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    ファンを力に企業グロースを!【前編】~ヒントはブランドファンの“物語”にある~

    最終更新日:2026年06月24日

    ファンを力に企業グロースを!【前編】~ヒントはブランドファンの“物語”にある~

    顧客とのつながりを維持・強化していくことは、企業にとって永遠の課題。特に昨今の物価高で消費離れや買い控えが懸念される中、事業を成長させていく上でキーになるのは愛を持ってブランドや製品に接してくれる「ファン」の存在です。そこで電通は、ファンを理解し、ファンとの関係を深め、ファンを育むための2つのソリューション「ファンAI(アイ)リサーチ ブランド」「ファンAI(アイ)リサーチ 推し活」をリリースしました。本ブログでは、各ソリューションの特長や活用メリットを全2回にわたり詳しくご紹介します。

    (後編はこちら)ファンを力に企業グロースを!【後編】~“推し”をきっかけに、関係を育む~

    まず前編で取り上げるのは、企業ブランドに対してファン一人ひとりが持つ“物語”をヒントに新規ファン創出を支援する「ファンAIリサーチ ブランド」です。ファンマーケティングに関する知見を有する電通のプランナー、植田・廣田・新城・徳山の4名に話を聞きました。

    PROFILE

     
     
     
     

    INDEX

    ファン&ファンダムの愛に着目した、2つのソリューション

    なぜ今、“ファン”に着目した新たなソリューションを開発したのでしょうか。

    植田:顧客とのエンゲージメント強化が叫ばれて久しい今、すでに多くの企業がファンマーケティングやファンコミュニティの形成に取り組まれています。ただ、活動は行っているものの「何を成果とすればよいかわからない」「売上への貢献があるのかわからない」「瞬間的な売上拡大には寄与できても、その後のブランド資産として顧客が定着しない」というお悩みを抱える企業が多くいらっしゃいます。

    これまで数々のファンマーケティング支援を行ってきた電通として、ファンの力を企業成長に活かすためにもっと支援を広げていきたいと思ったことが着目の一つの背景です。

    もう一つが、アイドルやスポーツ選手などに対する昨今の「ファンダム」の存在感の高まりです。世代を問わず「推し活」が世の中に浸透し、ファンダムが持つ経済効果や波及効果の大きさはマーケティングにおいても無視できないものになっています。

    アイドルなどを起用したプロモーションも活発ですが、そこには対象のファンダムへの深い理解やリスペクトをマーケティングとしての成功に昇華させるという綿密な計画が必要で、人の心と行動へのインサイトを得意とする電通にご支援できることがあると考えました。

    自社のファンだけでなく、IP(※)(推し)のファンたちも視野に入れているのですね。
    ※アニメ・ゲーム・キャラクター・タレントなど、独自の世界観やファンダムを持つコンテンツ資産

    私たちは自社のファンを「ブランドファン」、IP(推し)のファンを「IPファンダム」と呼び分けていますが、商品起点で自社のファンを育んでいく戦略と、IP・コンテンツ起点でファンダムを巻き込んでいく戦略とでは、当然ですがアプローチが異なります。ですから今回も、「ファンAIリサーチ ブランド」「ファンAIリサーチ 推し活」という2つのソリューションに分けて開発しました。

    そのいずれも、具体的なマーケティング施策を考える前段階の「ファン理解」に重きが置かれています。その理由はなぜでしょうか。

    植田:電通ならではの強みが何かを考えたとき、やはり一番は「生活者視点」ではないかと思いました。つまり、顧客や一般生活者の気持ちやその変化をきめ細かく捉えるメソッドや、それを戦略に落とし込むプランニング力です。だからファンへのアプローチにおいても、自然と「ファン理解」が軸になりました。さらにそこにAIを掛け合わせることで、これまでにない新しいファン理解のソリューションを開発したかった、という経緯ですね。

    廣田:ちなみに「ファンAIリサーチ」の読み方は、ファン“エーアイ”リサーチではなく、「ファン“アイ”リサーチ」です! ファンの愛をAIで深く理解する、というダブルミーニングになっています。

    ファンがファンになった「物語」を紐解こう

    ではまず前半では、ブランドのファン育成に向けたソリューション「ファンAIリサーチ ブランド」について詳しく聞いていきたいと思います。ニュースリリースでは「ファンが生まれるまでの過程を可視化するツール」と書かれていますが、一体どういったものなのでしょうか?

    廣田: まず前提として、一括りに「ファン」といっても、商品やブランドに求める価値や魅力を感じるポイントは人それぞれです。そこで最初に取り組んだのは、ファンの心理や行動を紐解くためのメソッドとして「ファンナラティブジャーニー」というフレームワークを体系化すること。そしてこのフレームワークを活用し、高精度なファン理解を実現するソリューションとして開発したのが「ファンAIリサーチ ブランド」です。

    「ファンナラティブ」は初めて聞いた言葉です。詳しく教えてください。

    廣田:簡単に言えば、「一人の生活者がファンになるまでの物語」ですね。例えば……最近自分が某メーカーの冷凍餃子の大ファンだということに改めて気づいたのですが、思い返してみると、きっかけは数年前にそのメーカーさんが開催した“駅のホームを居酒屋にして餃子を食べる”というイベントでした。それまで私は冷凍餃子を食べたことがなくて、「こんなに皮がパリッと焼けるんだ!」という感動や、駅で仲間と食べるという非日常のワクワク感が自分の中ですごく印象に残っていて。それをきっかけに自分で購入し焼いて食べるようになって、あるとき知り合いにその餃子の話をしたら自分でもびっくりするくらい皮のパリパリ具合について熱弁してしまい(笑)。

    まるで廣田さんが餃子好きを自覚するまでのドラマを観ているようです(笑)。

    廣田:こんなふうに、まさにドラマを観るようにファン化の経緯を捉え、物語として理解することがファンナラティブのポイントです。私たちのチームでは何千もの事例をナラティブ分析しましたが、分析を重ねていくと、多くの人がブランドとの間に何かしらの印象的な体験(=「インプレッシブ体験」)を持っていて、その体験を引き起こすきっかけや物語の進み方にいくつかのパターンがあることがわかりました。それを「5つのシナリオ構成要素」として体系化し、ファンナラティブを構造的に分析できるようにしたフレームがファンナラティブジャーニーというわけです。

    ちなみに、よく顧客理解のフレームワークとして「カスタマージャーニー」が使われますが、それとはどんな違いがあるのでしょうか?

    廣田:カスタマージャーニーでは、まず商品を知り→興味が湧いて→好きになって……と設定したプロセスに基づいて顧客を読み解いていきますが、果たして本当にそのプロセスにはまりきるだろうかと疑問に思うことがありました。特にファンの方はいろんな複雑な思いを抱いているので、そうした感情の機微を捉えるには、ステップ論よりナラティブのほうが行間を掴みやすいケースも多いんですよね。実際にファンの方々にヒアリングするときも、物語的な聞き方に有効性を感じていました

    電通プランナーのナラティブ分析脳を、AIにインプット!

    ファンナラティブジャーニーというメソッドを構築したのち、どのようにAIツールへと落とし込んでいったのでしょうか。

    徳山:今廣田さんが話したフレームワークをAIに学習させることで、シナリオの構成要素や、そこからわかるファンの傾向などを自動で分析できるツールへと落とし込んでいきました。SNSや自社サイトなどに投稿された公開コメントから、愛あるコメントを自動で抽出してAI分析し、その結果をパワーポイントで出力できる仕組みになっています。

    つまり、廣田さんのようなナラティブ分析脳を持ったAIが、代わりにファンの物語分析をやってくれるんですね! でもAIって、人の感情をそんなにうまく読み解けるのでしょうか……?

    徳山:おっしゃる通り、AIはとても賢い分、解釈を広げすぎてしまうことがあります。ですから、インプットしたデータをどう読み取るかという部分は、今回かなり丁寧に設計しました。開発時には一度AIが分析したものを人がまたチェックしたり、分析の根拠をもう一度AIに出させたりして、「こういうコメントはこう解釈する」というルールづくりをしていきました。

    廣田:少し補足すると、一般的なソーシャルリスニングツールは、あるキーワードを設定してそれに該当するコメントを網羅的に抽出してくれますが、そうすると熱量にばらつきが出てしまいます。でもAIは文脈から判断できるので、ルールさえ指示すれば「熱量の高い愛あるコメント」だけを的確に抽出して分析できるようになるんです。今回は徳山さんが、その部分を本当に丁寧に調節してくれました。

    徳山:その他にも、分析結果をいかに使いやすい形でアウトプットするかもこだわりましたね。AIは出してくる情報量が多いので、わかりやすくステップに分けてパワーポイント形式で書き出せるようになっています。せっかくの分析結果を広く活用してもらうために、ユーザビリティはとても重要ですから。

    ※分析結果アウトプットの一例

    「ファン化シナリオ」を描き、物語の“再現”をご支援

    AIを使ってファンナラティブの分析やファン理解をしたあとは、具体的にどうやってマーケティングに活かしていけるのでしょうか?

    廣田:ファンナラティブを構造的に分析することの一番のメリットは、その物語を再現できるようになることです。つまり、分析結果をもとに、新たなファンを育むための「ファン化シナリオ」を描けること。例えば、リサーチを通じて「今のファンがファンになったトリガーの多くは○○型で、その際に刺激されたのはこんな感情だ」という事実が見えてきたら、似たタイミングで同じ○○型の体験を提供する施策や、同じ感情を喚起できるコミュニケーションを設計することで、ファン化の確度を高めることができます。つまり、熱量の高いファンがたどった物語を再現して次のファンを作っていく、この再現性に、ソリューションの大きな価値があると考えています。

    ファン化シナリオの作成やプランニングも、皆さんに支援してもらえるのですか?

    新城:もちろんです! 「ファンAIリサーチ ブランド」はリサーチツールを単体でご提供することは想定していません。AIを活用してファン理解をスピードアップさせつつ、その後は我々独自のフレームワークを使いながら、実際のシナリオ再構築や施策検討まで伴走させていただきます。

    理解して終わりじゃないところが、電通らしいソリューションですね。どんな課題を持つ企業にご活用いただきたいと考えていますか?

    廣田:新たなファンを育てていきたいと思っている企業さまには広くご活用いただけると思いますが、実はブランドをリニューアルするタイミングにもおすすめです。物語を紐解く中で「ファンが絶対になくしてほしくないと思っている価値」や「ブランドを通じてファンが感じている気持ち」を可視化できるので、それはブランドを再構築していく過程で非常に重要な情報になると思います。

    新城:AIを活用することで、企業さま側の負荷も少なくファンマーケティングを始められることもポイントですね。

    廣田:ファンマーケティング、特に今回お話しした“自社ブランドのファン”にアプローチするマーケティングは、今回、AIが組み合わさったことで、電通としても新しいご提案ができるようになりました。改めて自社のファンを捉え直す良いきっかけになると思いますので、ファンとの関係づくりやマーケティングに停滞やマンネリを感じている企業さまにも、ぜひご活用いただけたらと思います。

    ありがとうございました! 引き続き後半では、ファンの力を企業グロースに活かすもう一つのアプローチ「ファンAIリサーチ 推し活」についてじっくり聞いていきたいと思います。

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