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    顧客の「本当の欲しい気持ち」を捉える「欲望インサイト」とは

    最終更新日:2023年09月07日

    顧客の「本当の欲しい気持ち」を捉える「欲望インサイト」とは

    こんにちは。私たちはDENTSU DESIRE DESIGN(デンツー・デザイア・デザイン、以下DDD)という消費者研究のプロジェクトチームです。DDDは「現代の消費者像を捉えなおす」ことをテーマに消費者研究・マーケティングソリューション開発をしている社内横断型のプロジェクトチームです。
    個人消費が低迷する昨今、既存の行動ベースのマーケティング戦略だけでは顧客の心を動かして、持続的な消費につなげることが難しくなってきています。
    どうすれば、今の消費をより深く理解し、マーケティング戦略に活かせるのか、私たちは、そのカギは消費者の「欲望(Desire)」にあると考えています。本ブログでは、消費者インサイトの新たな視点「欲望インサイト」を、DDDのオリジナル調査である電通「心が動く消費調査」のデータを交えながら、ご紹介いたします。

    INDEX

    日本の個人消費の停滞の背景と、消費者の「消費」への期待感

    2020年から始まった新型コロナウイルスの流行や、2022年のロシアによるウクライナ侵攻など、社会環境の大きな変化は、原油高、材料高や大幅な円安などによる物価の上昇や、生活の先行きへの不安感を招きました。その結果、日本のGDPの半分以上を占める個人消費は大きく落ち込み、その回復は日本社会の大きな課題となっています。

    私たちDDDは、“個人の欲望”と“社会課題”の両面から新しい消費の動きをつかみ、消費者の変化を定点観測するために「心が動く消費調査 」を定期的に実施しています。
    2021年12月に実施した「第3回 心が動く消費調査」によると、1年前と比べて「可処分所得・自由になるお金」や「家計のゆとり」は「減った」と回答する人が「増えた」人を大きく上回っています。収入そのものについても、「減った」人のほうが多く、非常に厳しい消費環境の現状が調査結果から見て取れます。

    電通「心が動く消費調査」
    調査目的:生活者の欲求の実態や消費に関わる意識や実態を把握する定点観測調査
    調査方法:WEBアンケート調査
    調査対象:全国20―74歳男女3000ss 地域と世代で人口構成比によって割り付け

    一方で、厳しい消費環境の中でも、多くの消費者は消費にポジティブな気持ちを持ち続けています。同調査の中で、「買物は楽しい」と回答している人は8割に達しています。さらには「今を楽しむためにお金を使いたい」「将来のことにお金を使いたい」といった項目でも約7割が「そう思う」と回答しています

    消費への期待の気持ちが、全く消えてなくなっているのではないのです。それは、実際の消費行動からも見ることができます。

    「心が動く消費調査」では、「この1か月間に購入した商品やサービスで心が動いたものはありましたか」という質問をしています。結果を見ると65.1%が「たくさんあった」「多少あった」と回答しています。

    また、「心が動く消費」があったと答えている人は、なかった人よりも「欲しいもの」や「したいこと」「見たいコンテンツ」が多いという調査結果も出ています。

    個人消費が冷え込んでいるといわれる中でも、「心が動く消費」を多くの人が持ち、それが次の消費につながる好循環を促しているという結果を見ると、個人消費停滞の原因は消費者にあるのではなく、企業のマーケティング戦略が消費者の「本当の欲しい」気持ちを顕在化させ、商品開発やマーケティング施策につなげることができていないことにある、と言えるのではないでしょうか。

    消費者の「本当の欲しい」気持ちをしっかりと捉え、マーケティング活動に反映させることができれば、消費者の「心を動かす」商品の開発や販売施策へとつなげることができるのです。

    「心が動く消費調査」ダイジェスト・レポートのダウンロードはこちら

    行動ターゲティング重視のマーケティングでは足りない「本当の欲しい/したい気持ち」

    ECやSNSを通じた購買行動の浸透により、顧客がどのようなものを買ったのか、普段、どのような行動をとっているのかというデータを活用し、ターゲティング広告やプロモーションを仕掛けることは、多くの企業で行われるようになりました。
    ECサイトで何か欲しいものを探し始めると、次から次にそれに関連した商品や類似した商品がおススメとして表示されてきます。リコメンデーションといわれる、そのような手法は、ネット上での販売において効果を発揮していますが、顧客の「本当の欲しい気持ち」を満たすことができているといえるのでしょうか。

    消費者の購買に至る心理変容を構造化したモデルに、「ニーズ」「ウォンツ」「デマンド」があります。

    「デマンド」は具体的に買いたい商品、「ウォンツ」は欲しいもの、「ニーズ」は「ウォンツ」の背景にある、したいことです。例えば、ホームセンターで顧客が「初心者に使いやすいと聞いた○○社の電動ドリルを買いたい」と店員に尋ねるのは「デマンド」、「穴をあけるための道具がほしい」が「ウォンツ」、「天井にフックをかけるための穴をあけたい」が「ニーズ」です。
    現在の行動ターゲティングやそれに基づいたリコメンドの機能は、「デマンド」やその背景にある「ウォンツ」を見出すことには長けています。また、「ニーズ」は推測から判断することになるでしょう。しかし、その「ニーズ」は本当なのか、さらにはどういう気持ちから「天井にフックをかける穴を開けたい」と思ったのか、その「本当の気持ち」を知ることは困難です。

    こうした、本当の「ニーズ」とその背景にある「本当の欲しい/したい」気持ちを見つけるためには、新たな消費者インサイトのアプローチが求められているのです

    消費マインド喚起への新アプローチ、「欲望インサイト」とは何か

    消費者の購買行動モデルは、AIDMA→AISAS→SIPSといった形で、その時代に顕著とされた消費行動に沿って常に更新され続けてきました。
    しかし、消費者の購買行動モデルの基礎となった「AIDMA」以降は、「D(Desire:欲望)」は消え、現代の消費者行動モデルに至るまで、「欲望(Desire)」はマーケターの関心事ではなくなっています。

    私たちDDDは、いつのまにか注目をされなくなり、無いことが当たり前になってしまった「D=欲望(Desire)」に、消費者の心をディープインサイトするためのヒントがあると考えました。

    「欲望(Desire)」とは何か。私たちは、それを、消費行動の根源であり「ニーズ」「ウォンツ」「デマンド」を生み出す「欲しい/したい気持ち」であると定義しました
    そして、この「欲望(Desire)」へのインサイトを掘り下げていくことが、顧客の本当の理解につながり、既存のマーケティング戦略の壁を乗り越えるカギになると考えています。

    この「欲望(Desire)」をインサイトし、人々の心を動かす消費を「デザイン(Design)」するソリューションを提供するのが、私たち、DENTSU DESIRE DESIGNです。

    「欲望インサイト」は、顧客アプローチの在り方も変える

    欲望インサイトを通して消費者を見ると、これからの顧客へのアプローチも変わっていきます。
    「心が動く消費調査」から3人の60代男性の実例を見てみましょう。
    調査では、3人の60代男性それぞれの「心が動く消費」として、「スマートウォッチ」「スリムスラックス」「オーディオコンポ」という回答が見られました。

    従来の消費者行動ベースのリコメンドでは、「スマートウォッチ」を購入した人にはスポーツウェアやシューズを、「スリムスラックス」には色違いのスラックスやシャツを、「オーディオコンポ」には他ブランドのコンポやサラウンドシステムが、次に推奨されることになります。

    行動ベースのレコメンデーションの視点では、消費者が「なぜそれを欲しいと思ったのか」という視点が抜け落ちています。

    本調査では「どういう気持ちになりたくてその商品を買ったのか」、その理由についても尋ねています。
    その回答を見ると、「スマートウォッチ」を買った人は「いつまでも元気でいるために、睡眠を可視化したかった」、「スリムスラックス」では「これを穿くと若く見られてうれしかった」、「オーディオコンポ」では「いい音で聞くと若い頃の自分に戻れた」と答えていました。
    つまり、この3人は「いつまでも若々しくありたい」という共通した「欲望」を持っていることが分かったのです

    彼らに共通した欲望を見いだせれば、次のアプローチも変わってきます。

    個別に施策を考えると「スマートウォッチ」を買った人には、高性能な枕をリコメンドできますし、「スリムスラックス」の人には、イケオジに見えるスカーフを、「オーディオコンポ」の人には、彼が若い頃にヒットした曲の高音質CDをリコメンドすれば、買ってもらえる可能性はより高くなるでしょう。
    そして、さらに3人に共通して、「若々しさを保つための男性向け化粧品」をリコメンドすることもできるのです。

    「欲望」インサイトは、消費者の心を動かし、消費行動を喚起するマーケティングにおいて、不可欠なソリューションなのです。

    「“欲望”起点のマーケティング支援サービス DENTSU DESIRE DESIGN」について詳しくまとめたeBookのダウンロードはこちら

    「欲望」インサイトで、新たな戦略立案や商品開発を

    個人消費の背景にある消費マインドは、様々な要因により、これからもより一層、複雑化していくことでしょう。
    そのような時代においては、顧客の消費行動の表層にとらわれずに、欲望へと深くに迫ることで、より的確な戦略の立案、商品やマーケティング施策を開発することが必要となってきます。
    私たちDENTSU DESIRE DESIGNは、欲望視点の消費者インサイトを実現する調査データの分析やソリューションにより、クライアントの皆様のビジネスの成功に向けての取り組みを、ご一緒にお手伝いさせていただきます。

    PROFILE

     

    電通グループがご提供する
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    「DENTSU DESIRE DESIGN(デンツー・デザイア・デザイン)」欲望起点のマーケティング支援

    ニーズ刈り取り型から欲望増幅型のマーケティングへ。消費者の本当の「ほしい/したい」気持ち=「欲望(Desire)」に着目した生活者インサイト研究・マーケティング支援サービスです。

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