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    Z世代に刺さる“価値あるインターンシップ”とは:採用競争を勝ち抜くための方法

    最終更新日:2026年04月15日

    Z世代に刺さる“価値あるインターンシップ”とは:採用競争を勝ち抜く方法

    採用市場において学生の人財獲得競争が過熱化する中、学生に一定期間の就業体験を提供する「インターンシップ」が活性化しています。就活準備に役立つこのしくみは、学生にとって業界や職種の理解を深めて自分に合ったキャリアを見つける手助けとなると同時に、企業の人財採用の“最初のハブ”として進化を続けています。

    最初のリアルな接点——多くの企業でインターンシップが担う場——で、学生にどれだけ早く、深く、誠実に向き合えるかが、その後の志望度・承諾率・定着率にまで影響するという構図が生まれています。

    このブログでは、採用競争を勝ち抜く戦略を考える一助として、企業の人財採用を支援する電通のコンサルティングチーム「採用ブランディングエキスパート」の西井と増田が、インターンシップの現状と課題、実践事例、解決視点を語ります。

    PROFILE

     
     

    INDEX

    インターンシップをめぐる採用市場の現状

    進化する「インターンシップ」

    今、企業のインターンシップは、「採用広報の一施策」の位置づけから、採用候補の母集団形成・人財の見極め・入社動機の形成が交差する、採用の“最初のハブ”へと進化を続けています。
    そのきっかけのひとつは、政府によるインターンシップのルール改正(※)です。2023年から、一定の基準を満たしたインターンシップで企業が得た学生情報を、広報活動や採用選考活動に使用できるようになったことで、“採用直結型”のインターンシップが、企業の採用活動において一般化し始めました。
    ※参考:文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進」

    採用直結型「インターンシップ」が生む学生・企業双方への影響

    採用直結型のインターンシップは、有望な学生に「直接アプローチできる」ことが企業にとっての大きな魅力です。今や約半数の企業がインターンシップを「採用直結型」で開催しています日本経済新聞社調べ 。また、学生にとっても、希望職種や企業の仕事内容を効率良く理解し、内定獲得につなげられるという点で非常に魅力的なものとして映っています。 

    夏開催インターンシップ先企業選定時「内定に直結していること」を重視する割合

    これからのインターンシップにおける課題

    他社との本質的な差別化が必要に

    有望層へ早期にアプローチできる 採用直結型インターンシップは、限られた時間の中で効率よく職務理解と意思決定を進めたい学生たちに広く受け入れられています。しかし、同じルールのもとで多くの企業が実施するようになった結果、単に制度を導入するだけでは他社との差別化が難しくなっているのも事実です。

    インターンシップは、企業と学生が初めて面と向かう「雇用主ブランドの入口」です。“雇用主ブランド”とは、企業としての一般的なブランド価値ではなく、「雇用主」という立場から、働く場としてどのような魅力を提供できるのかを示す価値のことです。とりわけZ世代は、インターンシップで良い印象を持った企業への志望や入社決定を強めています。初回接点で“その会社で働く自分”を具体化できたかどうか——この体験の差が、その後の選考行動を左右します。

    入社先決定理由に「インターンシップで良い印象を持った」と答えた人の割合

    今や、インターンシップは激化する人財獲得競争を勝ち抜くために、その“内容”と“場”を
    本質的に差別化すべき局面に入っています。

    「採用直結型」は魅力であり、リスクでもある

    リクルートが実施した「就職プロセス調査(2025年卒)-2024年6月1日時点 内定状況-」では、「早期の企業内定率が上がっている一方、内定辞退率も上がっている」というデータが示されています。 
    これは、早期に内々定を獲得して志望企業を絞り込み、その中でより志望度の高い企業へのさらなる選考対策を行う、という「強気の就職活動」をする学生の増加の表れだと思われます。早期内定の獲得が必ずしも志望度に影響するわけではないのです。

    新卒学生の就職内定率

    就職内定辞退率

    「採用直結」というインセンティブ1本で勝負するのではなく、「企業への印象をどう形成できるか」がますます重要になってきています。

    Z世代の意識を踏まえた差別化のポイントとは?

    「職種を深く理解したい」──学生の関心はリアルな仕事の現場にある

    学生たちがインターンシップで特に気にするのは、「どんな職場で、どんな人と、どんな仕事をするのか」ということです。 日々どのようなアウトプットを生み、どういったステークホルダーと関わり、いかなる基準で意思決定を行う仕事なのか、具体的なプロセスまで理解したいと考えています。

    そんな学生たちに対してインターンシップで企業を印象付けるには「学生自身が興味を持つ職種の体験」と「会社・社風の伝達」が重要です。インターンシップに参加する企業を選んだ際に重視したことを尋ねたところ、これらの項目が上位にあることが分かりました。だからこそ、単なる業務紹介や広く浅い体験ではなく、志望職種に直結したリアルな業務理解を提供できるかどうかが、インターンシップの本質的な差別化ポイントとなります。

    なぜ“心に刺さらない”のか~「自己投影できる文脈」が欠けていないか

    インターンシップにおいて、講義や見学中心の受け身設計だけでは、学習実感も自己投影も生まれません。「そこで働く姿を想像できる文脈」づくりが重要です。学生が主役になり、働く自分を具体化できるだけの文脈や情報を、体験の中で提供する必要があります。職種理解の促進や企業ならではのカルチャー理解にも結び付けて、共感を持って働く自分をイメージしてもらうことにつなげることが効果的です。

    成果を出すための3つの視点──学生の記憶に残るインターンシップ設計

    こうした課題やZ世代の意識を踏まえると、成果を出すための3つの視点が見えてきます。

    ① 共感を生む“語り手”設計:現場のリアルが伝わる体験づくり

    インターンシップでは、学生が「この企業で働くことに共感する」と感じられる瞬間をどうつくるかが重要です。その鍵を握るのが“語り手”です。形式的な会社説明ではなく、現場の社員が日々どのように判断し、どんな失敗や迷いを経験しているのかを率直に語ることで、学生は企業のリアルに触れられます。企業が大切にしている価値観や仕事の姿勢を体現する社員を語り手にすることで、その企業らしさが自然に伝わり、学生の理解と共感は大きく深まっていきます。

    ② 学生自身が興味を持てる仕事内容を十分に理解できる設計

    インターンシップでは、学生が自分の興味を持つ仕事内容に深く触れられるプログラムが欠かせません。Z世代は、将来働く職種や勤務地に対する“確約性”を重視する傾向が強く、具体的に働く姿を描けるかどうかが就職意向に大きく影響します。「自己投影できる文脈」づくりを意識した設計が求められます
    そのため、志望職種や希望勤務地にフォーカスした実務体験やケースワーク、担当社員との対話機会などを盛り込むことで、学生は「自分がこの職場で働くなら」という視点で体験を解釈しやすくなります。結果として、仕事内容への理解が深まるだけでなく、興味喚起や企業への志望度向上にもつながり、学生の記憶に残るインターンシップへと変わっていきます。

    ③ 企業の“らしさ”を体験として伝えるストーリーの一貫性

    学生の印象に残るインターンシップを設計するうえで重要なのは、企業ならではのコンセプトをエントリーから当日のプログラムまで一貫させることです。その企業が大切にしている視点や価値観を、名称・キービジュアル・課題設定・フィードバックの観点・言葉選びに至るまで貫くことで、体験のすべてが同じメッセージを示すようになります。コンセプトが体験の細部にまで息づいていると、学生は企業の“らしさ”を説明ではなく体感として受け取り、「この企業にはこういう文化や考え方が流れているんだ」と自然に理解できます。

    電通が実施した「共感を形づくるインターンシップ」

    こうした視点を踏まえて、2025年2月、電通は自社の対学生ブランディングを目的として、マーケティング部門に特化した「電通マーケティングインターンシップ2025」を初開催しました(※)。本インターンシップのコンセプト開発や企画、設計は、電通若者研究部「ワカモン」のメンバーの協力のもと、「採用ブランディングエキスパート」のメンバーが手掛けました。
    ※参考:求める人財獲得に向け、インターンシップ開発で押さえるべきポイント

    共感を一気に引き上げるDAY0(ゼロ)の“空気づくり”

    電通では、インターンシップの参加者だけでなく応募者全員が参加可能なウェビナーとして、「電通マーケティングインターンシップ DAY0(ゼロ)」を実施。現役プランナーが登壇し、仕事の面白さや意思決定の裏側を対談形式で共有しました。肩の力を抜いたフランクなやり取りは、台本的な説明では届きにくい価値観を伝えることができ、最初の接点から共感を高める役割を果たしました

    1DAYスクールで起きた「自分ごと化」の変化

    書類選考の通過者向けに実施した「電通マーケティング1DAYスクール」では、実務に近い個人課題→全員発表→講評という“全員が舞台に立つ”構成を採用。受け身から当事者へと切り替わる瞬間を全員に用意し、自己表現と内省を促しました。採用する側にも行動特性や思考過程の観察情報が残り、相互のミスマッチを減らすことにつながりました。

    “人間理解”を核にしたコンセプトが学生に刺さった理由

    「“人”に焦点を当て、マーケティングを通じた“人間理解”のおもしろさを訴求する」というコンセプトのもと、インターンシップの名称やキービジュアルを開発しました。エントリーから実施までコンセプトを一貫させ、電通のマーケティングならではのエッセンスをより体感してもらえるように設計できたことで、記憶と感情に残る体験につながりました。応募は1,668件に達し、参加学生にアンケートを行ったところ、満足度は高く企業理解の向上が見られました。

    インターンシップは企業と学生が未来をともに考える出発点

    インターンシップの価値は、単なる「早期接点」や「情報提供の場」にとどまりません。
    企業が自らの使命や仕事の本質を等身大で示し、学生が“働く自分の未来”を描き始める——この双方の理解が重なるところに、インターンシップの真の意義があります。

    体験が、学生の心を動かす

    学生は、説明よりも“その場の体験”から企業の姿勢や価値観を敏感に受け取ります。応募前の導線づくり、実践の機会、社員の言葉やふるまいの一貫性。こうした設計の積み重ねが、志望度や行動の変化に直結します。制度が横並びになりつつあるいま、競争力の源泉はまさに体験の質にあります。

    未来の採用力をつくる一歩目を、インターンシップから始める

    企業らしさが伝わるストーリーの設計、学生が主役になる体験、終了後の接点まで含めた一貫したデザイン。そのすべてが揃ったとき、インターンシップは「出会いの場」を超えて、採用の未来をつくる基盤になります

    インターンシップの設計と実施から採用課題全般まで、電通「採用ブランディングエキスパート」は、豊富なご支援実績を有しています。貴社の課題の解決に向けて、ぜひご相談ください。お問い合わせは、こちらまで。

    ターゲット人財に寄り添った採用ブランディングの重要性をお伝えするこちらのブログもぜひご一読ください。

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