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    「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」出店&運営の基礎知識〜[前編]2020年3大ECモールの現状を整理~

    最終更新日:2023年06月19日

    INDEX

    3大ECモールと呼ばれる「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」。すでに多くのユーザーを抱えていて、比較的かんたんに出店できるのがECモール参入のメリットです。しかし、それだけに競合も多く、売り上げを伸ばしていくのは容易ではありません。そこで、電通ダイレクトマーケティングでECモール出店のコンサルティングを行う清水宣行氏に、ECモール市場の現状や成功のためのノウハウを聞きました。

    PROFILE

     

    EC市場の5割以上を3大ECモールが占めている

    ECモールの現状を教えてください。

    清水:国内でのEC市場は毎年10%以上の成長を続けており、2021年には2014年の2倍の規模になると予測されています。その中でも、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールの流通額合計は、EC全体の5割を超えると言われており、消費者にとっては欠かせないショッピングの場となりました。

    特に楽天市場とAmazonは突出していて、2018年のデータでは楽天市場が3兆4000億円、Amazonが2兆7000億円にもなる大きな市場となっています。ちなみにその伸び率は楽天市場が前年比109%、Amazonが前年比117%です。

    グローバル全業界平均 (iProspect調べ)

    楽天市場は、ECモールとしてだけではなく、全デジタルコンテンツの中でも、Google、Yahoo! JAPAN、YouTube、LINEに次いで5位、Amazonは、Facebookに次ぐ7位と、単なるECモールの枠を越えて、デジタルインフラのひとつとなっていると言えますね。商品を購入するときも、Yahoo!検索やGoogle検索以上に楽天市場やAmazonで検索されています(※)
    ※出典:ニールセン「Tops of 2019: Digital in Japan」

    新型コロナウイルスの影響でECモール事情は変わってきていますか?

    コロナ禍によって「店舗に行かずECで買おう」という意識が高まっているということもあり、ECの重要性はさらに増してきているといっていいでしょう。実際に、コロナ禍でECを利用してみて「買い物はECで十分」と思い始めた消費者が、2割ほどいるという調査結果も出ています(※)
    ※出典:コロナウイルス騒動で買い物への意識が変化!?「巣ごもり生活の初期フェーズですでに、"買い物はECメインで十分"と2割が意識変化」

    そんな中で、ECモールの存在感はどんどん大きくなっているので、自社ECサイトだけでなく、ECモールに出店してきちんと運用していかないと、EC事業自体が立ちいかなくなると考えています。ちなみに、日本の全業界でのEC化率は平均6.2%ほどですが、ECが進んでいるアメリカや中国では10~20%。日本もそれに追随していくでしょう(※)
    ※出典:【2019年版】国内EC市場のEC化率|BtoCとBtoBをプロが徹底解説

    出店の面での変化はありますか?

    清水:たとえば、余剰在庫が多い農林水産の分野の人たちは、店舗販売ができなくなったときの販路をECで確保しなければと気づきましたし、国として農産物をECで流通させようという流れもある。これまではヘルスケア商材やコスメ商材を扱う企業からのご相談が多かったのですが、これからは農産物や食品関連のEC出店が増えるのではないかと思っています。実際にJA(農協)がECモールに出店する事例も出ています。

    ECモールを制するにはモールの特性を知るべし

    ここからは3大ECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、それぞれの特徴について教えてください。

    清水: Amazonは、今もっとも伸びているECモールです。出店を考える場合、「FBA」があるAmazonは、もっとも出店しやすいECモールと言えます。

    「FBA」は、「フルフィルメント by Amazon」といって、在庫管理から注文処理、配送まで、すべての業務を代行してくれるサービスのこと。また、Amazonはショップや商品ページのフォーマットが決まっているので、デザインやコーディングなどページを作り込む必要もありません。ただし、それだけに競合が多いという点は考慮する必要があります。

    国内のECのシェアをAmazonと二分する楽天市場は、30~40代の女性ユーザーが多いことが特徴です。この傾向から、家電に強いAmazonに対し、楽天市場は食品やアパレル、コスメに強いECモールとなっています。また、Amazonが指名買いユーザーが多いのに対して、楽天は多くの店舗を回遊して買い物を楽しむユーザーが多いという違いもあります。その為、1人あたりの滞在時間が長いこと、1人あたりのPV数が多いことも特徴です。

    Yahoo!ショッピングは、約7300億円と市場規模こそ楽天市場、Amazonに劣りますが、商品数と出店店舗数は3大ECモールでもっとも多く、3億商品、87万店舗と発表されています。ユーザー層は、楽天市場に近いと言えますが、より年齢層が若く20~30代の女性がメインです。前年比118%と、こちらも急速に拡大しています(※)
    ※出典:Yahoo!資料より抜粋

    ユーザーメリットとしては、Amazonはお急ぎ便で早く届くことがあげられます。楽天市場は楽天市場ポイントがつくこと。Yahoo!ショッピングもPayPayのボーナスポイントがつくことですね。

    これからYahoo!ショッピングが伸びると言われる理由

    売り上げを見るとYahoo!ショッピングは、Amazonや楽天市場に大きく水を開けられているように思えます。

    清水:これまでは楽天市場とAmazonがあって、Yahoo!ショッピングは後発というイメージでした。出店料を無料にして他モールと差別化していますが、それでも追いつけず、後れをとっていた感はありますね。しかし、Yahoo!ショッピングは、これからさらに大きく伸びてくるECモールだと考えています。

    というのも、もともと売り上げに対するマージンが0%と、Amazon・楽天と比べて低いのですが、2020年6月30日から、ヤマトホールディングスとの業務提携により、Amazonのようなフルフィルメントサービスをスタートしたからです。

    Yahoo!ショッピングに関連する話として、2019年にはYahoo!がPayPayモールをオープンしていますね。

    清水:PayPayモールは、中国の「タオバオ」の上位モールである「T-mall」にならって作られたもので、Yahoo!ショッピングストアアワード受賞歴がある、Yahoo!ショッピングで年間1億2000万円以上の売り上げがある、上場企業や上場企業のグループで年商100億円以上であるなど、出店条件が厳しく、Yahoo!ショッピングのプレミアムモールという位置づけです。

    出店側としては、PayPayモールに出店するとYahoo!ショッピング上でも検索され、なおかつ検索時に上位表示されるメリットがあります。ユーザー側としては優良企業だけが出店しているので、偽物や粗悪品を買わされるリスクが低いというメリットがあります。Yahoo!ショッピングとPayPayモールという2段構えのECモールで、今後大きく伸びていくでしょう。

    5G通信で拡大が見込まれる「ライブコマース」とは?

    もう少し先の未来を予測するとすれば、どんな変化が考えられますか?

    今後5G通信が本格的に普及していけば、さらにスマホで動画を見やすくなりますから、ライブコマースが広がっていくでしょう。

    ライブコマースとは、ライブ配信を行いながら配信者と視聴者が双方向にやり取りしながら販売する新しいECの形で、すでに中国ではショップの販売員がライブ配信で商品を紹介しながら売り上げを作ることが一般的になっています。

    日本でも「Rakuten LIVE」や「Yahoo!ショッピング LIVE」といったサービスがすでにあり、出店者がその様なライブプラットフォームを活用して商品を販売する流れがくるでしょう。ライブコマースについては、弊社でも「Live X(ライブクロス)」というソリューションを展開しています。

    ライブ配信で販売するメリットはどんなところにあるのでしょうか?

    ライブコマースは、双方向でコミュニケーションできる特徴があるので、「この部分をもっと教えて」「裏側を見せてほしい」といったユーザーの質問に答えながらセールスができますし、しっかりとした説明が必要な高額な商品にも適していると言えるでしょう。

    これまでのライブコマースは、インフルエンサーやタレントさんが出演して販売していく例が多かったのですが、これからはショップ店員さんや一般の個人の方に軸足が移っていくのではないかと思いますね。

    最近ではアパレル企業を中心にショップ店員さんが配信しているケースが多くなっており、1回の配信で100万円売れた事例も出てきています。これからライブコマースが台頭してくることは間違いないでしょう。

    ECといえばオウンドECがあって、ECモールはサテライト。そんな認識はもう過去のものになり、3大モールへの出店がECで売り上げを上げる要となっているようです。後編では、より具体的な運用ノウハウの基本を聞いていきます。

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