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    採用ブランディングとは~「若者基点」で取り組む意味、メリット、進め方を解説

    最終更新日:2024年06月07日

    採用ブランディングとは~「若者基点」で取り組む意味、メリット、進め方を解説

    企業環境の急激な変化や人材の売り手市場化が進む中、優秀な“人財”の獲得競争はより激しくなり、多くの企業にとって採用広報の重要性が増しています。その際、第1回の記事「採用広報とは〜メリット、手法、進め方、4つの成功ポイント」でもご説明したように、自社の企業姿勢や事業変革の取り組みが採用ターゲットにうまく伝わらない、というお悩みを持つ企業が少なくないようです。

    この問題を解決するには、採用にマーケティングの手法を取り入れて、ターゲットのインサイトに基づいた「若者基点」のブランディングに取り組むことが効果的です。

    「若者基点」で採用を考える。この一見当たり前なことが、今、実はとても大切です。

    第2回は「若者基点の採用ブランディング」の意義や進め方、コツや留意点などを、採用に特化した電通の専門チーム「採用ブランディングエキスパート」メンバーの岩邊が解説します。あわせて、実際に多くの企業様にご提供しているソリューション「採用ブランディング by HR for Growth」をご紹介します。

    PROFILE

     

    INDEX

    採用ブランディングとは~「若者基点」で採用広報が変わる

    採用ブランティングとは

    採用ブランディングとは、自社の採用力強化のために自社をブランド化することです。企業価値やありたき姿を知ってもらい、「自社で働く」ことにおける独自の価値を形成することが狙いです

    ブランディングとは一般に、企業や商品・サービスなどに対して独自のイメージや価値を与えるマーケティング活動です。企業の認知度や信頼度を高め、競争力を強化します。その場合のターゲットは消費者や取引先であり、その企業や商品を選ぶ(購入する)際においての優位性を高めるものとなります。一方、採用ブランディングにおけるターゲットは求職者が中心となり、ターゲットに合わせた独自の戦略設計が必要となります。

    「この会社で働きたい」と感じてもらえるような価値をアピールし、就職活動を始めてから採用に至るまでの採用活動全体で共感を得て行動を喚起することが大切です。

    そのためには、ターゲットである現代の若者の価値観や、就活に伴う意識や行動の変遷に寄り添って、コミュニケーション全体にわたってブランディングすることが求められます。

    なぜ若者を基点にするのか

    ではなぜ「若者基点」なのでしょうか。今、就活生から「どこの会社も同じようなメッセージに思える」「上から目線で、共感できない」などの声を聴くことはないでしょうか。また逆に、企業側では「会ってみたい人に会えない」という、いわゆるミスマッチを感じていないでしょうか。

    Z世代などにみられるように、現在の求職者の就業観・価値観は大きく変化しています。そのため、就活生(若者)の企業への期待と、採用企業の意思とのギャップがますます広がっているのが現状です。この課題を解決する近道は、当事者である若者を基点に考えることです

    例えば、採用広報に「若者基点」の発想を取り入れた「採用ブランディング by HR for Growth」では、マーケティングで用いる「3C分析」に改めて着目し、就活生の分析を基点にして、自社分析/競合分析を行います。

    若者を基点にターゲットと自社を深く洞察し、「自社ならではで・他社がやっていない・若者に寄り添った」採用コンセプトを開発します。そしてこのコンセプトを戦略の中核に置いて、戦略や施策を導出し、実施検証を行っています

    採用メッセージを開発する3C分析

    若者基点で考えるメリット

    若者基点で考えると、「自社」の視点とともに、自社が必要とする「若者」側の視点に立った魅力的なコンセプトを見つけることができます

    若者基点で、自社のあるべき姿を見つめ直し、ビジョンとファクトを語ることができるようになれば、求職者が「働く自分」をイメージしやすい世界観をメッセージにして届けることができるようになるでしょう。

    また、若者基点で考えると採用ターゲットを精度高く捉えることができ、彼らのインサイト(洞察)に基づいたコミュニケーションを実施することが可能になります。彼らの就職活動全体にわたって寄り添うコミュニケーションを行えれば、自社ならではで/競合他社とは異なるコミュニケーションを実現できるでしょう。

    そして、ターゲットのインサイトに基づいてプランニングし、実行するというマーケティングの基本フローを応用した仕組みは、組織に定着しやすくPDCAを繰り返すことができます。それにより、改善を重ねながら一貫したメッセージや施策を戦略的に発信することが可能になり、若者に「選ばれ続ける企業」として「採用ブランド」としての価値を形成することにつながります

    「若者基点」の採用ブランディングの始め方・進め方

    とはいえ、「若者基点の採用ブランディングって言っても、何から始めればいいの?」 「どこから手をつければいいのか分からない」 といった疑問を持たれる方も多いかもしれません。

    大丈夫です。ここからは、私たち電通がご提供している「採用ブランディング by HR for Growth」を通じて、進め方の概要を解説いたします。

    「採用ブランディング by HR for Growth」は、若者を基点にプランニングを進めます。「ターゲットインサイトの把握」から始まり 「採用コンセプトの開発」「ジャーニー設計・各施策の開発と実行」「効果検証・PDCA」と進めていきます

    「採用ブランディング by HR for Growth」サービスフロー

    ターゲットインサイトの把握

    人事担当者や社内の若手社員・内定者へのインタビュー、候補者となるZ世代を中心とした若者の価値観や考え方に関する調査を基に、理想の人財像を明確にし、採用ターゲットのインサイトを把握します。

    採用コンセプトの開発

    ターゲットインサイトに加え、自社と競合の視点を踏まえて採用コンセプトを策定します。経営戦略との整合性、自社の独自性の明確化、ターゲットの共感などを念頭に置いてコンセプトを開発し、一貫性のあるメッセージを考えます。

    ジャーニー設計・各施策の開発と実行

    ターゲットのジャーニー(候補者が企業を就職先としての認知、理解、共感、エントリー、内定承諾するまでの道のり)を設計し、各フェーズにおいて、有効なコンタクトポイントと有効な訴求を明確化・整理をした上で、各種施策を設計・実行します。

    効果検証・PDCA

    GA分析、定量・定性調査や外部データを活用して効果を検証し、施策をブラッシュアップしていくことも欠かせません。そして、PDCAを回しながら取り組みを体系化し、選考フローの効率化など実務オペレーションの改善にも取り組んでいきます。

    「若者基点」の採用ブランディングをうまく進めるコツ

    「採用ブランディング by HR for Growth」は、「若者基点」でブランディングをうまく進めるためのコツとして、4つのポイントを重視しています

    コンセプトを明確にする

    当たり前ですが、コンセプトを明確にすることがとても大切です。自社のパーパスに根差した、ターゲットのインサイトに刺さる簡潔明瞭なキーメッセージを創り出すことを目指しましょう。

    課題と戦略を一枚絵にする~「就活ジャーニーマップ」

    課題と戦略が一枚絵にまとまっていると、施策の一貫性が担保できます。「採用ブランディング by HR for Growth」では、就活生の「ジャーニーマップ」を作成します。このジャーニー上での意識と行動の変化に沿って、ゴールに導く戦略を考えます。この「就活ジャーニーマップ」を、プロジェクトメンバー全員で共有し、採用活動の指針とすることがポイントです。

    就活ジャーニーマップ

    KPIを明確にする

    KPIは、課題と戦略の一枚絵(就活ジャーニーマップ)にまとめた上で、下図のような行動ファネルを設計して、KPIを設定します。
    例えば課題が「応募者数の不足」ならエントリー数、「選考の歩留まりが悪い」なら各選考の通過率や自社サイトからの応募数、「採用ターゲットからの応募が集まらない」なら特定人財のエントリー数(理系、女性など)や企業イメージが指標となります。

    特に、自社サイトからの応募数は重要です。中長期的に見て、自社サイトへの流入を増やすことは、就職ナビサイトでは伝えきれない情報を候補者に届けることにつながり、理解度の高い応募者の獲得と離脱率の低下が期待できるからです。

    採用ブランディングに取り組むメリット

    PDCAを回す

    実際に行った施策やメディアでの発信が有効であったかをチェックし、次の計画に活かすPDCAは大切です。その上で、内定者や新入社員へのアンケートやエントリーの窓口となる自社の採用サイトのアクセス解析は、有効な方法です。「エントリーの入り口や施策の効果」「企業認知のきっかけ」「興味関心を引き出したコミュニケーション」「入社意欲が高まったタイミング」などを確かめます。候補者に最も近い現場の声を基点に改善を図るのがポイントです。

    「若者基点」の採用ブランディングで進める際の留意点

    課題の多さ、関係者の多さ

    「若者基点」の採用ブランディングは、ターゲットの意識や行動に合わせて、必要な施策が多岐にわたって展開されます。そのため「関係者や関係会社が多くて混乱する」「個別の施策は最適でも全体のメッセージに一貫性が保てていない」「採用全体として最適化できていない」「人事担当者の業務量が増える」といった問題が生じがちです。これを避けるためには、先に述べた就活生のジャーニーマップのように、若者基点て戦略全体を一枚の図で可視化・共有化してから効率的に取り組むことが大切です

    自前で取り組む難しさ

    若者基点で取り組む場合、若者のインサイトに関する知見や、採用市場全体の動向に対する知見を十全に活かすことが重要です。そのため、自社のみの知見で取り組めるかどうかを判断することは大切です。また、新たな採用活動のフローやフレームをゼロから自前で再構築するのは現実的ではないので、外部の作業実績をどの程度参考にすべきかを判断する必要もあります

    パートナー選びのポイント

    仮にもし外部のパートナーの導入を検討されるなら、戦略の入口から実施の出口まで一貫してサポートできる相手を選ぶことをおすすめします。各工程や施策ごとに専任の外部パートナーが関わると、複数のパートナーとの調整に工数を取られることになります。重要なのは、肝心の採用ブランディングの取り組み自体に集中できるような体制をつくることです

    「採用ブランディング by HR for Growth」

    若者基点のマーケティングメソッドを活用した電通オリジナルのソリューション

    「採用ブランディング by HR for Growth」は 、自社の経営戦略・人財戦略が必要とする採用ターゲットを採用するためのソリューションです

    自社の魅力や仕事内容、働きやすさや働きがいなどを発信する採用広報において、自社の視点に偏ることなくターゲット(就活生)の思考や行動フェーズに合わせたコミュニケーション戦略を立案・実施し、その活動全体で「自社で働く」ことにおける独自の価値を形成して、ターゲットの行動を喚起します。

    ワンストップでご支援

    インサイトの把握から採用ブランディング戦略の構築・実行まで、ワンストップでサポートできるのが「採用ブランディング by HR for Growth」の特徴です

    下図にあるように6つのフェイズを通じて、課題の整理や要件定義から現場での施策実行まで寄り添い、一貫したディレクションにより、高いクオリティを担保しながらあらゆるコミュニケーションの場面で一貫したブランドメッセージを発信することが可能となります。採用に特化した専門チーム「採用ブランディングエキスパート」が一気通貫でご支援します。

    「採用ブランディング by HR for Growth」サービス概要

    「採用ブランディング by HR for Growth」ワンストップ支援の事例

    大手通信インフラ企業の支援事例をご紹介します。この企業は、現状維持を重視する伝統的日本企業イメージから、「安定しているが、個人が挑戦しづらい環境」だと思われてしまい、自社が求める事業変革の担い手たる人財の獲得に頭を悩ませていました。

    そこで私たち「採用ブランディングエキスパート」は、就活生の認識を調査し、狙うべきパーセプション(認識)の変化を明確化した上で、採用ブランディングの課題設定、KPI設定、全体戦略を構築。さらに、パンフレットのデザイン設計から制作、WEBサイトやSNSの設計や運用、説明会の企画運営、インターンシップ、PR活動など、採用コミュニケーション全体の設計まで、一連の取り組みを文字通りワンストップで支援しました。

    その結果、企業の「課題解決・価値創出」イメージが向上し、就活市場におけるポジションが向上したり、採用で競合する企業が変化したりすることで、採用WEBサイト来訪者150%を実現するなどの成果に繋がりました。

    お気軽にご相談ください

    「採用ブランディング by HR for Growth」は、採用ターゲットに自社の企業姿勢や取り組みをうまく伝えるために、「3C分析を基にした採用コンセプト開発」や「就活ジャーニーマップ」などマーケティングの手法を活用した『若者基点の採用ブランディング』に取り組むことで、人財採用に関わる様々な課題を解決していきます。

    詳しい資料を無料進呈しておりますので、ご関心のある方、ご希望の方は、eBookをぜひダウンロードしてみてください。
    事業変革に必要な人財を獲得する「採用ブランディング by HR for Growth」

    次回は、「若者の心をとらえ、動かす採用ブランディング」に取り組むにあたり把握すべきZ世代(若者)インサイトの最新動向について、電通の人財採用コンサルタントにインタビュー取材を通してお伝えします。
    Z世代の心をとらえ、動かす「採用ブランディング」とは?

    また、「自社の採用活動」と「採用ターゲットのインサイト」のズレを解消するために、採用広報の取り組みに「採用ブランディング」の視点を持つことのメリットをお伝えした1回目のブログもぜひご参考ください。
    採用広報とは〜メリット、手法、進め方、4つの成功ポイント

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    事業変革に必要な人財を獲得する「採用ブランディング by HR for Growth」

    「人的資本経営」時代の人財採用とは。 企業基点の採用広報を若者基点の採用ブランディングにシフトすることで、事業変革に必要な人財の採用母集団形成・獲得を支援します。

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    若者基点で、自社が求める人財を獲得する 採用ブランディング by HR for Growth
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