課題背景求められる「プライバシー保護」と「mROI」の両立
プライバシー・ファーストの潮流
近年、ユーザーのプライバシー保護意識の高まりを受け、各国で個人情報保護のルールが厳格化され、GoogleやAppleをはじめとしたプラットフォーム事業者も、Cookieやモバイル広告IDといった従来利用されてきた個人識別子の利用制限を開始しました。生活者に対して「データの利用目的の具体的提示」と「明示的な同意許諾の取得」が求められる世の中へ変わってきています。
マーケティング活動への影響
各種規制により、Cookie等の個人識別子を利用したID単位(人単位)での「顧客分析」「広告配信」「効果測定」といったマーケティング活動に影響が出始めています。そのような状況下で、mROI(マーケティングROI)を向上し、事業成長を実現することは、多くのマーケティング担当者の課題となっています。
ID単位のマーケティングを可能にする「データクリーンルーム」
そのような状況の中で、近年、適切な同意許諾に基づいてID単位のマーケティングを維持、拡張する方法として注目されているのが「データクリーンルーム」です。データクリーンルームとは主にプラットフォーム事業者のクラウド環境で、自社が保有するデータとプラットフォーム事業者等が保有するデータをセキュアに連携し、分析・配信・計測を行える仕組みです。
「データクリーンルーム」3つの課題
Cookieフリー時代の代替策として期待される「データクリーンルーム」ですが、各プラットフォーム事業者で仕様が異なるため、作業過程で3つの困難が発生することが課題となります。
① データ連携の実行プロセスにおいて会社・組織を跨ぐため、セキュアな一元管理が難しい
② 異なる環境下での分析実行に作業負荷がかかる
③ 分析定義が異なるので、横並びの比較が難しい
その課題、TOBIRAS(トビラス)が解決します!
概要事業成長を支援するID単位の統合マーケティング基盤「TOBIRAS(トビラス)」
複数のデータクリーンルームを横断した分析をワンストップで実現
「TOBIRAS(トビラス)」は、複数のデータクリーンルームの横断分析をワンストップで実現する、電通グループが提供するマーケティング基盤の総称です。高い専門性を要とする環境(データクリーンルーム)に、安全性と技術力を持つ「扉」を付けることで新たなマーケティングの可能性を広げたいという思いを込めて開発しました。
複数のプラットフォーム事業者が持つデータクリーンルームに対してデータの転送・集計を行うことができる独自の業務システム「TOBIRAS CONNECT(トビラス コネクト)」を通して、データの分析を一元的に「セキュア」かつ「迅速」に実行します。
さらに、データクリーンルーム取扱いの先行者である電通ならではの豊富な実践知による「補正ロジック」の提供で、各データクリーンルームの分析結果を横並びで比較・活用することができます。
マーケティングの目的や課題に合わせたソリューションを提供
TOBIRASは、電通グループが開発した各種のプロダクトを通して、「顧客分析」「広告配信」「効果測定」といった自社のマーケティングの目的や課題に合わせたソリューションをご提供します。
→ プロダクト一覧はこちら
知見豊富なアナリストがマーケティング変革を支援
電通グループには、統計や機械学習に関するデータサイエンスの専門知識や実務経験に加え、法律や規約を正しく理解し適法の範囲において活用を行う法令順守の視点や、データ利活用が生活者にとって有益な内容となっているかを見極める顧客体験の視点などの、データ・エシックス(倫理)の専門性を兼ね備えた「認定アナリスト」が400名以上在籍しております。それらのアナリストが貴社のマーケティング変革をご支援いたします。
2,000件以上の提供実績とプラットフォーム事業者との強い信頼関係
電通グループは、欧米でCookieの活用が制限され始めた2016年からデータクリーンルームに着眼し、世界に先駆けて各プラットフォーム事業者のデータクリーンルームの「先行開発パートナー」として、利用ライセンスを獲得することで、2023年までに2,000件以上の分析結果やソリューションを顧客企業に提供しております。それらの実績に裏付けされた盤石なシステムと各プラットフォーム事業者との信頼関係もTOBIRASの強みです。
導入メリットユーザープライバシー保護とmROIの両立で、事業成長を実現
フルファネル×ID単位のマーケティングが可能
データクリーンルームを活用したユーザープライバシー保護に対応した形で、フルファネル*かつID単位での「顧客分析」「広告配信(メディアバイイング・CR開発含む)」「効果測定」といったトータルなマーケティングが可能になります。
*フルファネル…顧客が商品やサービスを認知し、購入・リピート・継続利用に至るまでの購買プロセス全体を包括的に捉える考え方
本質的なKPIの再定義が可能
CPC(Cost Per Click)やCPA(Cost Per Action)といった指標にとどまらないLTV指標や、実購買・実来店データに基づいたKPIが設定できるので、事業成長に直結する本質的なKPIを再定義することが可能になります。
データに基づく効率的な意思決定が可能
フルファネル×ID単位のマーケティングと本質的なKPIの再定義を通して、データに基づく根拠のある形での効率的な意思決定が可能になり、事業成長の実現に貢献します。
お客様の声多くの企業が「マーケティング変革」を実感
「購買ベース」でのROI説明で、予算上申がスムーズになった
[アサヒグループ食品様]
TOBIRASを活用し、プラットフォーム(媒体)を横断して広告のオフライン購買への貢献効果を検証することで、今までは社内に対して、インプレッション数やクリック率で広告の費用対効果を説明していたが、購買ベースで数字が出せるようになった。その結果、「このプランで、これだけの予算を使います」と自信を持って提示できるようになった。
参照記事:購買データで媒体横断分析!「ミンティア」に見る、日用消費財のオンオフ統合マーケティング(ウェブ電通報)
SNSのフォロワー分析で既存・新規どちらのファンの打ち手にも活用できた
[フォルクスワーゲン グループ ジャパン様]
複数のSNSのフォロワーをTOBIRASで分析し、長期的にフォローしているユーザーの傾向把握~適切な打ち手へつなげたことで、フォロー解除率を継続的に下げることができた。また、広告のクリック率が高いユーザー属性を分析することで、新たなファン層を発掘するマーケティング戦略に役立てることもできた。
参照記事:フォルクスワーゲン「ファン獲得」のSNSマーケ術 勝ちパターン見える化「データクリーンルーム」(東洋経済オンライン)
ファンとの「絆」の可視化で、“個客”との関係性を深化させることができた
[サントリーホールディングス様]
TOBIRASで、複数のデータ基盤から機械学習を用いてファンとの「絆」を可視化するモデルを構築し、IDベースで“個客”との関係性を深化させることができた。生活者の解像度を大きく高め、広く立体的に捉えることができ、一人ひとりに寄り添う施策が実施できるようになった。
参照記事:LTV思考で取り組む、サントリーの「絆ドリブンマーケティング」(ウェブ電通報)
事業貢献度が明確になり、自信をもって予算配分を行えた
[セゾン自動車火災保険様]
機械学習でコンバージョン確率を判定するTOBIRASのソリューション「ナーチャリングスコア」により、通常は広告出稿から半年後ぐらいに見えてくるCPA(顧客獲得単価)のような「中長期の事業成果」が、動画広告配信後にリアルタイムで測定可能に。それにより、動画広告の事業貢献度が明確に出せるようになり、より自信を持って予算配分ができるようになった。
参照記事:ブランド広告の「未来のCV獲得単価」までわかる!データクリーンルーム×機械学習の衝撃(ウェブ電通報)
関連プロダクト目的・課題に合わせた多彩なプロダクト
電通グループが開発した多彩なデータクリーンルーム関連プロダクトを通して、貴社のマーケティングの目的や課題に合わせたソリューションをご提供します。
分析目的・課題 |
プロダクト |
リーチ |
オンオフ 予算配分 最適化 |
態度 変容 |
KPIリフト (購買/来店/ Web指標) |
ター ゲット像 可視化 |
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Affinity Visualizer クリック率の高いユーザー群を、興味・関心・属性ごとに抽出・可視化し、クリエイティブ開発や最適なターゲット層への訴求に活用可能。 |
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TVCM×デジタル クロスリーチ・リフト分析 TVCM接触データを各データクリーンルームに連携することで、デジタル広告接触によるインクリメンタルリーチや重複効果を計測。TVCMとデジタル広告の予算配分最適化が可能。 |
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購買リフト分析 オフライン購買データを各データクリーンルームに連携することで、広告接触による購買リフトを計測。媒体横断で分析することにより、オフライン購買をKPIとした広告の最適化が可能。 |
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SP COMPASS 予定している販促施策の情報(ポイント数、キャンペーン期間、対象流通、平均購入個数など)を入力することで、参加者数を予測。また、参加者数が最大となるキャンペーン条件を導出することも可能。 |
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チラSeeCycle 折込チラシによる来店効果を、実際の折込チラシ投下量や位置情報データを活用して把握し、チラシの投下量や配布エリアのプランニングへの活用が可能。 |
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ナーチャリングスコア 広告接触履歴や興味関心の属性などから、申し込みや購入に至る確率を推定する予測モデルを機械学習によって構築し、デジタル広告の"中長期効果"をリアルタイムで評価することが可能。 |
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ACUAフレーム デジタルマーケティングにおける見込み顧客の開拓・育成を、効果的かつスピーディに実行するための評価が可能。 |
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態度変容・好意度リフト分析 調査データを各DCRに連携することで、広告接触による態度変容・好意度リフトが計測可能。 |
「TOBIRAS」は、電通が提唱する、事業グロースのための次世代マーケティングモデル「Marketing For Growth」の基盤の1つである、「各種データをシームレスにつなぐ《Data Infrastructure》」に該当するサービスです。「Marketing For Growth」については以下ページをご確認ください。
https://www.dentsu.co.jp/labo/marketing_for_growth/index.html