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    「男性の育休」に強い会社こそ、強い会社になってゆく

    最終更新日:2023年06月19日

    EC

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    はじめまして。電通の「パパラボ」です。私たちは、子育てをする世帯の「パパ」と「家族」を研究し、その課題に対するソリューションを企業向けに提供しているチームです。メンバーの全員が働くパパで、営業、ストラテジー、クリエーティブ、デジタル、メディア、コーポレートなど、さまざまな領域の専門家が集った、いわばパパ専門の社内ミニエージェンシーとして活動しています。
    この記事では、「パパの育休」が持つポテンシャルを最大限に活用することの意義について、近年の社会動向を交えながら紹介していきたいと思います。

    パパラボ

    2022年は男性育休普及元年だ

    今、働く男性の育児休業をめぐる環境に大きな変化が起きています。日本の2021年の男性育休取得率は12.7%と、前年比約1.7倍に上昇しました。男性従業員の育休取得率向上に積極的に取り組む企業が増えており、「男性の育休」をテーマにしたTVドラマが話題になるなど、社会の関心も高まっています。
    ※出典:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査

    さらに追い風となるのが、2022年より施行される改正された育児・介護休業法です

    厚生労働省は「男性の育児休業取得促進」を目的とした出生時育児休業、その名も「産後パパ育休」を創設することを発表しました。別名「男性版産休」とも言われるこの制度、どういう点が新しいのでしょうか?

    【産後パパ育休のポイント】
    ・通常の育休制度とは別に、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
    ・申出期限は原則休業の2週間前まで(現行は原則1か月前まで)
    ・通常の育休制度(取り方によっては2回に分割可能)に加え、新たな「産後パパ育休」も2回に分割して取得可能
    ・事業主と労働者が合意した範囲内で休業中に就業することが可能(現行は原則就業不可)

    事業主は育児休業・産後パパ育休が円滑に行われるように「研修の実施」「相談窓口設置」「取得事例の収集・提供」「取得促進に関する方針の周知」のいずれかの措置を講じることが義務化されます。制度周知と本人への取得意向の確認も必須になってきます。
    加えて、従業員数1,000人以上の企業は、育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。
    ※出典: 厚生労働省「育児・介護休業法について

    このように、日本の法制度も含めて男性の育休を取り巻く世の中の状況が大きく変わることから、今後育休を取得するパパが一気に増加することが予想されています。言うなれば、2022年は「男性育休普及元年」なのです。

    育休取得率

    ※出典:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査

    これまでにも世間一般では、「育休」に対してネガティブな印象を与える情報や、不安を助長するような論調が少なからずありました。でも、私たちはそうは思いません。男性の育休には数多くのメリットとチャンスがあると考えています。企業や現場、そしてパパ自身にはどのようなメリットがあるのか、それぞれ紹介したいと思います。

    人事・コーポレート部門にとって: 「なぜ育休取得を推進したほうがいいの?」

    「なんだか義務化ばかりで、企業の負担が増えるのでは…?」と感じる方もいるかもしれませんが、それは違います。なぜなら男性の育休には、組織と従業員の双方にとって、多くのメリットとチャンスがあるからです。

    1. 優秀な学生は、「働き方」施策を重視する

    マイナビの調査によると、2022年の男子就活生の56.5%が「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答しています。2014年卒の調査以来過去最高の数値を記録したそうです。また、他の調査結果では有名大学に通う学生が重要視する企業選択要素の上位に、「仕事と生活の良いバランス」や「友好的な職場環境を提供する」が挙がっています。企業として男性の育休取得を推進することは、採用戦略で有利に働く可能性が高いのです。
    ※出典:マイナビ「マイナビ2022年卒大学生のライフスタイル調査~今の自分と未来編~」、リーディングマーク「2020年卒 企業選定状況市場調査

    2. ステークホルダーは、男性育休取得率に注目する

    近年、大手企業を中心に「男性育児休業取得率」を情報公開する企業が増えています。中にはCSR活動の一環として関連情報を発信する企業や、株主総会で育休に関する質問が飛び交うケースも。育休取得率は企業のサステナビリティへの取り組み度合いを測る指標の一つとして注目されつつあるのです。2023年4月には従業員数1,000人以上の企業で育児休業等取得状況の公表が義務化されるので、この潮流はさらに加速することが予想されます(ちなみに2020年度の電通の男性育休取得率は77%です!)。

    3. 従業員のロイヤルティは業績に直結する

    モチベーションエンジニアリング研究所の調査では、従業員エンゲージメント(企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い)の高さと、企業の営業利益率や労働生産性に相関関係があることが分かっています。すなわち、企業が男性の育休取得を積極的に推進し環境を整えることで、従業員エンゲージメントが高まれば企業の収益の向上にもつながると考えることができます。
    ※出典:リンクアンドモチベーション「エンゲージメントと企業業績に関する研究」

    このように、男性の育休は決して企業の負担を増やすようなものではなく、むしろ企業価値を高めるポテンシャルを秘めているものなのです。視点を変えると、男性の育休取得に積極的な企業と消極的な企業で、今後、競争力に差が生じる可能性もあるということです。

    現場マネージャーにとって: 「うちの部門にとって得なの?」

    男性の育休を推進することで、会社全体にメリットがあることは分かりました。でも、「結局、各部署の現場に負担のしわ寄せが来るんでしょう?」と心配される方も少なくないと思います。

    単純に考えると「育休=人員減少」であり、確かに負担が生じるという側面はあります。でも、この状況をポジティブに捉えると、今いるメンバーで効率的にその穴を埋めたり、チームワークで柔軟に対応したりと、チームを成長させる絶好の機会だと考えることができます。

    育休に限らず、何かしらの事情で誰かが休まなければいけないときは当然ありますし、人事異動でメンバー構成が変わることだってあります。そのような変化に対して、従業員同士で助け合いながら柔軟に対応する土壌が養われていれば、予期せぬ事態にも対応できるようになるでしょう。それは、企業の「しなやかさ」ともいえる力です。

    これからの時代、育休や介護休暇を取得する従業員が増えることは避けられません。今から男性の育休が当たり前となる環境を前提にチーム力の強化に取り組むことには、大きな価値があるのです

    従業員にとって: 「本当に育休取得したほうがいいの?」

    最後にお伝えしたいのは、育休を取得する本人のメリットです。

    1. 配偶者と将来にわたって良好な関係性を築ける

    東レ経営研究所の調査によると、配偶者の夫に対する愛情は産後数年間が重要で、特に出産直後の1年が大きな分岐点になるそうです。産後、配偶者と支え合い、一緒に子育てをすることが、夫婦の将来を決めると言っても過言ではありません。

    女性の愛情曲線ー産後数年間が夫婦の将来を決める

    ※出典:株式会社東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長 渥美由喜「女性の愛情曲線

    2. 育児は仕事の役に立つ

    育児はただ子どもを世話するだけでなく、家庭内での役割分担の現状把握や見直し、育児方針の話し合い、情報共有、家庭外との連携など、「体制作り」が欠かせません。これを仕事に置き換えると、新たにチームを組成し、短期・中期・長期で、ステークホルダーの満足度を高めながらプロジェクトを進行する、という壮大なプロジェクトマネジメントに相当します。

    この一大プロジェクトに主体性を持って取り組むことで、本業にも学びを還元することができます。実際に、チーム育児でリーダーシップを身につけると、職場でのリーダーシップ行動や能力への影響が一定の度合いで認められるという研究もあります。
    ※出典:『人材開発大全』中原淳 編、東京大学出版会、2017

    このように、男性が育児休業を取得することは、プライベートと仕事の両面に良いことがあるのです。

    自分の会社にとって、解決すべき課題と最適な取り組みを見つけ出すことが重要

    ここまでのご紹介で、男性の育児休業のメリットはご理解いただけたかと思います。しかし、こうした価値観をどうすれば実際に組織に浸透させることができるでしょうか。いわゆる「How?」の部分に悩みを抱えている企業や担当者の方は多いのではないかと思います。

    そこでパパラボでは、男性の育休を組織の成長機会に結びつける「PX(パタニティ・トランスフォーメーション)」というソリューションを開発しました

    私たちは、男性の育休を組織に浸透させるためには、「トップダウン型の取得環境整備」と「ボトムアップ型の取得推進」の二つのアプローチがあると考えます。どちらか片方を採用するか、もしくは二つを同時並行で実施するか、その組織の課題に合わせて最適な取り組み方を見つけ出すことが重要です。

    「トップダウン型の取得環境整備」とは、簡単にいえば、男性従業員が育休を取得できる安心感・文化の醸成です。「ボトムアップ型の取得促進」とは、従業員自らが育休を取得するための心理的・実務的な動機付けを促進することです。

    私たちが提供する「PX(パタニティ・トランスフォーメーション)」では、上記二つのアプローチを軸に、その企業特有の課題を抽出し、そこにカスタマイズしたソリューションの提案、実行、検証、改善、そして、持続可能な組織体制の構築までを一気通貫で推進いたします

    パパたちの力を家族、企業、そして日本の力に変えていくために。私たちパパラボは、男性の育休を企業の強みに変えるお手伝いをさせていただきます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

    男性の育休を組織の武器に変える「PX」パタニティ・トランスフォーメーション

     

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    男性の育休を組織の武器に変える“PX”「パタニティ・トランスフォーメーション」

    法改正により促進される「男性の育休取得」は、組織と従業員がともに成長する絶好の機会。組織の変革を支援する「パタニティ・トランスフォーメーション(PX)」を紹介します。

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