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    男性育休はもはや常識に?メリットから制度の仕組みまで

    最終更新日:2023年06月19日

    男性育休はもはや常識に?メリットから制度の仕組みまで

    INDEX

    「男性の育休」に強い会社こそ、強い会社になってゆく

    ニュースなどで取り上げられることも多くなった「男性の育休」。従業員の働きやすさのため、育休制度を整備する企業も増えています。でも、「そもそも国が保証する育休制度を、みんながなかなか利用してくれない……」という悩みを持っている企業も多いもの。

    その理由には「育休を取りづらい」という職場も雰囲気もあるのでしょう。しかし、それ以上に「育休のメリットが浸透していない」ことが理由となっているのが現状です。実際のところ、男性の育休には企業や現場、そして育休を取得する従業員自身にとって、多くのメリットとチャンスが存在します。それらを見ていきましょう。

    まずは、企業にとってのメリット、「男性の育休は企業価値を高める」という視点から。

    マイナビの調査によると、2022年の男子就活生の多くが、「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答。他の調査でも、有名大学に通う学生は、企業選択の際に重要視するポイントとして「仕事と生活の良いバランス」や「友好的な職場環境を提供する」を挙げています。つまり、企業として男性の育休取得を推進することは、採用戦略で有利に働く可能性が高いのです。

    また近年、大手企業を中心に「男性育児休業取得率」を情報公開する企業が増えています。中には、CSR活動の一環として関連情報を発信する企業もあり、株主総会で育休に関する質問が飛び交うケースさえあるそう。そして2023年4月には従業員1,000人超の企業は育休取得率を公表することが義務化されます。つまり、育休取得率は「企業のサステナビリティへの取り組み度合い」を測る指標のひとつとして注目されつつあるのです。

    このような状況を考えると、「男性の育休取得に積極的な企業こそ、強い競争力を持つ時代が到来しつつある」といえるのではないでしょうか。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    「男性の育休」に強い会社こそ、強い会社になってゆく

    男性の育休取得の現状とは?

    なぜ男性の育休取得率が伸びないのか?日本の育休取得の現状

    一般的に「低い」と言われる、日本の男性の育休取得率。実際に、数値からその状況を見ていきましょう。

    2021年の共働き世帯数は1,247万世帯と、全世帯の7割に迫ります。にもかかわらず、まだまだ育休を取得する男性は少数派。ここ数年で伸長傾向にはあるものの、2021年度の調査でも、男性の育休取得率はわずか13.97%。

    女性の社会進出の必要性が唱えられるようになって久しいですが、年齢が上がるほど「男性は仕事、女性は家庭」という価値観が今も根強く残っていることも、取得率が上がらない理由の1つでしょう。しかし、若い世代であっても、女性が家事や育児の負担の多くを背負いがちなのが現状ではないでしょうか。

    女性がキャリアを形成していくためには、家事・育児負担を減らしていくことが必要です。そのためには、男性が子育てに参画することが不可欠。そのために「男性の育休取得」の促進が必要とされます。

    また、男性の育休には、「一時的に育児を手伝うため」というイメージが持たれがちですが、男性が育児に積極的に取り組むことは、女性の社会進出やキャリア形成を促すことにつながり、社会的な意味も大きいのです

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    法改正元年|男性育休という、可能性の宝庫 #1
    男性育休、取得率向上には「取ろう」より「取らせよう」

    海外に負けてない? 日本の育休制度

    日本の育休制度は世界の中でも最高水準

    取得率ではまだまだ低い日本の育休ですが、実は制度の面では世界でも最高水準の充実度を誇っています。2021年にユニセフが発表した世界の育児政策に関する報告書によると、日本の育休制度の手厚さはOECD加盟国とEU41カ国の中で、なんと第1位。

    その理由は、育休期間中に国からもらえる給付金の額がほかの国よりも多いこと。たとえば給付金が給料何カ月ぶんに換算されるかを国同士で比較すると(上図)、その充実度は明らかです。加えて男性と女性(父親と母親)に認められる育休期間が同じである点も重要です。

    世界では、男性に認められる育休の期間が、女性よりも短いのが一般的。男性の育休期間が女性の1/10というのが世界の平均で、1/3に達しているのは日本を含め4カ国しかありません。さらに、父母の育休の長さが同じであるのは、日本が世界で唯一です。

    なぜ、日本は育休取得率が低いのに、その制度は世界最高レベルなのでしょうか。それは、育休取得率を上げようというのが政府の施策であるから。「十分な制度を用意するので、もっと育休を取ろう」というわけです。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    法改正元年|男性育休という、可能性の宝庫 #4
    男性育休、取得率アップのために従業員の不安を解消しよう

    パタニティ・トランスフォーメーション 実践ガイド

    男性の育休を推進する制度「育児介護休業法」改正の内容とは?

    そのような日本の育休制度を規定しているのが「育児介護休業法」。正式には「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」と言い、2022年10月に改正されました。所管する厚生労働省によると、改正のポイントは「男性の育児休業取得促進」を目的とした出生時育児休業、その名も「産後パパ育休」の創設です。別名「男性版産休」ともいわれるこの制度、どのような点が新しいのでしょうか?

    このように、男性育休についての企業の義務を国がルールで強化し、従業員の取りやすさを強く保証したというわけです。同時に、企業には育児休業・産後パパ育休の運用が円滑に行われるように「研修の実施」「相談窓口設置」「取得事例の収集・提供」「取得促進に関する方針の周知」のいずれかの措置を講じることが義務化され、より育休制度を利用しやすくなる環境が生まれています。2022年は、まさに「男性育休普及元年」といえるでしょう。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の資料をご覧ください//
    厚生労働省:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

    男性の育休は組織にデメリットをもたらすのか?

    男性育休の取得率が上がっても「組織の戦力」は下がらない

    いざ男性社員が育休を取得するとなると、組織・マネジメント側にいる方々には、戸惑いや不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。実際、「どうやって対応していったらいいのか」「重要な戦力を、育休によって失ってしまうのではないか」「1週間程度の短期間ならよいけど、4週間というのは長すぎないか」といった声が多く聞こえてきます。

    しかし、そうした声によくよく耳を傾けてみると、そもそも会社として「育休を取られたら困ることになる」という「誤解」による不安であることがほとんどのようです。「組織・マネジメント側の男性が、育休を取得した経験がない」「そもそも会社に育休を取った男性がいない」。育休に対するこうした無知ともいえるようなことが、漠然とした不安につながっているようです。

    ところが実際には、「男性の育休」は組織・マネジメントにとってもなんらデメリットなど生じません。いや、むしろメリットのほうが多いといってもよいぐらいなのです

    育休では、取得時期や期間が、ある程度、事前にわかっています。なので、「抜けた穴」を埋めるために、事前の準備が可能です。予め、それに備えて後輩・後任者をその業務の担当者としてアサインをすることでカバーすることができますし、さらには、そのことで後輩・後任者の自立と成長の機会にもつなげることもできるのです。

    ほかにも、働く人それぞれが仕事を受け持つ「属人主義」から、決められた仕事に対し人を配置する「職務主義」(ジョブ型雇用)への転換を図れるなど、男性の育休取得には多くの利点が存在しているのです。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    法改正元年|男性育休という、可能性の宝庫 #2
    男性育休の取得率が上がっても、組織の戦力は下がらない

    パタニティ・トランスフォーメーション 実践ガイド

    育休は従業員の人生を幸せにする

    男性育休。組織は取得率より先に従業員の幸福を考えよう

    本来、育休は従業員のため、その幸福のためにこそ存在するもの。ただ「男性の育休が法制化されたから」「そのほうが会社の価値が上がるから」というだけの理由で取り組んでいては、表面的な「数字(取得率)稼ぎ」に終わってしまうものです。そうならないためにも、人材をマネジメントする側もまた、従業員にとっての育休取得の意義を正しく理解する必要があります。

    当然ながら育休は、従業員の家庭・夫婦関係における幸福度を高めることができます。出産直後の配偶者の身体的・精神的負担を軽減することができるため、夫の側の育休取得は、夫婦関係の未来に対して、決定的に良い影響を与えるでしょう。

    しかし、それだけではありません。育休を取得した従業員は、職場へ復帰したあと、自身に、そして周囲に対しても、さまざまなポジティブな変化をもたらし得る存在へと成長している。そんな可能性を秘めているのです。つまり育休は、育休期間だけにとどまらず、従業員の人生に、その何十年も先までインパクトを及ぼすものだといえるでしょう

    育休は終わるが、育休効果は終わらない

    経営層やマネジメントに携わる方にこそ、このことをぜひ知っていただきたい。この制度は、能力や実績に関係なく、父親なら誰でも等しく享受できるものです。幸せを追求する権利は全員にあり、企業はその権利をフェアに守る義務があるのです。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    法改正元年|男性育休という、可能性の宝庫 #3
    男性育休。組織は、取得率より先に従業員の幸福を考えよう

    男性の育休取得を戦略的に推進し、それを組織の力に変えていくこと。これをわれわれ電通の「パパラボ」では「PX(パタニティ・トランスフォーメーション)」と名づけ、お手伝いをしています。

    各領域で専門スキルをもったメンバーが、その組織特有の課題を見つけ、解決策のご提案から実行、検証、持続可能な組織作りまでをワンストップで提供いたします。

    \\さらに詳しく読みたい方は下記の記事をご覧ください//
    男性の育休を組織の武器に変える
    “PX”「パタニティ・トランスフォーメーション」

    パタニティ・トランスフォーメーション 実践ガイド

    男性の育休を組織の武器に変える「PX」パタニティ・トランスフォーメーション

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    男性の育休を組織の武器に変える“PX”「パタニティ・トランスフォーメーション」

    法改正により促進される「男性の育休取得」は、組織と従業員がともに成長する絶好の機会。組織の変革を支援する「パタニティ・トランスフォーメーション(PX)」を紹介します。

    詳しくはこちらをチェック!
    パタニティ・トランスフォーメーション 実践ガイド
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