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      日経新聞アワード受賞企業に聞く!|ワンチームだからできる変化に強い顧客ニーズ対応型マーケティング[後編]

      INDEX

      デジタルマーケティングが普及する以前は、勘と経験に頼ったマーケティングが当たり前でした。アスクル株式会社も創業当初はそのような体制をとっていたと言いますが、ある時期から体制を大きく変えました。どのような課題を抱え、どのような体制を目指したのでしょうか。またそれによってどのような強みを得たのか、同社に話をうかがいました。

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      PROFILE

       
       
       
       

      エンジニアもデータサイエンティストもビジネスにフルコミットできる体制づくり

      まず、ASKUL事業本部の現在の体制について教えていただけますか?

      宮澤:ASKUL事業本部には、5つのディビジョンが所属しています。エクスペリエンスデザイン、データサイエンス、eコマースデザイン、カタログプランニング、エージェントイノベーションの5つです。

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      データサイエンティストやエンジニアがビジネスを行う事業部に所属しているのは珍しい体制ですね。そのような体制を目指した経緯を教えてください。

      宮澤:ASKUL事業本部もかつては、人間の感覚に頼って運営していました。勘や経験、あるいは「偉い人」の決定に従って施策を行っていたのです。神様みたいなマーケターがいればこの方法でもビジネスは成り立ちますが、誰かに頼り切りになるのは問題があります。

      人間が頭を使って考えることは大切ですが、施策をアップデートしていくためにはデータ分析をしっかりやらなければなりません。右脳と左脳をうまく使い分けるというか、そういう感覚がアスクルの文化にもあったので、データサイエンスディビジョンには早い段階で合流してもらいました。その後、eコマースデザインディビジョンも合流し、現在の体制になりました。

      データサイエンティストやエンジニアが合流したことで、マーケティング施策に変化はありましたか?

      宮澤:以前はIT部門に依頼してシステムを作ってもらっていましたが、いまは内製化できています。大きな違いは、依頼前の課題認識の段階から一緒にいるという点でしょう。ビジネス上の課題感を共有できているので、認識のすりあわせというステップが不要になり、スピード感が向上しました。

      小谷:私は1年前に内製エンジニアとしてジョインしましたが、ASKUL事業本部にはエンジニアがフルコミットできる体制があると感じます。システムを作っているのではなく、一体となってサービスを作っている実感があります。ビジネスを軸にワンチームになっていて、オペレーション担当者とシステム開発担当者が協力して仕事をしているからでしょう。

      芳賀:マーケティング施策について検討する際、仮説を深掘りしていくためにはデータサイエンスが必要になります。「売らないマーケティング」においてもどのような施策を打つために、どのような分析が必要なのか、ASKUL事業本部の一員として他部署の人と議論を深めました。ビジネスを進めるに当たって、最終的な意志決定までスピーディにできる体制になっていると思います。

      宮澤:マーケターやエンジニアなど、色々な人が事業部にいますが、明るく楽しく仕事ができています。同じ方向にむいてワンチームで取り組めるのは、やはり強いですね。この体制で数々の課題を乗り越えてきたので、再び分かれることは、いまは考えられません。

      顧客ニーズに応え続けるために部門を超えて協力する姿勢

      ASKUL事業本部が多様な人材を抱え、ワンチームとして動くことによる強みが見えてきました。しかし「売らないマーケティング」のように大きな施策では、他部署との連携も必要だったのではないでしょうか?

      宮澤:他部署との連携は必要でしたが、それほど大変ではありませんでした。アスクルでは「お客様のために進化する」というDNAが、社員ひとりひとりに浸透しています。このDNAをベースに、そのときそのときの社会やお客様の本質をしっかり見ること、お客様がアスクルに求めているものを自覚することが根付いています。これを把握していれば、社内で色々な意見が出たとしても、大きな方向性がずれることなく団結できるのです。

      こうした姿勢は単に言葉で共有されているだけではありません。アスクルはこれまで、ビジネスを続ける中でいくつもの大きなピンチに直面しました。ですがそのたびに、全社員が一丸となって解決してきたのです。お客様のために進化することが求められるたびに、部門を超えて協力して対応することが行動として根付いてきたのだと思います。

      なるほど、全社で困難な課題を解決してきた歴史があるからこそ、部署間の連携も特別なことではないのですね。それでは、他部署のメンバーと協力するときに気をつけていることは何かありますか?

      宮澤:全員が、率先して本気でやることですね。求める数字や成果を支える理屈はもちろん必要ですが、なんとか成功させようと同じゴールイメージに向けてそれぞれが動くことが大事だと考えています。当たり前のことのようですが、実践するのは簡単ではありません。

      これは個人だけのことではなく、部署間の関係においても同じことが言えます。ASKUL事業本部が率先して「これをやる」と進み始めれば、色々な部署の人が遅れまいと参加してきてくれます。

      小谷:みんなが本気でやっている姿があちこちで見えるというのも重要ですね。役職が上の人も下の人も、みんな一生懸命やっている、そんな姿がミーティングのたびに見えます。それを見て、私も一緒に走っていかなければと思えるのです。

      芳賀:そういうときは、強い一体感があります。年次や上長と部下の関係を超えて、一緒に横一線で走っているような感覚というか。

      宮澤:私はよく、サッカーみたいだと考えています。サッカーのチームではキーパーが上司だったり、ストライカーが上司だったりしませんよね。フィールドに出ればそれぞれに役割があって、みんな一緒になって戦う。そんな一体感がある組織です。

      上司が引っ張り、部下がそれに従うという一方的な組織ではないのですね。そのようなチームでは、マネジメント層にどのようなことが求められるのでしょうか?

      宮澤:上司は、メンバーのポテンシャルを最大限に引き出すためのサポートメンバーだと考えています。昨日と同じ仕事をしていても価値がないので、新しい仕事をさせるのが上司の役割ですね。といっても、おっしゃる通り一方的な組織ではありません。プロジェクトに応じて最適な人材を、役割や年齢と関係なくチームリーダーに充てます。

      よりお客様の身近に、目指すのは「電気、水道、ガス、アスクル」

      一体感を持ってビジネスに取り組んでいる姿勢がすばらしいですね。そのような体制をつくりあげて、今後はどのようなことに取り組んでいくのでしょうか?

      宮澤:最近は世の中や、お客様が求めるものが変わっていくスピードがどんどん速くなっています。会社として、またASKULというサービスとして、世の中やお客様のニーズの変化に一番早く対応できるようになりたいですね。それこそが、お客様のニーズに応えることになると考えています。そのためには、人も組織もサービスの仕組みも「いま最適であること」を目指すのではなく、「変化に柔軟に対応できること」を最優先すべきでしょう。明日を見通せないという前提で、仕組みや組織を考えなければなりません。

      アスクルが目指す究極の姿に「無意識EC」が掲げられていると聞きました。どういったものなのでしょうか?

      宮澤:長期的な成長の方向性として、社会インフラのように無意識で使えるくらい信頼されるサービスを表した言葉が「無意識EC」です。たとえば電灯をつけるたびに「今日は電気を買った」と意識する人はほとんどいませんよね。水道栓をひねるときに「水を買おう」と考える人もいません。これは事業者を完全に信頼していて、どこかから何かを買っている感覚が限りなく薄れているからです。

      同じように、心の底から信頼していて、考えて選ばなくても自然に使っているレベルのECに到達したいのです。これが、「無意識EC」が示すものです。私たちはよく、「電気、水道、ガス、アスクル」という言葉で表すのですが、社会インフラと同じくらい、意識することなく使ってもらえる日が来るようこれからも努力し続けます。

      ※マスク着用にて取材を行いました。写真撮影時のみ、外しております。

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