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      新時代のB2B営業。代理店渉外の新たな戦略、PRMとは?

      新時代のB2B営業。代理店渉外の新たな戦略、PRMとは?

      INDEX

      開発した製品・サービスを顧客に届ける手段には、直接販売だけではなく間接販売もあります。B2Bビジネスにおいては、むしろ販売代理店などのパートナーを介した間接販売のほうが多いのが実態です。ですので、販売パートナーとの良好な関係作りは重要です。

      パートナーと良好な関係を築く上でなくてはならないのがPRMという考え方です。本稿では、特に高単価の商材を抱える企業と相性がいい、PRMの基礎や必要な理由、期待できる効果について解説します。

      PRMとは

      まず、PRM(Partner Relationship Management)とは、パートナーとの良好な関係構築を目指す戦略や考え方を意味します

      顧客関係の管理については、CRM(Customer Relationship Management)、という考え方が既に日本でも一般化しており、業務効率化のため、管理や分析などの面で、さまざまなツールを駆使する動きが高まっています。

      このCRMの考え方を、パートナーとの関係管理にも応用する動きが近年提唱されています。これが先述のPRMです。販売代理店に対し、ベンダー(製造元や販売供給元)が販売支援や販売員トレーニングなどを提供するものです。

      PRMはベンダー側がパートナーとの関係の管理のために用い、パートナーと顧客間ではCRMを用いる、と認識しておけばよいでしょう。
      PRMとよく混同される考え方に、パートナープログラムがあります。しかしながら、パートナープログラム=PRMとは限らないので注意が必要です。

      パートナープログラムは、ベンダーとパートナーシップを結ぶことで、パートナーに売上に応じた手数料が入る仕組みを主軸とするものです。パートナーになるためには、適切な講習を受けることが一般的です。販売実数などに応じてランク分けをしているケースもあります。

      パートナープログラムによって、パートナーとの関係が良好になる可能性があるため、ここだけを切り取ると、PRMとよく似た概念にも思えますが、これはPRM全体の一要素に過ぎません。PRMは、販売支援や販売員トレーニングなどを通して、販売全体の効率化を目指すものです。パートナープログラムはPRMの手段の一つにはなり得ますが、パートナープログラム=PRMとはいえないことを覚えておきましょう。

      PRMが必要な理由

      なぜ、PRMが必要なのでしょうか。その理由として、ベンダーのステークホルダーの複雑化、そしてインターネットの普及による顧客リテラシーの向上が挙げられます。

      代理店に販売を依頼する仕組みは、日本には古くから存在しました。全国津々浦々に支店を立地させるにはコストがかかるため、各地で販売代理店と連携する戦略が一般的となりました。ベンダーにプロダクトへの問い合わせがあったら、該当エリアを担当する販売代理店に連絡を入れて、対応してもらうのです。これにより、販売機能が弱いベンダーだとしても、全国に販路を拡大させることができたのです。

      しかしながら、パートナーが増えれば増えるほど、パートナーの管理が難しくなります。営業先でのバッティングや、顧客サービスの質の低下など、ベンダーとしては頭を悩ませる場面も増えていきます。近年のインターネット販売の普及によって、販売に関係するステークホルダーが増えたことも、パートナーの管理をより難しいものにしています。

      顧客との関係であれば、CRMを使えば事足ります。しかし、再販業者の生産性を適切にモニタリングして、プロダクト全体の売上の効率化に繋げることは、CRMにはできません。つまり、販売者やサプライヤーなど、販売側の関係性全体を俯瞰するビジネスツールが必要になってきたのです。

      ベンダーが直接販売すれば悩みの解決につながりそうですが、一度広げた販売網を縮小することは困難です。仮に縮小させたとしても、販売効率が極めて悪くなってしまいます。そこで新たなビジネス戦略として、PRMが登場しました。PRMはビジネスを拡大させる上でも、今や不可欠な考え方といえます。

      PRMツールにおける重要な2機能

      ここまでは、PRMの考え方について説明してきました。このPRMを実現する上で、なくてはならないのがPRMツールです。一般に、PRMツールでは「パートナープロファイリング」と「リードマネジメント」が重要な機能とされます。

      PRMツールの重要機能

      「パートナープロファイリング」とは、販売地域、専門分野、連絡先といったパートナー情報の生成、分析を自動化することです。プロファイリングには、パートナーの注文管理やパートナーレポートの作成など、バックオフィスの機能の自動化を含むこともあります。

      「リードマネジメント」とは、見込み顧客の管理を効率化することです。リードマネジメントにより、ベンダーは、保有するリード情報を適切なパートナーに割り当てることができます。また、営業案件の追跡やフォローアップも可能です。さらに、ベンダーやパートナーの営業担当者同士がバッティングすることを防げます。エリアや専門性を考慮して割り当てるため、的確な営業が展開でき、受注確率の向上も期待できます。

      これら2つは基本的にPRMツールに入っているもので、PRMの核となるものです。

      PRMツールで期待できる効果

      PRMツールには、上記のほかにどういった機能が実装されており、どういった効果が期待できるのでしょうか。以下にいくつか見ていきましょう。

      最も特徴的ともいえる機能が、パートナーのトレーニングです。顧客からパートナーが問い合わせを受けた際、何も答えられないようでは、顧客からの信頼を失ってしまいます。とはいえ顧客の悩みや疑問に的確に対応できるようトレーニングするには、膨大な時間と労力が必要です。

      そこでPRMツールでは、パートナーへのトレーニングを支援する機能を実装しています。これにより、ベンダーとしては、トレーニングを体系化でき、かつ効率的に展開できるようになります。その結果、ベンダーは安心して販売をパートナーに委託できるようになります。パートナーとしても、効率よく学べることから、営業担当者を増やすことができ、売上増につながるメリットがあります。

      パートナーのプロフィール管理も重要な機能です。プロフィールは、所在地や専門知識などの情報をデータベースで管理することが一般的です。これにより、リード情報をスムーズに振り分けることができます。エリアや専門知識に基づいて、適切な判断が可能となるのです。リードごとの適切なパートナー選択は、顧客満足度の向上、事故防止にもつながります。

      また、ベンダーはPRMツール上で、営業に役立つ資料をパートナーと共有できます。権限を振り分けられるシステムもあり、閲覧可能な資料を立場によって分けることが可能となります。パートナーは資料に自由にアクセスできるので、ベンダーに資料請求する必要がありません。無駄を省く意味での営業支援機能といえるでしょう。

      PRMの落とし穴

      パートナーとの関係管理において重要なPRMですが、いくつか注意すべき点もあります。

      まず、PRMのためのルール作りが必要である点です。資料の閲覧権限の範囲など、ルールは多岐にわたります。PRMツールを導入するにあたっては、こうした細かいルールを策定し、果たしてそのルールがパートナーとの関係を本当に強めることができるのか、常にチェックする必要があります。PDCAサイクルを回しながら細かい修正を入れていく場面も出てくるでしょうし、一定の工数がかかります。

      続いて、販売チャネルが変われば機能しなくなるリスクがある点です。PRMはパートナーとの関係管理にフォーカスした概念であり、PRMツールもそれに沿った機能が搭載されています。しかしながら、顧客のニーズや購買行動は外的環境の変化で大きく変わることがあります。新型コロナウイルスの感染拡大も大きな影響を与えました。外的環境が変われば、場合によっては販売チャネルが機能しなくなる可能性が出てきます。結果、販売戦略の抜本的な見直しを迫られるかもしれません。パートナーとの関係管理に特化したものなので仕方ありませんが、こうした状況下ではPRMは有効に機能しないのです。PRMの有効性は、ビジネス環境に左右される点を留意する必要があります。

      最後に重要なポイントですが、手段と目的が逆転してはならないということです。そもそもPRMという手段をとる必要があるのか?、PRMを導入する目的は何か?、導入することによって得たい成果指標は何か?ということをしっかり整理することです。ツールを導入することで満足したが、販売パートナーがほとんど使わないということは当たり前に発生します。仕組みを導入するだけではなく、パートナーが使いたくなる合理的メリットや演出など運用を工夫していくことも重要ですのでご注意ください。

      PRMソフトウェアの例

      PRMツールにはさまざまなものがあります。Gartner社のITソリューションのレビュープラットフォーム「Peer Insights」や、各ツールのウェブページを参考に、海外ツールをいくつか見てみましょう。なお、ここでご紹介する海外ツールについては、いずれも「Peer Insights」の「Partner Relationship Management Applications」カテゴリーで複数のレビューがついているものです。

      「Sales Cloud PRM」は、「面倒な設定なしですぐに使えるパートナー関係管理ソリューション」を掲げています。ソフトウェアのウェブページによると、パートナーが資料を探す際、AI が支援してくれるため、短時間で必要な資料にアクセスできます。また、パートナーのデータ共有範囲を調整することで、商談に必要な情報のみアクセスできるよう調整できます。

      「Oracle Partner Relationship Management」は、パートナーの採用や管理を支援し、パートナーの販売チャネルを拡大させるのに役立つソリューションです。新しいパートナーの採用、オンボーディング、評価などを簡単に実施可能です。また、結果を出したパートナーなどを対象に、報酬プランの評価および改善も可能で、パートナープログラムの最適化を実現してくれます。

      「Impartner PRM」は、コンバージョンやパイプラインの確認や、収益予測ができます。パートナーへのリード割り当てや情報提供といった営業支援機能はもちろん、成約率やROIの追跡も可能です。

      「Allbound Partner Sales Acceleration Platform」は、ユニークなトレーニング機能を搭載しています。パートナーが指定された範囲の学習を完了したタイミングで、管理者はパーソナライズされた「お祝いメール」を送信できます。同時に、次回の受講を提案することもできます。

      国内のツールにも目を向けてみましょう。「パートナーサクセス」は、「メーカーと代理店の連携を自動化するクラウドサービス」を掲げています。ウェブページによると、ベンダー側の事務作業の大部分を自動化。パートナーの案件進捗や行動をデータベース化することが可能です。こうした機能はパートナーとの良好な関係構築に寄与することでしょう。

      なお、今回ご紹介したソフトウェアは、記載した以外にもさまざまなPRM関連機能が付随しています。また、PRMの概念は、組織やソフトウェアによって異なるケースもあります(本連載はあくまでPRMの一つの考え方です)。PRMのソフトウェアにご興味をお持ちの方は、各ソフトウェアのウェブページをご確認いただくか、専門家にご相談いただければと思います。勿論、弊社電通でも対応をさせていただきます。

      三者にとってメリットの大きいPRM

      採用難などにより自社で優秀な人材を確保することが難しくなる中、いかに効率的にパートナー関係強化を進めていくべきか、お悩みの方も多いことでしょう。そのような方にとって、PRMはすぐにでも取り入れるべき考え方です。そもそも、売上が拡大をしなければ、ベンダーとパートナーとの関係は維持できません。パートナーとベンダーの良好な関係を構築・維持するPRMは、双方の売上増を実現するとともに、顧客満足度の向上にも寄与し得るものといえます。つまり、三者にとってメリットの大きい概念なのです。

      PRMツールには、「PRMで期待できる効果」の部分でご紹介したもの以外にも、パートナーの採用、パートナー側への手数料計算および支払いなどさまざまな機能があります(ただしシステムごとに機能は異なります)。ベンダーにとってもパートナーにとっても、メリットの多い機能ばかりです。パートナーとの関係がうまくいかない、パートナー経由の売上が思うように伸びないという方は、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。但し、しつこいようですが、手段と目的が逆転しないように、戦略設計をすることがまずは大事であるということもお忘れなく。

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