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    【ウェビナーレポート】NECが挑むBtoBマーケティングと営業のデジタルシフトのリアル

    最終更新日:2023年06月19日

    【ウェビナーレポート】NECが挑むBtoBマーケティングと営業のデジタルシフトのリアル

    INDEX

    Withコロナの時代、営業活動やお客様とのコミュニケーションが非対面に移行していく中で、「デジタルシフト」は全てのBtoB企業にとって喫緊の課題です。しかしながら、BtoBマーケティングの成功のカギである、マーケティング部門と営業部門の連携は多くの企業にとって高い壁となっています。

    2022年10月27日に、Do! SolutionsがBtoBマーケティング・営業に携わる方々向けに開催したウェビナー「電通B2Bイニシアティブ presents NECが挑むBtoBマーケティングと営業のデジタルシフトのリアル」では、こうした課題にいち早く取り組まれてきたNEC様をゲストにお招きし、その取り組みのリアルをご紹介いただきました。
    本記事は、ウェビナーの内容を再構成したものです。

    PROFILE

     
     
     
     

    NECのこれまでのマーケティングと営業のデジタルシフトの取り組みについて

    テレマーケティングからインサイドセールスへ

    石井:最初に、マーケティングと営業のデジタルシフトの、今までの取り組みについて教えていただけますか。

    中島:弊社は 2004年にwisdomというオウンドメディアを立ち上げ、NECのファンをつくることからスタートしました。そこから、メールマーケティングとテレマーケティングで見込み顧客を醸成することにトライし、2016年頃からマーケティングオートメーションの活用を開始するとともに、マーケティング部門にインサイドセールスを立ち上げました。

    そして、2019年に、営業部門がリードを引き取ってくれないという、よくある「マーケと営業の壁」にぶち当たり、「営業側にインサイドセールス部隊を置いた方がいいのでは」という仮説のもと、いくつかの営業部門でインサイドセールスのトライアルを実施しました。

    コロナ禍によるデジタルシフトの加速

    中島:その矢先にコロナが流行し、営業が急にお客様と対面できなくなったことで、営業デジタルシフトの取り組みが急加速しました。営業側もインサイドセールスやオンラインセールスの経験がなかったため、営業デジタルシフトの問題要因を「活動プロセス」「営業機会」そして「人・組織」の3つのポイントから捉え、そのそれぞれで取り組みを開始しました。

    石井:この3つのポイントは、日々クライアントの方々から私共にいただく課題と似ておりますので、是非今日のお話を参考にさせていただきたいと思います。

    マーケ・営業の連携の壁とその乗り越え方

    営業・マーケ・製品部門の三位一体の戦略立案

    石井:「営業部門との連携」は多くの企業が抱える課題だと思いますが、どのようなところから活動を始められましたか。

    田中:先ほどの3つの取り組みをもとにご説明させていただきます。1つ目の「新営業手法・プロセスの確立」は、まず営業活動に課題を感じている営業部門からスモールスタートで開始しました。担当しているお客様の業種や目指したいゴールによって、製品軸で攻略をしていくのか、それともお客様軸で攻略していくのかを明確にして、ある程度型を定めて戦略を策定していきました。

    例えば私が担当した営業部門では、製品軸での攻略を方針にして、営業と製品とマーケの3部門が三位一体となって戦略を立案しました。早い段階から一緒に戦略を策定して、全員で課題や目標、ペルソナなどの認識を腹落ちする、ということがポイントになったと思います。全員が腹落ちした戦略に基づき活動を進めたことで、結果として営業を介さずに受注を獲得する仕組みを構築することにも成功しました。営業の理解を得る上で、マーケが持つデータを提示することがとても有効でした。

    吉井:マーケと営業と製品部門とそれぞれが同じベクトルを向くところに成功のポイント があったのですね。データが説得材料になるという点も大事なポイントに感じました。

    オンラインイベントで集客と商談を繋ぐ

    中島:次に「デジタル手法の導入」についてですが、2020年のコロナ禍になった直後に「NEC Visionary Week」というNEC初のオンラインイベントを立ち上げました。このイベントを起点に集客をかけてフォローを行っていくという、取り組みを行いました。

    石井:コロナ禍以降オンラインイベントが増え、私たちも多くのご支援をさせていただいておりますが、集客よりもどれだけ商談に繋げられたか、というところにポイントが移っているように感じます。また、データも取って終わりではなく、それをどう活用していくかが重要になっています。

    中島:NECでも、コロナになるまではリアルの展示会を毎年行っていましたが、アンケートも紙ベースだったりして、開催後すぐに活用することが難しい状態でした。今はオンライン化することで全てのデータがデジタル上にありますから、集客から参加の状況を一気に可視化することができますし、社内で共有することで、経営層から現場まで同じデータを見ることができるようになりました。

    吉井:データを各部門で共有して、民主化していくことが大事なんだな、と改めて感じますね。

    受講者のレベルに合わせた幅広い研修メニュー

    田中:最後に3つめの「デジタル人材の育成と組織連携の強化」ですが、デジタル人材を育成するために、営業部門や製品部門向けにデジタル人材育成プログラムを立ち上げて、受講者のレベル別にプログラムを提供しています。

    さらに、全社横断のコミュニティを立ち上げて、四半期に一回、営業・製品部門の取り組みや成功事例、ノウハウの共有を行っています。また、コミュニティ以外にも社内ウェブなど様々なタッチポイントでの情報共有を行っております。

    石井:拝見させていただきましたが、かなり充実したメニューですね。

    SFAの一元管理と中間指標の設定

    石井:マーケティング部門が獲得したリードを営業部門に活用してもらうために、どのような工夫をされてきたのでしょうか。

    田中:「情報共有」と「リードの質」という2つの観点でご説明したいと思います。まず「情報共有」ですが、リードや商談情報を SFA (Sales Force Automation)で一元管理しております。ダッシュボードで可視化することで、全員が同じ情報を共有できるようになっています。2点目の「リードの質」ですが、営業が欲しいリードを得るために、戦略の策定から実行まで三位一体の活動を行い、受注以外の中間指標も見ながら仮説検証を重ねました

    吉井:マーケ側にいると受注まで見えていないことが多いかと思うので、きちんと中間指標を設定しながら、共通のKPIを追っていくのが大事だな、と感じました。

    石井:リードに対する営業部門の評価の指標についてもお聞かせいただけますか。

    田中:成果が出るまで数年単位の案件というのがほとんどですので、中間指標を設定して合意しながら進めていくことが重要になると思っています。例えば、エンゲージメント(=お客様との関係がどれぐらい醸成できたか)ですとか、社内の生産性向上にどう寄与できたか、といった指標を設定しながら様々な観点で評価をしています。マーケとしても、トライアル希望のお客様など、どれだけ確度の高い情報を営業に渡せるかというところに指標を置きながら活動を進めているところです。

    データドリブンな営業・マーケティング活動へ

    石井:今後の目指すべきゴールと、そこまでの課題についてお聞かせください。

    中島:データが今後ますます重要になってくると思います。先ほどお話したオンラインイベントのデータ以外にも、メールやウェブのアクティビティデータ、SFAのデータがありますが、それぞれのデータがサイロ化した状態でした。そのデータをつなげるために現在、Customer Data Platformの開発を進めています。そして、データを活用した定量的な戦略立案など、更なるデータドリブンな活動を目指しています。

    ただ、仕組みだけできても意味がなく、データを使う側が活用できるかが一番重要なので、それが次の課題になると考えています。また、データ活用が属人的になっても意味がないので、「教育メニュー」をつくる必要もあると考えています。

    吉井:NECさんの活動を、株式会社Nexalが提唱している「マーケティング組織5世代モデル®」の分類に当てはめてみると、デュアルファネルを横断し、デジタルの接点を活用するような取り組みは既に行われていて、今後は部門を横断した顧客データのOne-ID化に取り組まれているということですので、第4世代から第5世代に移行するフェーズにあるのではないかと思います。

    電通B2Bイニシアティブが実施した調査では、第5世代までいくと、8割程度の組織で成果を得られている、ということがわかっていますので、やはりこうした組織や環境づくりが大事なのではないか、と考えています。

    デジタルシフトを進める上での支援会社の関わり方

    支援会社には戦略立案の段階から関わって欲しい

    石井:デジタルシフトを進められていく中で、実際、支援会社からどのような支援を受けておられるのかを教えていただけますか。

    田中: NECだけではカバーしきれないようなデジタルマーケティング施策であったり、効果的なタッチポイントの選定などを中心にご支援いただいています。それ以外では、戦略立案のフレームワークを参考にしたり、課題に直面した時に適宜アドバイスをいただいたりというところでもご支援いただいております。

    中島:自社内だけでやっているとどうしても視野が狭くなってしまうので、第三者的な視点で見ていただくのも、支援会社に求めたいところですね。

    吉井:支援会社に頼れるところは頼っていただければと思います。
    ここで一つデータをご覧いただきたいのですが、BtoBマーケティングを実施している企業の中で、今日のテーマの「営業とマーケのデジタルシフト」に関連する課題感をお持ちの企業は15%くらい、となっています。全体の傾向としてはやはりまだまだ全体戦略やターゲットの規定、 KGI/KPI の設定など、上流の課題を感じていらっしゃる企業が多いようですね。

    私たち電通B2Bイニシアティブは、BtoBの領域で多数の支援実績をもつ電通グループ9社の知見を集約した組織横断の専門組織です。各領域のエキスパートで構成されており、戦略の立案から実行まで一気通貫のご支援が可能です。

    吉井:NECさんの場合でも初動の戦略づくりにはご苦労がおありになったのではないでしょうか。

    田中:そうですね。最初は失敗もあり試行錯誤を積み重ねながら進めていったので、やはり戦略立案のところから一緒に入っていただけると効果的な施策を考えやすくなり、スムーズに進めやすいかと思いました。

    中島:また、先ほど次の課題としてお伝えしたような、データ活用の教育メニューで、営業向けやマーケ向けなど、職種に沿ったメニューがあれば、是非参考にさせていただきたいなと思います。

    田中:実際にデータが豊富にあっても、それを営業部門や製品部門、マーケ部門が読み解けないと宝の持ち腐れになってしまいます。データをどう使いこなすかというところは是非アドバイスをいただければと思っています。

    石井:やはり、社内外を問わずコミュニケーションの領域に電通グループの強みがあると思いますので、ここを強く推させていただきたいと思います。

    これからマーケ・営業のデジタルシフトに取り組まれる方に

    失敗を恐れるのではなく、チャレンジの姿勢で

    石井:最後に、これからマーケ・営業のデジタルシフトに取り組まれる企業のご担当者様へのアドバイスをお願いいたします。

    中島:今回のウェビナーでは成功した例を中心にご紹介しましたが、実は多くの失敗もしています。営業と会話する上でもいきなりペルソナだ、ジャーニーだと言っても通じないので、最初のコミュニケーションがやはり大事ですね。時にはデータを使ってファクトを示すなど、地道な活動の連続でくじけそうな時もありますが、失敗を恐れずに一歩を踏み出さないといけない。それがデジタルシフトの一番のポイントかなと思います。

    田中:私自身が活動するときに特に意識をしているのは、自分事として、営業部門の一員として取り組むということです。あとは、営業・製品・マーケ部門が腹落ちした上で戦略を立てることに注力するといいかと思います。また、インサイドセールスなど手段が目的になりがちなので、常に目的・目標に立ち返って活動することも大事だと思っています。

    石井:失敗をしてはいけないと思ってスタートするのではなく、チャレンジするという姿勢が大事なのかな、と感じました。私たちもお客様と一緒にいいチャレンジをしていきたいと思います。

    吉井:今日のお話を伺って、最初はスモールスタートでも、まずは成功体験を積み重ねながら、それを横展開してくようなやり方がとても大事だなと思いました。そして、関係者全員が同じ方向を向いていくことが大事ですね。デジタルシフトを進めていく上で大切なポイントを色々学ばせて頂きました。ありがとうございました。

    ※本ウェビナーはグラフィックレコーディング(グラレコ)を実施しました。要点をまとめておりますので、内容の整理やチームの皆様への共有にご活用ください。グラレコが完成するまでの工程動画(音声あり)も是非ご覧ください。

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