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    B2B事業のマーケティング組織の作り方[前編]

    最終更新日:2023年06月19日

    INDEX

    B2Cビジネス企業のB2Bビジネス強化の課題

    数年前よりB2B事業(企業との取引)のマーケティング、営業活動をデジタル化し効率的な案件創出を行いたいというご相談をいただくことが増えておりましたが、今年のコロナの影響でそのスピードや件数が増加しています。

    SaaS型商品を扱うIT系のB2B企業や、精密機械や電子部品といったB2B企業からは2014年ごろから増加していましたが、ここ数年で急増しているのはB2C(個人との取引)を中心としたビジネス展開をメイン事業としておこなっている企業です。B2Cビジネスでの売上が悪化していることを背景にB2B事業の強化を経営層からの指示を受けているという状況です。例えば、食品メーカーであれば業務用の製品を飲食店や学校、病院へどうやって効果的に営業するか?、自動車メーカーであれば法人向けのリース事業や正規ディーラーでの車検利用促進等です。

    ご相談頂く企業の共通する特徴は、「B2B事業に対するマーケティング組織が存在しないこと」です。そもそも消費者向けのマーケティングについては、B2C事業を中心に担うマーケティング部や広報部、広告宣伝部などが対応しており、コンサルティング会社や広告会社とともに事業戦略やマーケティング戦略を練っていますが、B2B事業においては営業を中心とした部署になっており、長年の人間関係や営業の勘によって既存顧客への営業活動をおこなっています。各社新たな売上創出のために新規顧客の開拓が非常に重要になってきます。

    そこで今回は、このような企業の課題解決のために、デジタルマーケティングを活用してB2B事業の新規顧客開拓と、効率的な営業をおこなうためのポイントを解説いたします。

    B2BとB2Cビジネスの違い

    B2BとB2Cのビジネスでは、さまざまな視点で違いがあります。
    B2Bの特徴としては、B2Cよりも一般的に、対象が少ない、検討期間が長い、意思決定までに情報が複数人に渡る、取引をしてもよい企業という信頼を持ってもらうことがポイントとなります。

    産業財と消費財の違い

    B2CとB2Bの違いの整理
    ※引用:Do! Solutuins「B2Bマーケティングの組織の課題と解決策とは?[前編]

    B2Bマーケティングに必要な考え方

    B2Bのマーケティングをおこなう上で、前述したB2Bの特徴に合わせてマーケティング施策を行う必要があります。

    B2Bマーケティングでは、見込客(リード)の購買プロセスを可視化し、ファネルの概念を用いてマーケティング施策を計画します。

    ファネルは認知、情報収集、比較検討、商談、決済というステージに別け、それぞれのステージにいる人・企業が誰なのかを可視化します。
    可視化のためには、マーケティングオートメーションツールやCRMなどを用いて、見込み客と顧客の管理をするとよいでしょう。

    各ステージ毎に、以下のような情報をまとめることで、必要な施策が明確にすることができます。

    1. お客様にとって必要な情報(コンテンツ)は何か?
    2. 次のステップに進んでもらうには何が必要か?
    3. 誰が担当するのか?
    4. 最適なコミュニケーションチャネルはどこか?

    B2Bのマーケティングと営業、顧客サポートの一貫した組織営業のベストプラクティスとしてセールスフォース・ドットコムは「THE MODEL」を提唱しています。
    このモデルでは、
    ● 分業による効率化
    ● KPIの徹底的な追求
    ● 全行程の活動を記録
    することで、ボトルネックを発見し、迅速な課題解決ができるため『THE MODEL』型の組織を導入する企業も増加しています。

    salesforceの顧客獲得、維持、拡大モデル

    ※引用:セールスフォース・ドットコム「Pardotお客さま感謝祭 B2Bマーケティングの新たな可能性 特別セッション Vol.2 Salesforceのマーケティングへの評価」
    https://www.salesforce.com/jp/blog/2018/09/pardot-b2b-session-2.html

    今回の記事を是非ご覧いただきたいB2Cをメインとする企業のB2B事業部では、大幅な組織改編や人材採用をおこなうことは難しいのが実情です。
    現在の営業活動に、上述のファネルや「THE MODEL」の視点を取り入れたマーケティング施策を始めることが第一歩になります。

    マーケティング担当者の役割

    現在はB2B事業の専任のマーケティング担当者がいないという企業は前述の通り多いかと思います。 そのような企業は営業と兼務でマーケティングを担う担当者を置くことが望ましいです。

    マーケティング担当者は、自社の製品やサービスの顧客像をペルソナとして明確にし、その顧客(ペルソナ)がどのような購買プロセスを辿るかをカスタマージャーとして可視化します。
    ペルソナとカスタマージャーニーを可視化した後は、各購買プロセスでペルソナがどのようなコンテンツを必要としているかを洗い出し、社内の既存の情報資産(すでに存在する自社ウェブサイトのコンテンツ)でそのコンテンツが作成できないかを検討する必要があります。もしも、社内に情報がない場合は、製品開発者や営業担当者や外部のライターなどに依頼し、必要なコンテンツの作成をおこないます。

    マーケティング担当者は、B2Bマーケティングを始めるための基盤づくりを第一に行う必要があり、各ファネルの管理のために、Web サイトを軸とした顧客とコミュニケーションを取るためのプラットフォーム構築をおこないます。

    基盤ができた後には、認知のための施策、見込み客を選別するための施策、購入を後押しするための施策など、フェーズごとにどのようなマーケティングプログラムを行うかを決定し実行します。

    施策実行には多くの労力がかかるため、マーケティング担当者一人ではなく、複数人で取り組むか、外部のパートナーをアサインし、マーケティングプログラムを継続的に実行できる体制づくりが重要です。

    マーケティング担当者の役割として、認知の拡大、見込み客の獲得が役割になり、前述の「The Model」を例にすると見込み客数がKPI になります。

    インサイドセールス、営業との連携

    マーケティング担当者が獲得した見込み客は、全ての見込み客が案件化しているとは限られていません。見込み客の中でも、温度感、予算感、案件の有無などが異なり見込み客を選別するということが非常に重要です。

    この見込み客を選別し、案件があるか否かを確認し、商談を生み出すのがインサイドセールスの役割となります。案件数や商談数を KPI に設定されます。

    昨今、インサイドセールスがバズワードとなりマーケティングプログラムがまだ多く実行できていないにも関わらず、先にインサイドセールスの組織を作る企業も増えてきています。

    その場合、特に注意しなくてはならないのが、見込み客の数が少ない状態でインサイドセールスの担当者を置いてしまうことです。

    そのような状況下では、インサイドセールス担当者はマーケティングで獲得した見込み客ではなく、どこからか取得した見込み客リストなどをもとに、アウトバウンドな電話営業(コールドコール/Cold Call)をしてしまうということが起きてしまいます。

    そうすると、本来効率的な営業を目指していた組織が、確率の低いアウトバウンドコールをおこなうことが目的となり、非効率な営業組織になってしまうことが少なくありません。

    マーケティング活動の取り組みを開始した当初は、インサイドセールスは、マーケティングやフィールドセールスの担当者が兼務するとよろしいでしょう。

    インサイドセールスの担当者は、マーケティングの担当者と営業担当者の橋渡しをします。

    見込み客がどのようなことに課題を抱えているか、自社の製品サービスで顧客の課題を解決できるのか、案件化するタイミングや、決裁者の情報など、商談をする上で有益な情報をできる限り顧客からヒアリングし、受注確度の見極めを行い、営業担当者に情報を伝えることが重要です。

    B2Bマーケティング組織を作るためのポイント

    B2Cをメイン事業とする企業において、 B2B事業のためのマーケティング組織体制を作るためには、シンプルですが以下のステップが重要です。

    1. 正しいB2Bマーケティングの方法論を学ぶ
    2. 見込み客情報や顧客情報、マーケティング、営業活動の記録を行うためのシステム基盤を作る
    3. 適切な役割分担を元にした担当者を配置する

    自社で全てを行うのが最善ではありますが、時間がかかってしまうことも少なくありません。 上記、3つの視点でサポートができる外部パートナーを活用し、組織変革を支援してもらうことも視野に入れ、スピード感をもった施策実行を行うことを検討してもよいでしょう。

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