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    ファンコミュニティを市場につなげる―LINE公式アカウント連携

    最終更新日:2024年03月13日

    INDEX

    進撃のPDMファンコミュニティクラウド 2022 第3回
    第1回「ファンコミュニティの始め方と育て方」はこちら
    第2回「ファンを増やすために。コミュニティの外に目を向けてみよう!」はこちら

    自社のファンコミュニティの内に留まらず、その壁を越えて外(市場)でファンを増やすことは、企業にとって大きなチャンスになる。

    前回ブログでは、ファンコミュニティを運営する中で抽出される「ファンの声」や「ファンになった理由」と、市場の消費者分析から抽出される「消費者行動データ」を連携させたマーケティング施策をご紹介しました。

    しかし、「ファンの声」や「ファンになった理由」を新たなファン獲得のために活用する方法は、「消費者行動データ」との連携だけではありません。今や多くの人が使うようになった「SNS」との連携でも、効果的なマーケティング施策を生み出すことができます。

    日本で最も利用者が多い「SNS」であるLINEは、より多くの消費者と直接つながれる機会を企業に提供しています。企業は、「LINE公式アカウント」を通じて、LINEをマーケティング施策に活用することができます。本ブログでは「LINE公式アカウント」と「ファンの声」や「ファンになった理由」を連携させるマーケティング施策について、電通の杉之尾が解説します。

    PROFILE

     

    ファンコミュニティをLINE公式アカウントとつなげる

    ファンコミュニティをLINE公式アカウントとつなげると何ができるのか?

    ファンコミュニティの中にはコアなファンもいれば、ライトなファン(さほどファンではない消費者)もいます。自社のファンコミュニティを運営することで、企業はライトなファンがコアなファンへ変わる理由(トリガー)を知ることができます。

    その知見にもとづいたマーケティング施策を、ファンコミュニティの外に出てLINE公式アカウントに参加する多くの消費者(自社のファンになるかも知れない人たち)に行うことで効率的にファンを増やすことができるのです。

    最近、私がよく受ける以下の相談をケースにひも解いていきましょう。 「LINE公式アカウントでクーポンを配布して、多くの消費者とつながることができた。しかし、そこから売上が上がるような成果には至らない。何をしたらいいの?」

    LINE公式アカウントでクーポンを配布すると、
    多くの消費者と直接つながること
    つながった消費者に商品やサービスの情報を提供すること
    ができます。
    この施策によって、「認知」「興味・関心」を喚起することはできます。しかし、ただブランドや商品の情報を消費者に直接提供しても、それだけでは売上が上がるわけではありません

    では、LINE公式アカウントでつながった消費者を、ファンへと変えるにはどうすればよいのでしょうか?
    そのためには、商品・ブランドに関する情報ではなく、商品・ブランドへの「熱い気持ち」や、「萌え」や「推し」ポイントなど、「商品・ブランドへの熱量を上げる情報」を提供していく必要があります。
    ファンコミュニティの「ファンの声」」から得ることができた「消費者の熱量を上げた情報」を活用すれば、それを効果的に行うことができます

    具体的にどういうことか、実際の事例ではありませんが、例え話で説明したいと思います。 LINE公式アカウントを持っているハンバーガーショップがあった、とします。

    ショップはLINE公式アカウントを通じて、「肉のジューシーさ」を訴求するWEBページを開設、そのページを見た消費者に「ハンバーガー割引クーポン」を配信していました。ショップは「肉のジューシーさ」を、ハンバーガーが美味しいと感じてもらえる理由だと考えていたからです。しかし、クーポン券は使われないどころかアカウント登録者からの反応は特にありません。

    そこで、ショップはファンコミュニティを運営してみることに。ファンコミュニティ参加者の意識や行動の分析から「ハンバーガーに入っているレタスのシャキッとした食感」が「ファンになった理由」だと分かりました。

    「肉」にあると考えていたハンバーガーの特長が、実は「レタス」にあるの?!ショップは驚きながらも訴求ポイントを「レタスの食感」に置いてみることにしました。「シャキッ とした食感」を伝えるにはwebページより、食感や音感を演出しやすい動画の方が効果的だと考え動画を制作。そして、動画を閲覧したアカウント登録者にクーポンを配信することにしました。さて、この後「クーポン利用数」は…

    「ファンの声」に耳を傾け「ファンになった理由」を発見・活用することで、LINE公式アカウント上でのプロモーション(メッセージ内容や手法)の改善が可能になります。その結果、成果(クーポン利用や売上、またファンコミュニティ参加者やLINE公式アカウントの友だちの数)の向上がより高い確度で期待できるようになります。

    LINE公式アカウント登録者をファン化する

    LINE公式アカウントを活用すると、つながる消費者の規模を大きくすることができます。さらに、ファンコミュニティで発見することができた「ファンになった理由」を活用することで、「熱量を上げる情報」を参加者に提供することができます。

    つまり、LINE公式アカウントをファンコミュニティにつなげることで、「熱量が上がる情報」の到達範囲を拡大することができるわけです。すると、それまで関心を示さなかったアカウント登録者の中で、情報に反応し、ライトにファン化する人の数が増えていきます。

    LINE公式アカウントでライトなファンが増えてきたタイミングで、ファンコミュニティの情報(ファンコミュニティ参加者が投稿したような、さらに熱量が高い情報)をLINE公式アカウントに流します。

    ライトなファンはこの情報に反応し、「いいね!」をしたり、投稿をフォローしたり始めます。そして、積極的にファンコミュニティに参加し始めます。

    LINE公式アカウントからファンコミュニティに流入したライトなファンは、ファンコミュニティの中で、多くのコミュニティ参加者とつながり、交流します。やがて商品・ブランドへのロイヤルティが高まり、コアなファンになる人も現れます。こうして、LINE公式アカウント登録者からもファンが育っていくのです

    ファンコミュニティを他のマーケティングへ拡張する

    ファンコミュニティの外に出て他のマーケティング施策とつなげることでファンを増やす。

    このようなアクティベーションは、LINE公式アカウントを通じたマーケティング施策だけではありません。例えば、CRM(Customer Relationship Managuent;顧客関係管理)におけるロイヤルティプログラムにつなげることでも実現することができます

    CRMでは「購買をした」「購入量が増えた」顧客の行動から、購買のトリガー(例えば購買量が増えるきっかけとなった関連商品などの購買実績)を分析・把握することができます。しかし、「なぜ欲しくなったのか」「なぜ購買に至ったのか」といった消費者心理までは把握できませんでした。

    一方、ファンコミュニティでは投稿内容や参加者のコミュニティ内の行動から、商品やブランドの「ファンになった理由」を解明することができます。つまり「なぜ購買したのか」「なぜファンになったのか」といった消費者心理を把握できるわけです。 「ファンになった理由」を、ファンコミュニティ参加者の購買履歴やマーケティングの分析をロイヤルティプログラムに連携させることで、顧客の「行動データ」だけでなく「心理データ」の把握が可能になります。 ロイヤルティプログラムにおけるインセンティブ設計を例に考えてみましょう。一般的なプログラムでは、幅広いタイプの消費者が欲しくなりそうなもの(インセンティブによくある温泉旅行や地域特産品など)を提供することが多く見受けられます。

    一方「ファンになる理由」をインセンティブ設計に反映させると、商品やブランドの「萌え」や「推し」ポイントを反映させた、商品・ブランド固有のファン心理をくすぐるインセンティブを設計できるようになります。顧客の「心理データ」を把握できたからこその設計ができるようになるわけです。

    これまで解説したLINE公式アカウントやCRMとの連携だけではありません。「ファンの声」や「ファンになる理由」を活用して、さらにファンを広げる方法は、まだまだあります。Twitterなど、他のSNSなどのプラットフォームとの連携、クリエイティブやイベントなどのマーケティング施策との連携など、その可能性は広がります。

    シリーズ「進撃のPDMファンコミュニティクラウド 2022」、3回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。

    今こそ「ファンの声」を、マーケティングに。
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