「愛される商品の鍵は“心が動く”こと」——。
顧客の心が動く商品開発を目指すために、「欲望」を基点とした開発プロセスが必要であることは、こちらのブログでお話しした通りです。では、具体的にはどういった商品開発プロセスを踏めばよいのでしょうか。
今回は、電通の組織横断型プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」がご提供する『心が動く新商品開発プログラム』について、その詳細と活用するメリットをDDDメンバーの千葉貴志が詳しくご紹介いたします。
いつも企業視点に陥ってしまう、新商品のアイデアが枯渇しているなど、新たな商品開発プロセスをお探しの方はぜひご一読ください。
→【事例】「心が動く」に着目し、100年企業の新商品開発にブレークスルーを!
PROFILE
INDEX
『心が動く新商品開発プログラム』とは?
欲望基点でアイデアを発想する新商品開発支援ソリューション
「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」が提供している『心が動く新商品開発プログラム』は、消費者の心に潜む「欲望」を基点に、商品開発からブランディングまで一貫して行う新商品開発支援ソリューションです。
何より大きな特長は、これまで一般的だった“顕在ニーズ発想”や“シーズ発想”とは異なり、“顧客の心の奥底にある「欲望」を具体化し、それを満たす商品の開発” を徹底していること。DDDがこれまで行ってきた消費者研究の知見と商品開発支援ノウハウをふんだんに盛り込み、アイディエーションから戦略設計までを独自にメソッド化したプログラムになります。
2万人分の「心が動いた」生声データを活用
欲望基点の商品開発においてポイントとなるのは、顧客の「欲望」をいかに的確に捉え、可視化できるかという点です。
昨今、消費に関するさまざまな行動や意識がデータとして顕在化されていますが、それらは「なぜその行動をしたのか」「なぜそう考えたのか」という部分にまで踏み込めておらず、欲望を正しくとらえるには不十分な場合があります。
一方、当プログラムが活用するのは、DDDが定期的に実施している『心が動く消費調査』のデータベース。この調査は、消費者がどのような消費によって心が動かされたのかをフリーアンサー回答で広く収集したもので、約2万人分の“生の声”が集約されています。電通独自の貴重なこのデータを活用することで、リアルな「欲望の可視化」が可能になります。
プログラムは、自社の社員主体のワークショップ形式で進行
なお、こちらのソリューションは、DDDから新商品アイデアを一方的にご提案するものではなく、社員自らがアイデアを考えられようサポートする支援型ソリューションです。
プログラムのメインとなるのは、3回のワークショップ。企業の社員のみなさまが主体となってアイディエーションを行い、その都度、DDDが独自の消費者調査データやアイデア発想メソッド、そして質の高いファシリテーションや知見をご提供します。
「心が動く新商品開発プログラム」eBookダウンロードはこちらから
→【事例】「心が動く」に着目し、100年企業の新商品開発にブレークスルーを!
4つのステップで、新たな切り口の商品アイデアを発想
従来の新商品開発プロセスに、4つのステップを組み込む
では早速、具体的な新商品開発プロセスをご紹介していきましょう。『心が動く新商品開発プログラム』は、以下の4つのステップで実施します。
STEP 1:着目すべき欲望を選定
STEP 2:心が動く消費の鍵を抽出
STEP 3:心が動く商品アイデアを発想
STEP 4:欲望基点の体験デザイン
これらを貴社で行っている新商品開発のフローに組み込んでいただくことで、欲望基点の商品開発プロセスへとシフトさせます。
各ステップの概要とは
各ステップやワークショップ内容については無料のeBookに詳しくまとめているので、ぜひそちらをダウンロードしてご覧いただきたいのですが、ここでも簡単にご紹介いたします。
● STEP 1:着目すべき欲望を選定
まずは新商品のターゲットがどのような欲望を持ち、何に心が動かされる特徴があるのかを分析します。
この分析には、『心が動く消費調査』をもとに独自分析した「11の欲望」を活用。自社ユーザー、世間全体、市場カテゴリーや競合ブランドごとに「欲望」分布を比較し、今回の新商品開発で着目すべき「欲望」を戦略的に策定します。
● STEP 2:心が動く消費の鍵を抽出
着目すべき「欲望」が策定できたら、その「欲望」を持つ実際の消費者が、どういった消費によって心を動かされているのかを読み解きます。
その際に用いるのが、DDDが考案したアイデア発想メソッド「欲望ハッシュタグ」です。『心が動く消費調査』のフリーアンサーを各自で読み、ワークショップでそれらを整理しながらキーワードとなる「欲望ハッシュタグ」を発見、言語化します。ここで開発したハッシュタグやセンテンスが、心が動く消費の重要な鍵となります。
● STEP 3:心が動く商品アイデアを発想
STEP2で言語化した「欲望ハッシュタグ」をヒントに、具体的な商品のアイデアを発想していきます。
商品やサービス内容だけを考えるのではなく、ネーミングやコンセプト・ステイトメントも合わせて検討し、よりクリエイティブで方向性のブレない商品開発を進めていきます。
● STEP 4:欲望基点の体験デザイン
発想した新商品アイデアについて、上市に向けてどう戦略を立てていくかを考えるのがSTEP 4のフェーズです。
漠然とした欲望が明確な購入意思決定につながって購入後の満足を得るまでのシナリオ=「欲望カスタマージャーニー」を作成し、顧客の消費体験を具体的にデザインしていきます。
→【事例】「心が動く」に着目し、100年企業の新商品開発にブレークスルーを!
ほかにはない5つの導入メリット!
スタックしがちな新商品開発をぐんぐん推進できる
以上でご紹介したように、『心が動く新商品開発プログラム』はプログラムとしてのフローとメソッドが確立されているので、新味が乏しい、決め手に欠けるなどとかくスタック(行き詰まり)が起こることが多い商品開発プロジェクトも滞ることなく進められます。
部署内での新商品開発はもちろん、関与者が多く進行が難しい組織横断型の新商品開発や、他社とのコラボレーション商品の開発にも役立ていただけると思います。
アイデアで終わらずアウトプットへつなげられる
新商品開発がスタックしてしまう原因はさまざまですが、アイデアは出たもののアウトプットにつなげる戦略設計ができない……というお悩みも多くお聞きします。当プログラムでは、アイディエーションだけでなく上市に向けた具体的な体験設計や戦略設計までセットで行うので、より現実的な新商品開発として進めていただけます。
ローンチやその後のサポートも一貫してご利用いただける
さらに、上市決定後の商品化や宣伝・PRといったコミュニケーションプランニングやクリエイティブ制作も、DDDおよび電通の各部門がトータルでご支援いたします。
ファクトによる裏付けがある
最初にもご紹介した通り、当プログラムではDDDが独自に調査した『心が動く消費調査』や、そこから分析した「11の欲望」をエビデンスにしています。そのため納得性が高く、アイデアにも幅が出ますし、企画を推進する際の裏付け材料としても効果的に活用いただけます。
社員中心の主体的なプロジェクトが実行できる
商品開発の経験豊富なDDDメンバーがサポートしながらも、あくまで主体は社員のみなさま。ワークショップを通じてアイデアを深く発想していくことで、商品開発が自分ゴト化され、コミットメントやモチベーションの向上にもつながります。
ちなみに、過去に当プログラムをご採用いただいた企業の参加者さまからは、以下のようなコメントも頂戴しています。
● 「心が動く消費者調査」の自由回答は人の像がわかるビビッドなものが多い。自分の中から発想するより広げられるし、ジャンプできる。
● 調査回答者がどういう思いでこの消費をしたのか、消費をした後どういう気持ちになったのかを掘り下げる過程が面白かった!
消費を煽るのではなく、価値ある新商品開発を
一番目指すべきは、顧客の心からの満足
ここまで“心が動く新商品開発”のプロセスや活用メリットについてお話してきましたが、欲望基点で商品を考えるとは、いかに“顧客本位”で商品を考えられるか、ということでもあります。
ただ「売れる」「バズる」といったことだけを目的にしてしまうと、ともすれば企業本位に陥り、顧客の心の内をしっかり理解しないままになってしまいます。『心が動く新商品開発プログラム』を通じて、私たちDDDも、お客さまが心の底から満足する商品の開発をご支援していきたいと思っています。
新商品開発以外にも、ぜひご活用ください!
なお『心が動く新商品開発プログラム』というソリューション名ではありますが、新商品の開発に限定したソリューション、というわけではありません。同じ手法やデータを活用し、既存商品のターゲット戦略や既存ブランディングを刷新していくこともできます。
事業に新しい切り口を求めている企業さまや、より顧客理解を深めたいとお考えの企業さまに、広く当プロジェクトをご活用いただければ幸いです。ご相談・ご質問等がございましたら、ぜひお気軽にお問い合せください。
→ 【関連ブログ】その新商品開発、顧客の“心”は動いていますか?