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    有力国内企業調査からみるEC成功のための「傾向」と「対策」

    最終更新日:2023年10月24日

    DX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤となる、IoTやAIといったデジタル技術が実用化されるなか(※1)、さまざまな分野の企業がそれらの技術を活用して、コマースマーケティングを実践し始めています。
    一方、すでにEC市場に参入している企業においては、「なかなか業績が向上せず、有効な改善策も見いだせずにいる」というケースが多いのではないでしょうか。

    そこで、今回、電通グループ横断のコマース専門チームであるDentsu Commerce Room(※2)では、グローバルで各社のECへの取り組みを独自の指標で点検するオーディット調査を国内企業に向けて実施(※3)。国内の有力企業約50社に対し、ECへの取り組みの現状を把握しました。
    本レポートでは、各社の取り組みの現状を分析することで、既にEC市場に参入している企業が、どのような課題に直面しているのかを浮き彫りにします。

    業績向上のカギは消費者視点の現状把握から

    ECへの取り組みレベルを測る4つの視点

    EC市場において、業績向上を図る有効な改善策を講じるには、売り手やインフラ発想ではなく、自社の取り組みの現状を消費者視点で把握することが大切なポイントとなります。今回の調査では、以下の4つの視点で現状をチェックします。

    消費者が買いやすい在庫管理や購入プロセスが整えられているか?(Availability)
    消費者が見つけやすい情報サーチの導線ができているか?(Findability)
    消費者が欲しいと思える価格設定や商品推奨ができているか?(Buyability)
    消費者が再購入したくなる動機づけや評判形成ができているか?(Repeatability)

    EC市場では、「商品などがしっかり準備された売場」で、「消費者が目的のものを容易に検索で見つける」ことができ、「その価値と価格に納得して」購入し、「満足することでリピーターになる」、というサイクルが重要です。この4つの視点で自社の現状を測ることで、自社が取り組めていない課題を浮き彫りにし、解決へと導いていくことができます。

    自社の「強み」と「弱み」を数値で把握

    今回の調査では、この4つの視点をそれぞれ3つの指標(計12指標)に細分化し、それらを5段階で評価・分析することで、自社の「強み」と「弱み」を数値で把握することが可能となります。具体的には、下記のようなチャートで、個別に取り組みレベルを数値化して把握します。

    コマース・サクセス・フレームワークの例

    Availability
    消費者が買いやすい在庫管理や購入プロセスが整えられているか?

    [在庫]
    ・需要に基づく在庫管理の自動化
    ・需要自体の自動予測
    ・チャネルを横断した在庫管理
    [オムニチャネル]
    ・オンオフクロスチャネル運用/その定量計測
    ・データ統合
    [オンラインチャネル]
    ・オンラインチャネルの活用有無/自社対応是非
    ・競合情報を踏まえた対応/マルチチャネル対応
    ・自動最適化

    Findability
    消費者が見つけやすい情報サーチの導線ができているか?

    [広告]
    ・広告とEC内のSEO対策の併用
    ・在庫や採算などKPIベースでのキャンペーン管理
    ・自社/競合データやML( Machine Learning: 機械学習)に基づく自動化
    [自然検索]
    ・キーワードリサーチに基づくコンテンツ反映
    ・検索ランクの計測と分析
    ・最適なカテゴリー設定
    [競合]
    ・サードパーティ業者の監視
    ・問題のある業者の排除

    Buyability
    消費者が欲しいと思える価格設定や商品推奨ができているか?

    [コンテンツ]
    ・ECに最適化されたコンテンツの開発
    ・競合をベンチマークとしたコンテンツPDCA
    ・ユーザー別にパーソナラズ
    [価格]
    ・チャネル横断での価格モニタリング
    ・競合・在庫状況に応じたチャネル別ダイナミックプライシング
    ・各変数に基づくML( Machine Learning: 機械学習)自動化
    [プロモーション]
    ・プラットフォーム依存/独自にプランニング
    ・パフォーマンス・競合状況・内部データに基づく自動判断

    Repeatability
    消費者が再購入したくなる動機づけや評判形成ができているか?

    [ロイヤルティ]
    ・プラットフォーム依存/独自にプランニング
    ・キャンペーンを統合したCRMプロセスの構築
    ・顧客別・行動別でのプランニング
    [フィードバック]
    ・評価や口コミ情報のモニタリング
    ・レビューキャンペーンの実施
    ・低評価レビューへのアラートや対応体制
    [エンゲージメント]
    ・チャネルを横断した売上計測と顧客解析
    ・トラッキングデータに基づく顧客維持最適化

    国内EC市場における業種別の現状を4つの視点で分析

    国内企業約50社に対してオーディット調査を実施

    Dentsu Commerce Roomは、国内企業の現状を把握することでより市場に適したサービスを提供するため、約50社に対しオーディット調査を実施しました(※3)

    既にグローバルで行った、ECを実施している世界の有力企業100社以上の調査データがあるため、信頼性の高い分析を行うことが可能です。それらを、国内企業を対象にしたサービスとして提供できるようにするため、今回の調査結果をもとにデータの拡充・整備を行いました。

    その結果、「美容・化粧品」「医薬品」「食品・飲料」「家電・耐久財」「自動車」といった5つの業種における、コマースマーケティングの普及・浸透の現状と課題を浮き彫りにすることができました。各業種の状況が把握できるだけでなく、EC市場の国内動向を理解するためにも役立つ内容となっています。

    EC市場における各業種の主なトレンド

    このオーディット調査によって、オンラインチャネルや在庫といった販売インフラの機動性に関しては消費財のほうが高く、消費者の購買を直接的に促進する領域は耐久財のほうが高いという、国内企業全体の傾向がわかりました。

    業種別の分析では、例えばEC市場への参入が早くから行われていた業種の1つである「美容・化粧品」では、オンラインチャネルの活用や自社のECサイトの開発が進んでいますが、一方、法規制などによっての制限がある「医薬品」では、ECには参入したものの口コミ対策やリピート施策の展開が困難であるといった、それぞれ異なる特徴が明確にでています。
    以下では、代表例として、「美容・化粧品業界」の結果をご紹介します。それ以外の各業種(医薬品/食品・飲料/家電・耐久財/自動車)の結果については、この後、ご紹介するeBookに掲載をしておりますので、是非、そちらをご覧ください。

    美容・化粧品

    ・最も早くからEコマース市場への参入が進んでいた業種の1つ。オンラインチャネルの活用や自社サイトの開発が他業種と比較して進んでいる
    ・転売業者対策に注力しているため、「競合対策」への取り組みが進んでおりスコアが高い。
    ・在庫管理におけるDXは遅れている。

    また今回のオーディット調査では、各業種別の傾向の把握に加えて、EC市場に参入している企業の多くが抱えている課題を「領域別の課題」としてまとめました。この業種別・領域別の課題は、EC市場に参入したものの、なかなか業績が向上しないとお悩みの方にとっては、その原因を発見し、改善していくためのヒントとなります。
    また、これから本格的にECを始めようと考えられている方にとっては、参入後に遭遇するであろう課題に事前に対処することによって、スムーズな事業立ち上げが可能となります。

    皆様のECビジネスでの成功を支援させていただくために、「課題」と、その「課題を解決するソリューション」を手引きとしてまとめたeBookをご用意いたしました。
    本サイトよりダウンロードできますので、是非、ご活用ください。

    ※1:株式会社富士キメラ総研プレスリリース:『2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』まとまる 
    ※2:電通、電通デジタル、電通テック、電通ダイレクト、電通リテールマーケティング、電通tempo、アイプロスペクト・ジャパン、セプテーニ、電通北海道、電通東日本、電通西日本、電通九州、アド電通大阪、barritz、電通ライブ、ザ・ゴール、電通マクロミルインサイト、VOYAGE GROUP、電通ジャパンネットワーク、サイバー・コミュニケーションズの20社が有するコマースソリューション情報を一元的に取り扱う国内グループ横断組織。各社が培ってきた専門的なソリューションを組み合わせ、ワンストップの「顧客体験」(CX)をプランニング、実施することでブランドの売り上げ向上を支援します。
    ※3:株式会社宣伝会議の協力を得て、2020年12月~2021年1月に調査を実施

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