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進撃のPDMファンコミュニティクラウド 2022 第1回
「これからファンコミュニティを立ち上げたい。でも何から始めたらいいのか分からない」
「すでにファンコミュニティを立ち上げたけど、うまく運営できない」
「ファンコミュニティをもっと拡張するにはどうしたらいいのだろうか」
シリーズ「進撃のPDMファンコミュニティクラウド 2022」では、ファンコミュニティに関するこのような課題を解決するための施策をご案内していきます。
第1回目は、「ファンコミュニティの始め方と育て方」。
代表的な課題を解決していく方法について、PDM ファンコミュニティクラウドにおいて電通のパートナー社であり、ファンコミュニティマーケティングのリーディングカンパニーであるクオン株式会社 カスタマーサクセス一部 営業一課 課長 中西一毅さんに語って頂きました。
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PROFILE
「ファンコミュニティの立ち上げ=SNSの立ち上げ」でいいの?
「ファンコミュニティが流行っているけど、何から始めたらいいの?」
「ファンコミュニティとSNSって、同じようなことができるんでしょ?」
「SNSをうまく使ってバズったらファン化するはず…」
SNSは多くの消費者が使っているため規模が大きく、いわゆる「バズる」と言われるように情報の拡散が得意なメディアです。
企業からの発信に対して多くの消費者が反応するので、そのことで「ファンが増えた!」と思われるかもしれません。
しかしSNSでの発信では、そのほとんどが企業から消費者への一方向となるため、消費者と継続的に接点をもったり、深い関係を醸成したりということが難しく、期待するような「ファン化」はなかなか起こりません。
一方ファンコミュニティは、商品や企業の熱烈なファンからライトな関心を持った人まで
多様な消費者が集まり、コミュニケーションするオンライン上の場です。
そこでは、企業と消費者が継続的に対話することができ、対話を通して深い関係を醸成し、ファンを育てることができます。
投稿や拍手(同意や応援の意を表す)をはじめとするコミュニティでの活動がデータとして蓄積されていくので、ライトな関心層からファンに成長した参加者がどのような活動をしていたのかを、時系列を遡って把握し、分析することができます。
SNSとファンコミュニティは、それぞれの得意分野を理解してうまく使い分けていくのがよさそうだ、ということが分かるかと思います。
コミュニティ運営を始めるにしても、何を会話のきっかけにすればいいの?
「ファンを育てたいからファンコミュニティを始めよう!」
「でも何をテーマにコミュニケーションしたらいいのか分からない…」
当社は独自のテクノロジーを活用して、これまでに200社を超える企業のファンコミュニティを構築・運営してきました。
その中で「消費者同士がつながるきっかけとなるテーマ」の切り口には3つのタイプがあることが分かってきました。
●ブランド中心型:(例) 男性化粧品ブランド
●カテゴリ中心型 :(例) 男のスキンケア
●ライフスタイル共感型:(例) ニューノーマル時代のビジネスマナー
いずれのタイプも、テーマに興味関心を持った消費者同士がお互いの会話を通じてつながっていきます。
それでは、3つのタイプのうち、どのテーマを消費者同士がつながるきっかけとして選べばいいのでしょうか。
その答えは、当社クラウドに蓄積された様々なコミュニティ参加者の膨大な投稿や行動データから導き出されます。
データをもとに、AIがコミュニティのタイプごとにテーマの方向性をパターン化し、その結果から当社プランナーが具体的なテーマをつめていくのです。
コミュニティの成長とともに、テーマの切り口も変わっていきます。
そこで、AIが「運営シナリオ」を作成し、シナリオをもとに運営しながら適宜成長を確認し、具体的なテーマをチューニングすることで、コミュニティの活性のPDCAを回していきます。
いざコミュニティ運営を始めてみたら、思ったように盛り上がらない、活性化しない。
「よし、テーマも決まったしまずはやってみよう!」
「盛り上がるか心配だから、まずはインスタグラマーに盛り上げてもらおう」
「最初にコアファンで熱く盛り上がってもらえれば、ライトなファンもついて来てくれるはず…」
ファンコミュニティが盛り上がるかどうか、始めてみるまでとても不安になると思います。
世の中にファンコミュニティと呼ばれるものはたくさんありますが、参加者や発言がなかなか集まらなかったり、
最初はそれなりに盛り上がっていたはずなのに、気づくとコミュニティに動きがなくなってしまった、ということも少なくないはずです。
実際、当社にもそういったご相談をよくいただきます。
ファンコミュニティでは、コアなファンとライトなファンが相互にコミュニケーションすることが重要なポイントです。
コアファンだけの限定したコミュニティにしてしまうと、コアファンにしか分からない話題ばかりが飛び交い、
他の参加者を寄せ付けない状態(当社では「タコツボ化」と呼んでいます)が、起こります。
この「タコツボ化」が進むと、特定のファンだけが発言するようになり、場は閑散としていきます。
新たな消費者がコミュニティを訪問してくれたとしても、閑散とした場を見て「寒いな」と感じれば、二度と来てくれなくなってしまいます。
そのような印象を与えることで、せっかく来訪してくれた人のブランドへのイメージも傷つけてしまうことになります。
インフルエンサーによる投稿を活用すれば、キラキラした写真によってコミュニティが盛り上がっているように見えるかもしれませんが、横のつながりは起こらないため、ファンを育てる場にはなりません。
では、コアファンとライトファンが相互にコミュニケーションし、活性しているファンコミュニティとはどのように生まれるのでしょうか。
当社が運営する「“絆”のコミュニティ」や、他に、さまざまなかたちで提供されているコミュニティをぜひのぞいてみてください。
目指したいコミュニティの姿が見えてくることと思います。
とにかく情報発信すれば参加者同士でコミュニケーションが起こるの?
「目指したいファンコミュニティの姿は分かったけど、どのくらいの頻度でコミュニケーションすればいいのだろう?」
「消費者に伝えたい情報はたくさんある。とにかくどんどん発信してみよう」
企業には、消費者に伝えることでファン化につながるような情報がたくさん眠っています。
しかし、それをただひたすら伝えていくだけではファン化は起こりません。
それどころか情報過多になってコミュニティ参加者は疲弊してしまいます。
それを避けるために、「運営シナリオ」をもとに、場をファシリテートする存在が必要です。
こちらをご覧ください。
この図は、ファンコミュニティのネットワークを可視化したものです。
丸い点の一つひとつはコミュニティ参加者を、点と点を結ぶ糸のような線は参加者同士で互いにやりとりがあったことを示しています。
この図は、コミュニティによって形が異なり、時間によっても変化します。
このことは、コミュニティがまるで「生き物」であるかのように複雑で多様に成長していくということを教えてくれます。
図をよく見てみると、とりわけたくさんの糸がつながっている点があることが分かります。
この放射状に糸が広がる中心にいるのが「ファシリテーター」です。
ファシリテーターはコミュニティ参加者に対して、投稿テーマを投げかけます。
参加者がそれに反応してコメントを投稿し、また他の参加者が返信を返すことで糸がつむがれていくのです。
投稿テーマの内容や、ファシリテーターがそれを投げかけるタイミングは、コミュニティの「運営シナリオ」をもとに決められます。
ただし、コミュニティは生き物であり、すべてが予測通りに進むとは限りません。
そのため、ファシリテーターはAIが作成したシナリオだけでなく、プランナーがつくる企画を織り交ぜながらコミュニティに働きかけていきます。
コミュニティの活性は、AIと生身の人間の企画、その組み合わせにより生まれるのです。
ファンコミュニティが軌道に乗るにはどのくらい期間が必要なの?
「ファンコミュニティって、活性するまでどれくらいの日数がかかるの?」
「どうすれば、長く続くコミュニティになるの?」
当社の場合、コミュニティを開設すると決めてから約2カ月でオリジナルのコミュニティがオープンします。
コミュニティを開設する当社クラウド上には、コミュニティでの対話に既に慣れている消費者が多く活動しています。
そのため、オープン直後からコミュニティに参加者が集まり交流が始まるため、コミュニティの活性は初日から実感していただけます。
ここから「運営シナリオ」に沿ってファシリテーターが投稿テーマを投げかけ、参加者の活動を促していきます。
コミュニティへの集客人数1万名をコミット目標として実施していきます。
そして9ヶ月経った時点でデータマイニングを実施します。
この時点で
「どれくらいのコミュニティ参加者がファン化したのか」
「ファンは売り上げにどれくらい貢献したのか」
「ファンになった理由や共感ポイントのもとになったものは何か」
などが分析結果として出てきます。
「ファンになった理由」は、店頭やWebサイト等で販売促進のためのキャッチコピーなどのメッセージを作成する際にも活用できます。
この分析結果を使って、コミュニティに参加する消費者像の解像度を上げることにより、
コミュニティ内の参加者の活動をさらに促したり、よりファンが育つような施策にチューニングします。
例えば、「ある商品は用途アイデアが増えると参加者がファンになる確率が高くなる」ということが分かったら、
翌年は「用途アイデアを募るような会話を増やす」施策を中心に据えます
「AIが作成したシナリオを活用しながらコミュニティ参加者の会話をファシリテートする」
「定期的にデータマイニングを行う」
「データマイニングの結果を元にシナリオをチューニングする」
このようなPDCAサイクルを回すことで、持続可能なコミュニティ運営を実現します。
ファンコミュニティが活性化すると、売上は向上するの?
「コミュニティの成果は、分かりやすく数字に現れてくるのだろうか?」
「コミュニティが活性すれば、商品を買ってくれるようになるの?」
ファンコミュニティの成果をどう評価していくのかについても、当然気になるところかと思います。
定量的な成果に関してお伝えすると、コミュニティが活性するにつれて、コミュニティに参加している消費者のファン化が進み、
商品購入やサービス利用の増加にも寄与することが分かっています。
これは、コミュニティで頻繁に発言するなど、積極的に活動をしている参加者だけに起きていることではありません。
発言はしていない閲覧者においても、他の参加者間のやり取りを見ているうちに、
最初は無関心であったが、その後、態度変容を起こし、やがて購入にまで至ることが確認されています。
コミュニティが活性すると、それに比例して参加者のコミュニティに対する帰属意識が向上し、その影響が行動に現れ、購入金額や購入頻度が増加したり、離反率が低下したり、他者への推奨が起こるようになります。
その結果、ライフタイムバリューが向上していきます。
つまり、コミュニティの活性と売上というのは、相関関係にあると言えるのです。
シリーズ「進撃のPDMファンコミュニティクラウド 2022」の第1回ブログは以上となります。
第2回では「ファンになる理由」をコミュニティの外の人に広げ、ファンを増やす方法をお知らせいたします。「ファンを増やすために。コミュニティの外に目を向けてみよう!」はこちら