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    消費トレンドまとめ最新版~社会変化で消費者の「欲望」はどう進化した?

    最終更新日:2024年06月17日

    消費トレンドまとめ最新版~社会変化で消費者の「欲望」はどう進化した?

    モノやサービスを選ぶとき、以前とは違う選び方や判断基準を持つようになったと感じることはありませんか? 個々のライフスタイルや年齢による価値観の変化はもちろん、そのときどきの社会状況やトレンドといった外部環境の変化もまた、私たちの消費行動に大きな影響を与えます。昨今で言えば、新型コロナウイルスの感染拡大とその対策に伴う生活様式の変化が大きな影響要因となったことは疑いようがなく、アフターコロナに移行した社会になって、<買わなくなったもの>、<逆に買うようになったもの>など、読者の皆さまも「そういえば……」と思い当たることは多いのではないかと想像します。

    では、私たちの消費行動や価値観は、この数年の間に具体的にどう変わったのでしょうか? 「欲望」をテーマに現代の消費を捉えなおす電通のプロジェクトチーム DENTSU DESIRE DESIGN(デンツー・デザイア・デザイン)の立木学之が、コロナ禍を経て変化した人々の「欲望」について解説します。

    PROFILE

     

    INDEX

    私たちは、心の中に「11の欲望」を持っている

    「DENTSU DESIRE DESIGN(以下、DDD)」は、生活者の本当の「欲しい/したい」気持ち=「欲望(Desire)」に着目し、人の心を動かすマーケティングをデザインしていくプロジェクトです。私たちはこれまで、人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーとなる感情を「欲望」と定義し、生活者が消費に至るまでの動機や行動を研究してきました。

    その研究成果の一つが、2021年から実施している「心が動く消費調査」の最新結果をもとに、人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーを可視化した「11の欲望」です。

    「心が動く消費調査」とは、日本全国の15歳から74歳までの男女3000人を対象に行っている電通独自の定量調査。心が満たされたり、テンションが上がったりした消費を「心が動く消費」と定義し、その背景にある欲望との関係性を定期的に調査しています。そしてその調査から得られたデータを独自の手法で分析し(43の欲求項目を因子分析し、抽出された因子と75の価値観項目を重回帰分析にかけて欲望を可視化)、人間の消費行動を駆り立てる感情を11種に分類して「11の欲望(Desire)」として発表しました。

    定量データをベースにしているこの「11の欲望」は、ある程度の普遍性があるものとして捉えることができます。そして私たちはどれか一つの欲望を持っているのではなく、それぞれが複数の欲望をあわせ持ちながら多様な消費行動を行っているのです。

    アフターコロナになり、6つの欲望に変化が

    「11の欲望」の詳細や分析方法については、以前にもDo! Solutionsのブログでご紹介していますので、ぜひそちらをご覧ください。そこでも述べている通り、デジタルマーケティングが主流となる現代において、顕在化された数字や情報を追うだけでは捉えきれない「欲望」に着目することは、より深く心に響くマーケティングを考えるうえで非常に意義があると考えられます。

    しかし……

    DDDが「11の欲望」を最初に発表したのは2022年のこと。ベースとした調査結果は、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活様式が激変していた2021年のものです。2023年5月のいわゆる「5類移行」後、社会は感染を防ぎながらも共生していく方向へとシフトし、人々の消費行動や経済活動にも目に見えて変化が生じ始めました。これは、欲望にも何か変化が起こっているかもしれない。

    試しに欲求の因子分析を行ってみると、前回とは異なる因子がいくつか浮かび上がり、明らかに潮目の変化が観測されました。欲求の因子数(11個)は変えない前提を置いて分析しましたが、そのうち6つの欲望については、コロナ禍を経て内容に更新が必要だと判断されたのです。

    2024年、欲望はこう変わった!

    以上の経緯を経て、2024年3月、DDDは新たに欲求を因子分析し、リニューアルされた最新版「11の欲望」を発表しました。内容に変化があったのは、緑で網掛けされた以下の6つの欲望です。それぞれどこが変わったのか、簡単に解説していきましょう。

    ④「さみしい人とは思われたくない欲望」→「わたしの役割でつながる欲望」

    前回までは「孤独だと周りから思われるのは嫌」という欲望が存在していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により強制的に他者とのつながりを断たれるという経験を経て、多くの人に「一人でいても別に恥ずかしくない」と考える価値観が広がりました。それにより、欲望がより集団の中で自分の役割や意味を考える方向へ変化しています。

    ⑤「マイワールドを追求したい欲望」→「腕を磨いたから、腕試し欲望」

    「探求したい・成長したい」といった自己実現への没頭欲に加え、「感動したい」という欲求も見られるようになりました。行動制限が緩和されるにつれ、コロナ禍に自分が煮詰めていたことを誰かと共有して手応えを感じたい、という思いが強まったと考えられます。

    ⑥「資本集中型浪費欲望」→「資本集中型消費欲望」

    「時間もお金も一気に放出して自己実現したい」という欲望が、「現実的に行動したい、お金を使いたい」という欲望へと変化しています。「後先を考えずに楽しみたい」という欲求が他因子に移行しており、本当は派手にいきたいけれどそうもいかないという現実が影響したと考えられます。

    ⑧「炎上しないための欲望」→「肝心な時こそ気配を消したい欲望」

    リアルでもバーチャルでも、些細なことでもめがちな世の中。「とにかく炎上したくない」というシンプルな欲望から、常に“みんな”の方に所属することで「安心と安全を確保したい」と考える欲望に変化しました。「得するより損をしたくない」という今どきの考えも表れています。

    ⑩「あえて愛を確認したい欲望」→「愛がなくちゃね欲望」

    愛があることはわかっていても、あえてそれを確認することで誰かとのつながりを確かめたい、ちょっと感動したい。そうした欲望から、「感動したい」という欲求が他因子に移行。「愛したい、愛されたい」という考えは変わらないながらも、それを消費行動などで形にすることが人生を豊かにすると考える欲望に変化しました。

    ⑪「集め方を集めていく欲望」→「あっ、コレわたしっぽい欲望」

    「モノだけでなくコトも含めた思い出や物語を、自分自身の記録としてためたい」という欲望に、以前は他の欲望に含有されていた「没頭したい」「後先を考えずに楽しみたい」という欲求が追加されました。少し変わった個性も含めた自己演出により、「周りから注目されたい、またそれも見越した衝動買いも楽しみたい」という欲望へと変化しています。

    変化の背景にあるのは、生活者の“たくましさ”

    以上が最新版「11の欲望」の主な変化点ですが、こうした変化の特徴を、DDDでは次のようにまとめています。

    特徴①:特殊な状況下を経験し、「最適化」から「アップデート」へ

    新型コロナウイルス感染症の影響下では、多くの人が特殊な状況に自分を最適化していました。そこから少しずつ解放され、経済活動や生活が活発になっていく中、人々の価値観は元に戻るのではなく、「その経験を通して培った自らの欲望をアップデートしていく」という方向に向かっています

    特徴②:自分と向き合う時間から、自分のスキルを実感する時間へ

    過去の調査においては、「自分と向き合う時間」や「一人で過ごす時間」の大切さが再発見されていることが明らかでした。ところが今回の調査では、さらにもう一歩先に進み、それらの時間で熟成された趣味やスキルを“運用したい”という傾向が高まっています。趣味やスキルを通じて実際に仲間や社会と関係し、貢献することで、自らの新たな付加価値を確かめてみたいという気持ちが感じられます。

    いずれにおいても、コロナ禍に味わった特殊な経験を“失われた数年”としてネガティブに捉えるのではなく、“価値のある経験”にしたいという生活者のたくましさが感じられます。その一方で、「浪費してもかまわない」という欲望に「そうもいかない」とブレーキをかけたり、「炎上したくない」だけでなく「気配を消すことで損をしたくない」とさらに保守的な考えになったりと、厳しい今日を生きる生活者ならではの堅実さも垣間見られ、時代を反映した非常に興味深い分析になりました。

    変化を踏まえ、“心が動く”マーケティングのヒントに

    欲望は、まさに時代を映す鏡。今回はアフターコロナへのシフトを契機として「11の欲望」をリニューアルしましたが、今後も人々の価値観や意識・行動に大きな影響を与えるメガファクター(大規模災害や気候変動、世界情勢の変化、革新的なテクノロジーの登場など)が生じるたびに、私たちの欲望はさまざまな形へと変化していくでしょう。

    こうした欲望の中身や、その移り変わりを的確に捉えることこそ、これからのマーケティング・コミュニケーションの大きなカギ。ターゲットの欲望に応えるアプローチは、数字に表れる販促効果以上に、生活者の「心が動く」マーケティングにつながるからです。

    そして「心が動く」消費体験は、商品やサービスへの愛着や信頼を高め、次の消費行動へと人々を動かす「消費の好循環」を生み出します。次のマーケティング施策や商品開発のヒントを探している人にとって、きっと新しい発見があるはずです。

    「11の欲望」や、そのベースとなっている「心が動く消費調査」の詳細は、eBookにて無料配布しています。直接話を聞きたい!という方がいらっしゃいましたら、ぜひDDDまでお気軽にご相談ください。

    eBook
    電通「心が動く消費調査」ダイジェスト・レポート

    また、DDDでは欲望を起点にした商品開発の具体的なサポートも行っています。こちらも詳しくは別のブログでご紹介していますので、興味のある方はぜひあわせてご一読ください。

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