およびウエルクリエイト社が提供する「食品残渣発酵分解装置(フォースターズ)」を使って食物残渣と一緒に堆肥化したのち、地元の高校で野菜を育て再びスタジアムで販売するというもの。

      事例紹介編の記事はこちら
      サーキュラー・エコノミー注目事例!紙コップから野菜へ完全循環

      この事例からわかった、サーキュラー・エコノミー実践のコツとは? 4つのポイントからご紹介します。

      INDEX

      PROFILE

       
       
       

      実践のコツ①
      身近な課題解決から始めよう :社食のフードロス解消から!?

      サーキュラー・エコノミーの実践というと、少し構えてしまう人が多そうですが…

      堀田:そうですね。私たちもSDGsやサスティナビリティに取り組みたいさまざまな企業から「何から始めたらいいかわからない」という相談をよく受けますし、サーキュラー・エコノミーの実践は大変で難しいことだと思われがちです。確かに私たちが参加したギラヴァンツ北九州の例は15社が参加した大きなプロジェクトでしたが、でも決して最初からその規模を目指す必要はありません。例えばこのプロジェクトで使った食品残渣発酵分解装置は、社員食堂のフードロス解消にも活用できるんですよ

      宮奥:弊社が提供しているこの装置は、食べ残しや調理クズを分解して堆肥に変え、その後、野菜づくりなどに活用することができます。従来は大型装置が必要でしたが、厨房の裏に置けるほどコンパクトなものもあります。また、初期導入費を気にされる方が多いのですが、サブスクリプション型のサービスなので月々数万円から利用できます。まずはこれを企業の社食に導入することをお勧めしていますね。サーキュラー・エコノミーへの第一歩を社食から始めることで、社員への訴求もしやすくなるでしょう。実際、弊社の社食にも置かれていますし、すでに全国800カ所の飲食施設や学校、ショッピングモールなどで導入されています。


      NTTビジネスソリューションズが提供する、地域食品資源循環ソリューションの紹介動画

      一緒に生分解性素材のカトラリーなどを使うのもいいですね

      小林:そうですね。社食だけでなく、カフェや移動キッチンカーなどで食べ物や飲み物をお出しする際にも、生分解性のカトラリーや紙皿、紙コップを使ってご提供し、それらを食べ残しと一緒に循環させられたらいいなと思います。生分解性カトラリーについては、厚みがあるため紙コップに比べて分解に時間がかかるので、今後より効率的な方法を考えていきたいですね。

      堀田:三菱ケミカルさんの生分解性素材が使われた製品だと、ゴルフティーもおもしろいんですよ。

      小林:はい、これなら遠くに飛んでしまってもそのまま土に還ります。デザインも可愛いでしょう? 信州大学の学生さんがデザインし、長野の電機メーカーが開発したプロダクトです。女子プロゴルファーの方も使ってくれていると聞きました。弊社ではノベルティとして使っています。

      堀田:こうしたものをノベルティに取り入れるだけで、SDGsやサーキュラーの理解を促すきっかけにもなりますね。


      生分解性素材で出来たゴルフティーは企業ノベルティにも最適

      実践のコツ②
      「ソリューション×コミュニケーション」の視点を持とう:社内外への発信はマスト!

      いま「理解を促す」という話がありましたが、ソリューションを取り入れるだけでなくコミュニケーションを取っていくことも大切な視点ですね

      堀田:それは間違いないですね。先ほどおすすめした社食に食品残渣発酵分解装置を導入するアイデアも、厨房裏に装置を置くだけでは社員から見えませんし、身近なところで循環が行われている実感が持てません。社食からつくった堆肥で育てた野菜をメニューに取り入れたり、あるいはその堆肥を使って社員が参加できるコミュニティ農園をはじめたりして、みんながサーキュラー・エコノミーに参加できる工夫をしたいですね。また、統合報告書に掲載するなど、社会貢献の取り組みとして対外的に発信をすることも大切です

      宮奥:たしかに、飲食店やショッピングセンターが「サーキュラー・エコノミーの取り組みをしています」ってアピールしていたら、イメージUPになりそうです。

      堀田:メニューの横に「循環野菜、使ってます」って書いてあったり(笑)

      小林:そうしたブランディングをしっかり行っていけば、サーキュラー・エコノミーそのものの価値が世間にきちんと伝わって、循環も回りやすくなるでしょう。せっかく循環型のシステムがあっても、コストが高くて導入できない、野菜が売れなくて続かないといった課題はしばしば生じます。ブランディングによって価値づけができたら、そうしたことも減ると思います。

      実践のコツ③
      他社のソリューションに注目しよう:業種を超えて視野を広げる

      ギラヴァンツ北九州のプロジェクトや今日のお話から、他社のソリューションに注目することは改めて大事なんだなとわかりました。

      堀田:「なんでこの3社がコラボを?」と本当によく聞かれますが、NTTビジネスソリューションズさんの食品残渣発酵分解装置と三菱ケミカルさんの生分解性素材が出会うことでより効果的な堆肥化が可能になり、個社では伝えきれない全体の世界観の発信やコミュニケーションを私たち電通が加わることでカバーしました。つまりお互いの強みを活かし合ったからこそ、できることが広がったんです。そういえば、そもそもNTTビジネスソリューションズさんがなぜこんな取り組みをしているかという話もぜひ話してほしいです!

      確かに、なぜ通信会社がフードロスへの貢献事業を行っているのか気になります…

      宮奥:実はこの装置自体は株式会社ウエルクリエイトさんが開発したもので、2社がアライアンスを組んでサービス化しました。NTTはみなさんもご存知の通り、地域の通信設備を保守する体制を持っています。当時、その体制を活かした新たな地域貢献ビジネスを模索していたところ、たまたま弊社の社員が展示会で見つけたのがウエルクリエイトさんの分解装置でした。NTTの地域ネットワークを使い、各所にこれを展開するサービスをつくっていきましょうと意気投合した……というわけです。最初は「NTTがなぜうちに?」とずいぶん怪しまれたそうですが(笑)。でも、地域社会の課題解決に貢献していきたいという共通の想いがあったことで、ぜひやろうと協力体制が築けました。

      実践のコツ④
      パートナーを増やしながら徐々に大きく:コレクティブインパクトの力を使って

      そうして他社のソリューションに注目していけば、信頼できるパートナーも増えていきそうですね。

      小林:サーキュラー・エコノミーを構築するには、スモールサクセスの積み重ねしかありません。というのも、サーキュラー・エコノミーには製品を生み出す動脈産業、リサイクルする静脈産業、利用する消費者などさまざまな分野の人たちが関わっていて、その一つでもうまく機能しないと循環がとまってしまいます。いきなり大きな循環を描くのではなく、まずは小さな循環からきちんと回るかの検証を重ね、信頼できるネットワークを築く。それから徐々にパートナーを拡大し、同時にサイクルも大きくしていくのが理想的だと思います。

      宮奥:パートナーという視点では、地域の自治体や教育団体とのつながりを持っていることも一つの強みになると思います。今弊社では、食品残渣発酵分解装置が搭載された移動式循環リサイクルカーで地域の学校をまわり、循環型社会についての出張授業を行う取り組みも行っています。先ほどブランディングの話も出ましたが、教育を通じて子どもたちに「サーキュラー・エコノミーって当たり前のことなんだ」という価値観を育てていくことは、次世代へ循環をつなげるためにも必要です。

      堀田:循環型社会を日本に根付かせるために、私たちのように業界が違う企業同士が集まるからこそできることがあると思います。ギラヴァンツ北九州の事例のリリース発信で「コレクティブインパクト」という言葉を使いましたが、これは、多様な企業や自治体、教育団体などが連携することでムーブメントのインパクトが大きくなることを言い表した言葉です。サーキュラー・エコノミーを実践するうえで欠かせないキーワードになっていくでしょう。

      最後に、そうしたパートナーや他社のソリューションを見つけるコツがあれば教えてください。

      小林:堀田さんを見ていると、とにかくよく調べているなと思いますね。日頃の情報収集もだし、調査もされているし。

      堀田:確かに情報収集は欠かしませんが……実は私は電通が6社目で、これまで国内外のメーカー企業を中心に、プロダクトデザインやマーケティング、PRなどに携わってきました。そこで得たものづくりや素材について知識、コミュニケーションノウハウやネットワークが、今、サーキュラー・エコノミーという切り口ですべてつながっているように感じます。サーキュラー・エコノミーの実践には、広い知見が欠かせません。これからさまざまな企業のパートナーとして、これらの知見を役立てていけたらと思います。

      Do! Solutionsでは、この他にもサーキュラー・エコノミーに関する役立つ情報や事例を発信しています。

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      さらなる情報やサポートにご興味のある方は、ぜひ一度電通にご相談いただければと思います。
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      ※マスク着用にて取材を行いました。写真撮影時のみ、外しております。

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