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      B2B製造業のWebマーケティングに精通したプロが考察!withコロナ時代の持続的な成長を見据えた変革とは

      INDEX

      さまざまな業界でデジタルマーケティングが採用されている昨今。B2B向けのニッチな製品を扱う製造業においても、Webサイトを活用したデジタルマーケティングに重要な役割が求められています。

      そこで、今回は部品や素材などを扱われている製造業の皆さまに役立つ情報をお届けするべく、「成功する製造業のWebサイトのあり方」をテーマに、マーケティングやブランディングを多数手掛けてきた株式会社タービン・インタラクティブの代表取締役 志水 哲也(しみず・てつや)氏との対談を実施。電通でB2B事業者のマーケティング支援に取り組むプロデューサー、梅木 俊成(うめき・としなり)がお話を伺いました。

      PROFILE

       
       

      コロナ禍でB2B製造業のWebサイトの目的が大きく変化

      梅木:タービン・インタラクティブ社は、名古屋に本社を置かれ、かねてより製造業のWebサイトの制作をはじめとするデジタルマーケティングを支援されています。製造業のデジタルマーケティングが抱える課題をどのように見ていらっしゃいますか?

      志水:まず、課題についてお話します。製造業のWebサイトがB2C事業と異なる点として、「Webサイトですぐに商品やサービスを購入することができない」ということが挙げられます。そもそも製造業にはマーケティングのセクションが存在しないケースが多く、Webサイトの管理や、広告代理店との業務は広報部が担当するケースがほとんどです。そこで、我々としては、Webサイトをどのように活用すれば効果が出るのかに焦点を当て、ご支援してまいりました。

      梅木:志水さんは、1999年に創業されていますが、当時から20年経ち、何か変化を感じられていますか?

      志水:はい、とても感じます。以前は、ブランディングやIRのような、広報目的のWebサイトが主流でしたが、最近は、営業活動との接点を持つことが目的になるケースが目立ってきました。とりわけコロナ禍が、大きなインパクトを与えたと思います。「電話がつながらない」「対面での営業活動ができない」など仕事の在り方に影響を与えました。

      コロナ禍を契機に、Webサイトにマーケティング要素を入れて、顧客とのコミュニケーションを中長期的に図り、また、顧客の態度変容を見逃さないようにしながら営業活動につなげるという、B2Bマーケティングの基本的な考え方への理解が進みました。急速な変化に迫られながらも、担当者さまが一生懸命勉強され、必死に取り組まれているというのが現場で感じる印象です。

      梅木:製造業でも非対面の交渉、つまりWebサイトで接点を持つことの重要性が高まったということですね。実際のところ、Webサイトリニューアルや、デジタルマーケティングに関する相談は増えていますか?

      志水:あくまでも当社の感覚値ですが、コロナ禍前と比較して、約3倍に増えています。また、ご相談の中身にも変化が見られます。これまでは、製造業のWebサイトリニューアルと言えば、建物の壁を塗り替えるようなイメージで、「ちょっと古くなったから変えたい」という目的で、デザインやメッセージの変更を定期的にご相談される企業がほとんどでした。しかし、最近は目的が変化しています。「マーケティングや営業を踏まえて、これまでとは考え方を変えて、リニューアルしてみよう」といった、質的なニーズの転換が多く見受けられます。

      梅木:そもそものマーケティング戦略を策定し、プロジェクトの進め方や取り組み自体を変えていきたいということですよね。

      Webサイトの役割はブランディングとマーケティング。製造業の見込み客が求めるコンテンツとは?

      梅木:では、製造業のWebサイトには、どのような役割が求められていると思われますか?

      志水:大きく2つの役割があると思います。

      1.ブランディングの役割を持つWebサイト

      製造業のブランドを体現するWebサイトは、あまり存在しません。もし、自動車や椅子など、製品そのものを作っている企業であれば、製品イメージを強く押し出すことで、ブランディングにつなげられます。しかし、自社製品が他社製品に組み込まれていたり、製品の基盤など表に見えない製品を作っていたりする企業も多いのが実情です。そうした企業のブランディングをイメージとして打ち出すことは、Webサイトの重要な役割のひとつです。

      また、商品やサービスを購入するうえで、信頼できる会社や製品であるかどうかを伝えることも、B2B企業のブランディングの一環です。「この会社であれば任せられる」という信頼感が求められるので、Webサイトの役割としては、「しっかりしている」「間違いがない」ということが非常に重要です。

      2.マーケティングの役割を持つWebサイト

      Webサイトで必要な情報や見込み客が知りたい情報の回答を提示し、情報探索状況を把握できるようなWebサイトです。どこの企業の、どの部署の、誰が、何を調べているのかを知ることで、見込み客の人物像が具体的にイメージできます。

      また、ページ閲覧数、ダウンロードしたPDF資料の読了率、社内回覧をされているかなどを測ることで、見込み客の温度感を知ることができます。これらのデータやシグナルを把握するための仕組みを取り入れ、見込み客の課題解決のお手伝いができるWebサイトが求められています。

      特に最近は、「マーケティングの役割を持つWebサイト」のニーズが増加。Webサイトを通じて、購買意欲を後押しするようなコミュニケーションプラットフォームの構築に取り組む企業が増えています。

      梅木:なるほど。では、Webサイトのリニューアルで気をつけるべきポイントはありますか?

      志水:Webサイトのリニューアルを「デジタルを使った営業戦略の実現」を目的にして、「Webサイトを使った業務推進はどのような成功につながるか」を考えるプロジェクトにしていただきたいです。つまり、デジタルトランスフォーメーションの一環として捉えることがポイントだと思います。そのため、マーケティング視点のある営業担当者をプロジェクトに入れることが重要です。

      もし、外部の広告代理店や制作会社に依頼される際は、デザインが得意かどうかよりも、自分たちのビジネスを理解し、伴走してくれそうな企業を選ばれるといいと思います。

      また、重要なのは顧客関係管理(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)、マーケティングをスピーディに回していくためのCMSの導入です。それを実現できるプラットフォームを活用し、Webサイトへの変更や追加を即時に行えるようなプラットフォームと社内体制の構築を目指してほしいと思います。

      梅木:ただ、現状はコミュニケーションプラットフォームの役割をWebサイトに持たせる企業は、まだ少ない気がします。どちらかというと、伝えたい情報を届けることに重きを置いてしまい、受け手がどう思うかまでは、あまり考えられていないことが多いのではないかと。ちなみに、B2Bの製造業の見込み客は、どのようなコンテンツを求めているのでしょうか?

      志水:具体的に言えば、自分と同じ課題を持つ人たちが、どのように課題を解決したのかという事例のコンテンツです。事例を追体験することができて、さらに自分たちのケースに当てはまっていると発見できるコンテンツを求めていると思います。

      また、事例コンテンツは実績を伝えることにもなるので、ブランディングにもつながります。社内で上申する際も、担当者さまが「こういうことを実際にやられているようです」と話がしやすいです。最近は、ウェビナーや動画の形式でコンテンツを提供することも非常に増えております。

      梅木:事例コンテンツは、許諾を取ったり顧客名を出せなかったりと、制約が多いと思いますが、いかがでしょうか?

      志水:B2B事業者は情報管理にシビアな企業が多いイメージありますが、あまりお断りされるケースはあまりません。良い仕事をされた前提にあれば、事例コンテンツにも協力しようと思ってくださるのだと思います。そのうえで、大事にするべきなのは、どのような切り口でお話を伺いたいかを詳しく提示し、書面でのご依頼段階のフローを丁寧に進めることです。

      梅木:誠実な仕事と真摯な対応が大事だということですね。

      Webサイトのリニューアルプロジェクトはローンチがスタート地点

      梅木:B2Bマーケティングは、ファネル分析で認知、検討、決定に関するコンテンツを考えるのが一般的ですが、製造業も同様の方法がマッチするものでしょうか?

      志水:製造業でも技術職であればマッチするとは思いますが、実際はお尻に火がついてから情報収集をはじめる人が多い印象です。そのため認知段階のコンテンツは、見込み客と接点を持つためではなく、情報収集段階の最後の方で閲覧されるものと考えた方がいいでしょう。

      梅木:「お尻に火がついてから動く」というのは、製造業のWebマーケティングを考える上で、キーワードになるかもしれませんね。

      志水:Webマーケティングの教科書通りに考えれば、もちろんたくさんの情報を出して、日々勉強していらっしゃる潜在顧客に閲覧していただくことがベストです。とはいえ、お尻に火がついてから発注先候補を調べはじめ、企業リストを提出しないといけないというのが、実際の現場で起きていることです。

      ただ、そのときにコンテンツがたくさんあり、深い内容であればあるほど、社内で推薦しやすくなるのは確かです。いずれにしても、コンテンツの充実は信頼感や安心感につながります。

      梅木:これは、リアルな現場を知っている志水さんならではの考察ですね。では、Webサイト作成後、運用上のポイントは何でしょうか?

      志水:まずは、Webサイトのリニューアルプロジェクトは、ローンチがゴールではなく、そこからがスタートだと理解していただくことです。とりわけB2Bマーケティングでは、特定のリストにメールを送る、ウェビナーの閲覧者からアンケートを採るなど、細かな施策が動いていきます。ツールの使い方をはじめ日々勉強することも多く、新しい業務が加わることになりますので、ルーティンになるまでが重要な期間です。この期間に業務を効率よく進めるために、次の3つは重要なポイントになると思います。

      1) Webサイトが簡単に管理しやすいこと。
      2) マーケティングオートメーションの設定画面が分かりやすいこと。
      3) 現在、どのような状況になっているのかというリアルタイムのフィードバックレポートが簡単に得られ、メンバー内で共有しやすいこと。

      梅木:このポイントは、ルーティンになってからも大事かもしれませんね。本日は、B2B製造業を対象にしたWebマーケティングとWebサイトのあり方について、さまざまな視点を得ることができました。特に、「教科書通りにはいかない現場の情報探索行動」は新たな発見でした。本日は、ありがとうございました!

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