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    若者から未来をデザインする。「電通ワカモン」が語る新たなビジネス発想の可能性

    最終更新日:2026年04月22日

    若者から未来をデザインする。「電通ワカモン」が語る新たなビジネス発想の可能性

    いつの時代も、年上の世代にとって若者は「よくわからない」存在。しかしだからこそ、今までの延長線上にはない新しい発想や未来の兆しは、若者の中に眠っているのではないでしょうか。
    若者向けマーケティングにお悩みの方はもちろん、新規事業創出やブランディングに行き詰まっている方も、改めて若者のインサイトに耳を傾けてみませんか? 「若者から未来をデザインする」をコンセプトに掲げる電通若者研究部「ワカモン」に、若者の価値観を紐解く際のポイントや、ビジネス展開への可能性を取材しました。

    PROFILE

     
     
     

    INDEX

    研究だけで終わらない研究部、「電通ワカモン」

    まずは電通若者研究部「ワカモン」(以下、「電通ワカモン」)がどういった組織なのかお聞きしたいのですが、実はけっこう歴史が長いのですよね。

    中島:活動がスタートしたのは、私たちが入社する前の2010年ごろです。当時は少子高齢化が社会問題として大きく注目され、業界内でもシニアマーケティングが盛り上がっていた時代。でもこれからの未来を考えるなら、もっと若者の価値観や消費行動に目を向けるべきではないかと疑問を持った先輩社員たちが、自発的に活動を始めたと聞いています。

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    有志活動から始まって、今では30名以上の電通グループの社員が参加する横断組織に成長。具体的にはどういった活動をしているのでしょうか?

    山口: 「研究部」という名前の通り、独自の定量・定性調査を行って、若者のインサイトや価値観がどう変わっているのかを定点観測しています。代表的なものが、2年に1度実施する「若者まるわかり大規模調査」。それに加えて学生団体と定例会なども開催し、データとリアルの両面から若者の価値観を継続的に捉えています。

    他のシンクタンクと比べ、「電通ワカモン」の強みはどこにあるのでしょうか?

    山口: データとリアルを継続的に捉えてきたからこそ得られるファインディングスに知見を掛け合わせ、マーケティングに活用しています。単なるナレッジ提供にとどまらず、研修や勉強会に加え、コンセプトメイクやブランディング、クリエイティブ開発まで一気通貫で伴走し、実装まで支援できることが強みです。

    村田: 学生との関わり合いの深さも強みだと思います。調査対象としてインサイトを調べるだけでなく、企業を巻き込んだ共創プロジェクトも積極的に展開していて、実は山口さんと僕は学生時代にその共創プロジェクトに参加した経験があります。ちなみに僕が学生時代に参加していたのは、あるエンターテインメント企業と一緒に音楽フェスを企画・運営するプロジェクト。企業側にとっては、若手ミュージシャンの発掘や若者リスナーとの接点創出ができる貴重な機会になっていました。

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    サークル内恋愛をしたがらない、その裏にある気持ちを掴む

    若者と密なコミュニケーションを取り続けている電通ワカモンですが、最近では若者の価値観にどんな発見がありましたか?

    中島:最新の「若者まるわかり調査」から浮かび上がったのは、「感情汚染を避ける」という若者の強い傾向です。自分の気持ちが侵害されたり、嫌な気分やモヤモヤを感じたりすることを私たちは「感情汚染」と呼んでいるのですが、自分がそうなるだけじゃなく周りの人の感情を汚染することも極端に恐れる傾向がありますね。
    電通報:「感情汚染回避」と「人間回帰」。若者の新たな行動価値観を読み解く

    村田:今の若い世代は小さいころから多様性が尊重される社会で育っているので、同時に他者への配慮も当たり前のものとして認識しています。SNSで発信した言葉が意図せず炎上したり人を傷つけたりするケースも散々見ているので、リスクヘッジの一つとして「これは人を傷つけないか」という配慮意識が一層強くなっているのではないかと分析しています。

    確かに、若い世代ほど全方位に気をつかった話し方をするし、そもそも本音をあまり吐露しないような印象はありますね。

    村田:最近は恋愛をしない若者や、結婚しても周囲に言わない人が増えていますが、たぶん背景には感情汚染の回避があると思うんです。例えばもし同じサークルの人と付き合うことになって、そのせいでコミュニティがぎくしゃくするようになったら、「それって配慮が足りないんじゃない?」となってしまう。喜んで結婚の報告をすることも、結婚していない人の気持ちを傷つけかねないと思ってしまう。

    中島:企業さまとの勉強会で最近よく驚かれるのは、「人前で褒めないでほしい」という若者が増えていること。人から認められたいという気持ちがある一方、自分が褒められることで他の人のモチベーションを下げないか、、誰かを嫌な気持ちにさせていないか、などという不安もあるんですよね。こうした“裏側にある本当の気持ち”は、「えっ、それってどういうこと??」と直接対話を重ねる中で見えてきたことです。

    流行りのミームをなぞるだけでは届かない理由 

    メディアではよく“最近の若者トレンド”が取り上げられますが、ワカモンの若者理解はそこからさらに一歩踏み込んでいる印象ですね。

    村田:僕たちが大切にしているのは、まさにそこなんです。「恋愛をしない」「褒められたくない」という表層的な部分だけを捉えても、それは若者を理解したことにはならない。彼らが育ってきた社会背景や言動の背後にある本音をちゃんと捉えないと、その先も的外れな施策で終わってしまいます。

    山口:「ダンスミームが流行っているから、プロモーションでダンスを作ろう」のような単純に流行を真似た施策は、結局若者から「痛い」と思われてしまう。そうした失敗談は、ご相談に来られる企業さまからもよくお聞きします。

    村田:「これやっとけばいいんでしょ」っていう表層的な企業側の考えって、若者にはわかってしまうから……。

    わかったつもりが、わかっていない……耳が痛い企業も多そうです。

    山口: だからこそ、「数字としてはこう出ている」という定量データや「一般的にはこう言われている」という若者像をもう一歩深く紐解いて、「こうではないか?」という“マーケティング仮説”を立てていく。それが私たちの大切にしている若者との関わり方なんです。

    若者起点の未来仮説から、新しい価値を共創する

    インサイトの読み解きからマーケティングの「仮説」を立てていくというお話でしたが、プランニングへの落とし込みについても詳しく教えていただけますか?

    山口: 若者のインサイトから未来仮説(=フォーサイト)を導いて、コンセプト・プロダクト開発やブランディングを支援する電通ワカモン独自のマーケティング手法があるのですが、それを「フォーサイトプランニング」と呼んでいます。事例でお話しするとわかりやすいと思うので、数年前に実施した案件をご紹介しますね。 

    中島:コロナによる外出自粛が徐々に落ち着き始めた2022年ごろにご支援した、スタイリング剤のコンセプトメイク案件です。クライアントさまは「外出頻度が減った今、今後スタイリング剤の需要はどうなるんだろう?」と悩まれていました。そこでまず、学生と一緒に未来の価値観を考えるワークショップ(「ツギクル」)を実施し、3つのテーマについて「次に来る○○のかたち」を一緒に予測してみました。

    詳細は割愛しますが、その結果「(外出というきっかけがない分、)自分の好きなタイミングで、そのとき一番見せたい自分の姿に切り替えていくことがこれからの自分らしさの表現だ」という未来の仮説が見えてきたんです。その考え方をスタイリング剤の価値に当てはめ、“スタイリング剤=一度決めたヘアスタイルをキープし続けるもの”という固定観念を捨てた結果、気分に合わせて髪型を変えるという新商品のコンセプトが生まれました。

    フォーサイトプランニングの概要

    未来の仮説から逆算して商品コンセプトを考えていったんですね。若者の実感をベースにしているから納得感がありますし、業界の固定観念に縛られないのもおもしろい!

    村田:仮説立てという点でいうと、僕らの未来仮説にはもう一つ特長があると思っていて。それは2010年から継続的に調査を行っているので、若者の価値観の変化を“線”で見ていけることです。例えば時代の空気を時間軸で見てみると、1990年代はカリスマ性のある「高嶺の花」系のタレントが人気だったけれど、2000年代になってアイドルグループの嵐やAKB48に代表される「みんなで元気になろう!」という親しみやすい等身大モードになりました。2010年代になると景気低迷の背景やSNSの活発化により、冷笑文化や暗い孤独な気持ちを歌う曲なども多くなりました。じゃあ今はどうかというと、コロナがあけて2000年代の揺り戻しと元気モードの再熱からアイドルグループのM!LKさんのような「がむしゃらに一人でも明るくご機嫌」な人たちに共感が集まり始めている。こうした潮流から次に来るモードをいち早く捉え、クライアントさまへの提案に反映させていくことも、僕らならではの提供価値じゃないかと思います。

    インナーブランディングや人事にも、ワカモンを活用してほしい

    ワカモンの未来仮説は、聞いているだけでワクワクしてきますね。こうしたソリューションは、若者向けのマーケティング以外にも活用できるのでしょうか?

    山口: はい。これまでご相談として一番多かったのは若者ターゲットのマーケティング支援ですが、電通としてもマーコムにとどまらず、事業変革までを含めたブランディングのご相談が増えている中で、インナーブランディングや人事採用においてももっとお役に立てるだろうと思っています。例えば昨年は「すれ違う先輩と後輩の本音」という調査レポートを発表しましたが、若者の行動価値観を理解することで、職場でのすれ違いを解消し社内モチベーションやエンゲージメントの向上につなげていくことができます。

    村田:その調査で個人的に面白かったのは、若者は打たれ弱いから強く指導できないと思っている上司が多い一方で、若者はもっと指導されたいと思っていたこと。実際、オーディション番組『No No Girls』のちゃんみなさんは、はっきりと強めの指摘をするけれど若者からの絶大な支持を集めています。それは自分にちゃんと向き合ってくれて、理不尽じゃない指摘をしてくれるから。そういうことが見えてくると、社内コミュニケーションの在り方もきっと変わっていきますよね。

    中島:私たちはマーケティングターゲットとして若者を捉えるだけでなく、企業の成長や未来への可能性を「若者の価値観と一緒につくっていく」というスタンスを大切にしています。だから若者を研究しながらも、そこと照らし合わせた他の世代の価値観にも着目するし、マーケティング以外の分野、例えば新たな事業創造や中期的な経営企画などでも、ナレッジを柔軟に活用します。未来をどうデザインするかという課題の解決を、幅広くご支援していければと思っています。

    ワカモンの提供価値

    若者理解を通じて、自分自身の視野や気づきも広がる

    最後に、電通ワカモンとして若者の価値観に触れる中で、いちビジネスパーソンとしてよかったなと思うことがあれば教えてください。

    中島:これは本当に若者に限らずなのですが、「人それぞれがいろんな価値観を持っている」ということを、素直に受け入れられるようになった気がします。「若者の間でこれが流行っている」と聞いたとき、「それの何がいいんだろう、全然わかんないな」で終わらせず、理由を紐解くことで「なるほど、そういう考え方もあるのか」と寛容になれる。背景をしっかり語れることは、マーケターとしての強みにもなっていると思います。

    山口: 私も、一つの表層的なトレンドに対し、社会背景の分析や相対比較をしながら縦にも横にも広げて理解できるようになったなと感じますね。クライアントさまとワークショップをしていても、みなさんそうした視点の広がりを楽しんでくださっている印象があります。

    村田:僕は最近、世の中の「まだ名前のついていない課題」をキャッチできることに面白さを感じています。先日も学生さんから、最近の先生たちが抱えている授業準備の悩みについて教えてもらって、これってもしかしたらあのクライアントさんが解決できるかも?と考えていたところなんです。若者の視点と企業を結び、社会課題の解決にもつなげていけたら素敵ですよね。

    仕事をしていると、自分の業界以外に目が行きづらくなってしまうもの。電通ワカモンのソリューションは、知らない世界への視野を広げるという点でも意義がありそうですね。今日は興味深いお話をどうもありがとうございました! 電通ワカモンが提供している詳しいソリューションは下記のeBookでご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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