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      時代遅れのECとは? ダイレクトビジネスの変遷から成功の本質を探る [後編]

      時代遅れのECとは?ダイレクトビジネスの変遷からEC成功の本質を探る [後編]

      INDEX

      前編では主に通販・ECの歴史とそこから見えてきた普遍的なビジネスモデルを中心に見てきました。また今まで消費者の気持ちをつなぎとめてきた“通販限定”神話が急速にかすんできた現状についてもお話しました。後編では新たなECという環境の中で、何に注目すればよいか探っていきましょう。

      3.メーカー通販からD2Cへ~リピートが成功の鍵~

      今D2Cに求められること…商品のリピートか?ショップのリピートか?

      ECで重要なリピート。通販ではそれを定期コースという武器で実現してきました。単品リピート通販ですね。では、いつでもなんでも買えるECの世界ではどうやってリピートを増やしたら良いのでしょうか?「あっ、なくなった」と気づいたらスマホでパパっと注文して翌日届く、というECの世界感での戦いです。

      一つの考え方は、単品で駄目なら複数の商品の組み合わせでリピートを増やせないか?という作戦。品揃えでショップにリピートを呼び込もうということです。

      通販専業の企業ではこの「品揃え」の工夫はごく普通に行われています。例えば、山田養蜂場や世田谷自然食品といった健康食品や化粧品を主軸に販売している会社であっても、ウェブサイトを覗いてみると実に多くの商品を取り扱っているのがわかります。

      一般の消費者にはあまり見えないですが、商品と同梱されるチラシにはさらに多くの商品が並びます。統計を取ったわけではないですが、一般的にはメーカー通販に比べ、通販専業企業の方が品ぞろえを充実させようとする動きが活発です。

      いろいろとお話を聞いていると、お客様から「あれはないの?」「ついでに買えると便利なんだけど・・・」という声が結構あって、それで商品が増えていくこともあるようです。

      さすがお客様の声を直接聴けるダイレクトビジネスですね。「同じ買うなら買い物は一度に済ませたい」というニーズに応え品ぞろえを考え、その満足感がリピートにつながる、という構図。これが単品ではできないリピートモデルです。

      しかし、メーカー通販にとっては商品を増やせというのは少々難しいリクエストです。自社で製造していない商品をリクエストされても、対応に困ります。あくまで製造が主たる生業のメーカーですから、スーパーのようにパパっと仕入れて「はい、販売」とはなりません。メーカーとしてのアイデンティティーがどうしても邪魔をします

      では、メーカー通販にリピートを生み出す道はないのでしょうか?

      いえ、あります。それはサービスです。自社の商品を単に販売するだけではなく、それを使ってもらうための付随サービスを提供する、という考え方です(※1)サービスは常に消費されるため、リピートも発生します。メーカーにとっては、サービスはもちろん未知の体験ではありますが、自社の製品とシナジーを創り出せる可能性を秘める領域です。

      今後のD2Cでは製品に付随したサービスにどんなニーズがあるか検討することは大変重要です。ちなみに、「サービス」は自然にリピートを考慮して設計されるため、サブスクリプションモデルとしてECに参入することになります。

      オウンドの呪縛

      取扱商品の拡大に躊躇するように、他にもD2C企業が判断を躊躇する課題があります。それはチャネルの拡大。「オウンドECへのこだわり」が判断を遅らせるケースがあるのです。

      ECにおいてのチャネル拡大とは何か?多くの場合、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングへの出店を意味します。今後はFacebook、InstagramなどのSNSプラットフォームへの進出も検討が必要でしょう。ECでは、こういったプラットフォームへの進出(※2)を意味します。

      折角ダイレクトにお客様とつながっているのですから、わざわざプラットフォーマーを挟む必要はないように思います。確かに理由がないのにチャネル拡大を行う必要はありません。しかし消費者からするとプラットフォーマー、オウンドECといった区別はほとんど無意味で、便利でお得な方が良いはずです。

      よくプラットフォーマー経由ではデータが取れないから出店しないという話を耳にします。しかしこれは正確ではなく、配送情報が届きますので実はお客様のリピートの状況は把握できます(※3)。しかも重要なところはそこではなく、先に議論したショップのリピートの方で、プラットフォーマーはとても便利で昨今わざわざメーカーのECサイトに買い物に来ない、という事実があります。

      お客さんに出会えないのではオウンドECも意味がありません。リアル店舗と同様に、ECでもどこに自分のターゲットとなるお客さんが多いか、出店場所を見極める時代となってきました。

      4.メーカー通販からD2Cへ~ サブスクって頒布会か? ~

      サブスクこと、サブスクリプションビジネスも日本で定着しつつあるようですが、早くも撤退が始まっているという報道もあります(※4)。ECの一つのビジネスモデルとして注目のサブスクリプションですが、その成功の本質はいったいどこにあるのでしょうか?

      頒布会とは何か?

      サブスクリプションビジネスを見て通販業界者はまず「これって定期購入や頒布会のことじゃないの?」と思うでしょう。商品を定期的に届ける手法は古くからあります。特に毎回商品を変えながらお届けする頒布会は、今のサブスクリプションに非常に似た手法と言えます。事実、頒布会形式で人気のワインは、最近サブスクとしても人気の商材です。

      サブスクリプションと頒布会の違いについては明確な定義はありませんが、頒布会が1年といった期限があるのに対して、サブスクリプションは解約しない限り永遠に続くというパターンが多いのが特徴です。

      もちろんネット以前も同様のビジネスは存在しました。例えば1970年代ころには音楽レコードのサブスクがあり人気がありましたが、同時に解約トラブルも多く、問題にもなりました(※5)人気の構造もトラブルの構造も、今も昔も似ています

      サブスクの裏にある「お客様の今」を知る仕組み

      サブスクで成功するためには何が必要なのでしょうか?昔からサブスクリプションには解約にまつわるトラブルが付きものです。人間だれしも継続の裏側には「飽き」が生じます。その飽きの状態を察知し、気分をリフレッシュしてもらうことは非常に重要です。しかしその「飽きの状態」を発見するのは容易ではありません。

      よくある間違なのですが、解約の連絡をいただいた際に引き留めるという対処法は、顧客満足度を落とします。お客さんが決死の覚悟で解約を申し込んでいるところを無理やり引き留める、というのは気分が悪いに決まっています。ですので、解約行動をとる前の「飽き」の状態をどう見つけるかが非常に重要です。そこで活躍するのがデータです。

      脚注の新聞記事 で紹介されている動画配信のNetflixのように、常にお客様の利用状況が把握できる場合は予兆をデータで把握できるのですが、商品を定期的にお届けするビジネスモデルの場合はそうはいきません。解約の連絡は突如やってきます

      そこで重要なのは、定期的にお客様の好み・気分を確認するプロセスをサービス体系の中に組み込んでおいて、お客様の状態をデータとして取り込めるようにしておく、ということです。

      古典的頒布会は半年とか1年でいったん終了しますが、そのタイミングで「次はどうしますか?」と聞くのも、通販の定期購入で3ヶ月くらいしたら「どうですか?」と電話を掛けるのも(最近はやらない会社も多いが)、お客様の今の状態を把握する、気分をリフレッシュするという観点で非常に重要なのです。

      5.ECで成長する本質を知る

      古い通販、新しいEC、その二つの共通点と違いについて見てきました。

      ECもちょっと油断すると時代遅れになってしまう、そういった観点で常に自分のビジネスモデルを振り返ることはとても重要です。

      特にビジネス環境の変化は激しく、その変化に対応できる準備ができているか、体制ができているかは、ビジネスが成長を続けていくうえで大変重要な観点です。

      では成長し続けることのできるECの体制とはどんなものでしょうか?本ブログで議論してきたように、最新の競争環境を把握していること、顧客の状態を把握していること、がまず重要です。

      さらにはコスト面では在庫の持ち方、ブランド価値のコントロールということでは、価格コントロールや顧客サービスの設計も重要です。これらの機能について、抜け漏れなく検討がなされ、対応策が練られている、というのが理想的なEC推進体制と言えます。

      そうはいっても、これらすべてを網羅しようと思ってもどこから手を付けてよいやら。しかも自分の今の状態は「できている」のか「できていないのか」をどうやって判断したらよいのか・・・そういった時に便利なのが電通グループが開発したコマース・サクセス・フレームワーク(CSF)です。

      CSFはグローバルで活用されているEC診断サービスです。このブログでも紹介されていますので、一度そちらをご覧ください。時代に取り残されないためにも、客観的な指標で自らを見つめなおす。これ重要です。

      ※1: 例えば自社の商品を気分に応じて使ってもらう(例:メガネの田中「NINARU」)とか、常に最新のモデルが使いたい場合には買うのではなくサブスクにする(例:ダイソンテクノロジークラブ)といったものがわかりやすい事例です。定額なので、できる限り使おうという意識が働き、商品の活用度合いが高まり、商品の価値をより強く意識してもらえる、という仕組みです。
      ※2: 今まではECチャネルの拡大は、モールへ出店を意味していました。最近ではモール機能だけでなく各種マーケティング機能の活用も考慮した出店計画になるので、本稿ではマーケティング機能込みで、プラットフォーム出店としています。
      ※3: 異なるモールで購入した顧客が「同一かどうか」を判別するには、氏名や住所をマッチングさせる「名寄せ」が必要となる。
      ※4: 日本経済新聞「サブスク成長の陰で国内撤退3割 消費者に「疲れ」も サブスクサバイバル(上) 資生堂は本格開始から1年で」2020年10月19日 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65089880W0A011C2TJ1000/
      ※5: 例えばColumbia Houseの例が参考になる。https://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_House
      日経新聞「サブスクサバイバル(下)退会しますか?あえて通知
      ネットフリックスが脱・幽霊会員、長期満足度へデータ駆使」2020年10月21日 https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20201021&ng=DGKKZO65181170Z11C20A0TJ2000

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