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    サーキュラー・エコノミーの第一歩におすすめ!サステナブル視点で考えるパッケージデザイン

    最終更新日:2024年03月22日

    サーキュラー・エコノミーの第一歩におすすめ!サステナブル視点で考えるパッケージデザイン

    サステナビリティやSDGsの観点から、今、世界中で「サーキュラー・エコノミー」への関心が高まっています。循環型ビジネスモデルの構築に向け、何から始めたらよいか頭を悩ませている企業様も多いことでしょう。その第一歩として取り組みやすいのが、「パッケージデザイン」です。電通Team SDGsのコンサルタント・堀田が、身近なパッケージ変遷事例と合わせてご案内します。

    INDEX

    何から始める? 初めてのサーキュラー・エコノミー構築

    サーキュラー・エコノミーとは「循環型経済」と訳され、生産、消費、リサイクルが永続的に循環し、究極的には廃棄が発生しない経済活動のことを指します。(詳しくはこちらの記事をご覧ください) 商品そのものを循環可能なものにつくり変えるほか、リサイクルやリペアのサービスを開発したり、店舗や売り場を環境に配慮した設計にしたり、イベントやキャンペーンを対象に行ったりと、その取り組み対象はさまざまです。

    取り組み対象領域の設定

    しかし、サーキュラー・エコノミーは事業の一部だけを環境に配慮したものに変えればいいというわけではなく、“仕組み全体”を循環型なものへとシフトするもの。当然、時間やコスト、ステークホルダーとの協業が不可欠になるため、「取り組みたいけど難しそう」「何から始めたらいいのかわからない」と悩まれている企業様の声を多くお聞きします。
    そこで私たちがご提案しているのが、サーキュラー・エコノミー視点で考えるパッケージデザインの刷新です。

    社会動向にも対応できる! パッケージデザインを変えるメリットとは

    商品そのものの素材や仕様を変更することは容易ではありませんが、パッケージの変更なら、比較的低コストで実施することができます。それだけでなく、パッケージデザインをサーキュラー・エコノミー視点で刷新することで、他にも得られるメリットがあります。

    ブランドイメージの向上につながる

    パッケージの役割は、単に商品を保護するだけではありません。多数の競合商品が並ぶ売り場の中で、商品の特徴やライバル商品との違いを生活者に伝え、企業イメージやブランド価値の維持向上にも寄与する、重要なコミュニケーションツールです。
    最近は、商品だけでなく包装や流通の方法にも関心を寄せる消費者も増えています。パッケージをサステナブルな仕様へと切り替えていくことで、企業としての姿勢や社会・環境貢献への取り組みを分かりやすくアピールすることができます

    グローバルに進むプラスチック規制への対応になる

    食品や日用品をはじめとする多くのパッケージには、主に石油由来のプラスチック素材が使われています。しかし2010年代後半を皮切りに、EUはプラスチックをめぐる法的規制や戦略を次々と発表。2021年にはストローやカトラリーなど使い捨てプラスチック製品の流通を禁止するなど、プラスチックを巡るサプライチェーンの抜本的な改革が進んでいます。日本の環境省も、2019年 5月に「プラスチック資源循環戦略」を発表しました。すでにレジ袋の有料化などが始まっていますが、プラスチック規制は今後も段階的に厳しくなっていきます。
    つまり世界的に見ても、この先パッケージのサステナブル化は企業の必須義務。今から環境負荷が低いサステナブルな素材を使ったパッケージへシフトしていくことで、こうした規制にもいち早く対応することができます

    サーキュラー・エコノミー視点で考えるパッケージデザインのポイント

    包装を簡易化・スリム化するなどして廃棄されるごみの量を減らしたパッケージは、すでに「エコ包装」などの呼び方で広がっています。それに対し、“廃棄を前提としない”サーキュラー・エコノミー視点のパッケージデザインでは、さらに踏み込んだ環境配慮が求められます。開発のポイントを以下の5点にまとめました。

    1. 環境に与える負荷を極力低減する素材を使用する
    使う素材を減らす、リサイクル可能な素材や非石油由来のバイオマスプラスチックなどのサステナブルな素材に切り替えるなど、素材による環境負荷を低減します。

    2. 製造及び流通過程においても環境に配慮する
    製造現場や工場からの環境汚染物質の排出を抑え、再生エネルギーを活用し、そして輸送においてもCO₂排出がより少ない方法を選択するなど、サプライチェーン全体で環境配慮を意識します。

    3. 使用後の廃棄や回収、リサイクルまで考えられている
    生活者から使い終わったパッケージや容器を回収する方法や、「モノマテリアル化(単一素材の使用)」によるリサイクルの簡易化などもあわせて検討します。

    4. 使用する人々にふさわしい配慮がなされている
    ターゲットとなる生活者の暮らしや利便性を考え、選びやすく、使い続けられるデザインを考えます。暮らしに馴染むことで、無理なく循環が続く仕組みが構築できます。

    5. サステナビリティやSDGsへのビジョンや志が伝わる
    取り組みを伝えることで、生活者からの賛同やブランドイメージの向上を狙います。

    素材にもトレンドがある!? 身近なパッケージ変遷事例

    循環型のパッケージデザインを考える際、もっとも大きなカギとなるのが「素材」の選定です。先ほどのポイントでも挙げた通り、バイオマスや生分解プラスチックなどのサステナブルな素材を採用したり、リサイクルしやすい単一素材でのパッケージにしたりと、手段はさまざま。素材のイノベーションやリサイクル技術の発達によって、時代と共に選択肢も広がっています。いくつかの例を見てみましょう。

    1. プラスチックから紙素材へシフト ~お菓子の包装の場合~

    これまでプラスチックの袋に入っていたお菓子が、いつの間にか紙の包装に切り替わっている……と気づいたことはありませんか? 例えば、一つずつ個包装されたお菓子が大きな袋に入っている、いわゆる“ファミリーパック”のお菓子。外袋が紙製になっている商品を見かけることが多くなりました。今後、中身の個包装も外袋と同じ紙製になれば(=モノマテリアル化)、パッケージの100%リサイクルが実現します

    2. 詰め替えから“付け替え”へと進化 ~化粧品ボトルの場合~

    すでに中身だけ詰め替えることが一般的になっているシャンプーやボディソープの詰め替えパック。最近登場しているのは、そもそも容器ボトルが要らない「付け替え」発想のパッケージです。これは、詰め替え用で使われているフィルムパックが自立し、ポンプ部分だけを取り付ければボトルレスで使えるというもの。ボトルと詰め替え用パックの廃棄がなくなり、プラスチック使用量が削減されます。将来的には、パックとポンプ部分にすべてリサイクル可能な単一素材が使われた商品も増えるでしょう。海外では、回収の仕組みが構築された100%リサイクル可能商品も登場しています

    3. ガラスや金属への回帰も? ~容器回収プラットフォーム「LOOP」の場合~

    紙や非石油由来のプラスチックだけでなく、ガラスや金属の容器に回帰する動きも見られます。
    例えば、飲料ボトルをペットボトルからアルミ缶にするというアプローチです。アルミ缶はリサイクル性が高く、かつリサイクルの仕組みが自治体ですでに確立しているため、メーカー側に回収コストの負担がありません
    また、大手消費財企業が多数参加する容器回収プラットフォーム「LOOP」も、昔ながらの「牛乳配達」をビジネスモデルとしたサステナブルなECプラットフォームとして注目されています。これは、商品容器をガラスやアルミ、ステンレスで提供し、使い終わったら容器を回収し、中身を詰め変えてデリバリーするというアメリカ発のサービスです。日本でも2021年春よりサービスが始まりました。

    ※パッケージに使われる素材の分類や非石油由来のプラスチックなどの環境負荷が低いサステナブルな素材について、より詳しい解説をまとめた「SDGsパッケージデザインガイド」をご用意しています。そちらもあわせてご覧ください。

    パートナーと協業しながら、新たな循環型パッケージを生み出そう

    このように、各市場ではすでにサーキュラー・エコノミー視点の新パッケージやサービスが次々に生まれ、そして進化しています。他社はどういった取り組みをしているのか、どういったサステナブルな素材が登場しているのか、回収の仕組みはどうしたらよいか……。自社だけでは分からないこともたくさんあるかと思います。

    私たち電通Team SDGsでは、そうした企業の方々とさまざまな形で協業しながら、新たなパッケージ開発をサポートしていきたいと考えています。「まずはパッケージデザインからサーキュラー・エコノミーに取り組みたい」とお考えの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

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