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    今、注目の「ライブコマース」とは? “ライブ配信”で変わるこれからのEC ~[後編]ただ「モノを売る」だけじゃない可能性~

    最終更新日:2023年06月19日

    INDEX

    ライブ配信を行いながら商品の販売やチケットの予約などを行う「ライブコマース」は、中国を中心に広がっているECの新しい形。電通ダイレクトマーケティングでも「LIVE X(ライブクロス)」として、すでに企業のライブコマースを支援するソリューションを展開しています。しかし、ライブコマースのポテンシャルは「モノを売る」だけではありません。前編に引き続き、「LIVE X(ライブクロス)」を開発した太田航氏に話を聞きました。

    PROFILE

     

    ライブコマースで「買いやすい」環境づくりを

    前編ではライブコマースの現状や事例を聞きました。後編では将来像を聞きたいと思います。

    今、電通ダイレクトマーケティングとして考えているのは、イベントのオンライン化です。コロナ禍の中では、商品発表会がオンラインで行われる例がありましたが、企業やメディアが協力してライブ配信で商品発表をして、その場でARを使って商品を試せる仕組みもできるでしょう。ファッションやコスメ、メガネなどをライブ配信しながら、ARで試すことができるサービスを実際作ろうと思っています。

    すでに、アーティストがチケットやグッズを販売するサービスがあったり、弔問できない方に向けて葬儀の様子を配信して返礼品を送るサービスがあったり、インストラクターがライブ配信でレッスンを行うフィットネスに特化したサービスがあったりと、多くの分野でライブコマースは活用されていますが、さらにさまざまなソリューションをライブ配信と組み合わせることで、ライブコマースで買いやすい環境づくりを行っていきたいですね。

    また、現在のライブコマース市場は中国の一強となっているので、日本の商品を中国で売るための取り組みも行っています。ライブコマースで商品を売るには、「新しくマーケットを開拓する」もしくは「すでにあるマーケットを狙う」の2つしかありません。それなら、まずはすでにあるマーケットに進出して、同時に新しい市場を開拓していく方がいいですからね。

    前編で「ライブコマースはあくまでもツールである」とお話しましたが、ライブ配信がインフラのひとつとなれば、さらに生活の中に入りこんでいく可能性があります。

    「After コロナ」のニューノーマルは私たちがつくる

    配信がインフラになると、どんなことが起こるのでしょうか?

    そもそも私がライブコマースを始めたときの事業計画には、医療や介護がありました。ライブコマースがひとつのインフラになって、世の中の役に立つものになると考えていたのです。

    たとえば、医療や診察、介護であればライブ配信によって対面でケアすることができますし、夜中に子どもの具合が悪くなったときにも、すぐにお医者さんに相談できますよね。当初は、そうしたプラットフォームを作ろうと考えていました。

    コロナ禍でオンライン診療の話が少しずつ出てきて、一部ではすでに始まっていますよね。そうした場面で役に立つことを「電通グループがやる」ということにも意義があると感じていて、理想像として持っています。

    生活の中でオンラインの環境をどう整備していくか、世の中を良くしていくためにはどんなソリューションを作るべきか、オンラインを通じて世の中の役に立ちたいという思いもあります。

    「配信で何をするか」ではなく、「世の中のために配信がどう役に立つか」と考えているのですね。

    そうですね。「After コロナ」や「With コロナ」と言われる中で、「ニューノーマル」と呼ばれる新しい価値観が必要になってくると言われていますが、この新しい価値観は私たちが作っていかなければならないと思っています。

    私たちがいろいろな挑戦をすることで新しい発見が出てくるはずなので、トライアンドエラーの中で世の中の役に立つ仕組みを作っていきたいですね。

    たとえば、オンラインイベントをパッケージ化して、イベントの企画から配信、購買に至る仕組みまで、すべて「私たちにお任せいただければ完結させます」と訴求するようなサービスも考えています。

    5G通信の普及は企業にとって追い風になる?

    インフラの面では5G通信が普及してくると思いますが、それによって変化もありそうです。

    回線速度が上がると、視聴者のメリットとしては、映像の画質が上がったり配信の遅延がなくなったりして、ストレスなく見られるようになることが挙げられます。配信側としては、視聴者数を増やせるようになることがメリットでしょう。

    また、今はストリーミングにかかるコストが配信プラットフォームの中で大きな割合を占めています。

    FacebookやInstagramのような大きなプラットフォームならば問題ないかもしれませんが、ベンチャー企業にとっては大きな負担です。そのあたりのコストが抑えられれば、ライブ配信プラットフォームを提供する企業も増えてくるでしょうし、活動の流量も増えて、よりライブ配信やライブコマースが一般的になってくると考えています。

    10年後20年後の未来を見据えたサービスを

    これからライブ配信をしたい企業に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。

    ライブコマースは、あくまでもひとつのツール、手段です。あまり難しく考えず、コミュニケーションツールの一環として、気楽に考えてほしいですね。

    FacebookやTwitterといったSNSがいつの間にか当たり前になったように、コミュニケーションツールのひとつとして、ライブコマースで顔を出して発信することが当たり前になってくると思います。特殊な方法ではなく、ひとつのチャネルになるというイメージですね。そこにいち早く乗り出した企業が、強みを発揮できると思います。

    もちろん、誰でも手軽に始められる分、やってみたら難しさも出てくるでしょう。なにか課題が出てきたときに、私たちにお声がけいただければと思います。ライブコマースの運用の支援だけでなく、企業に向けたライブコマースのセミナーも行いますので、気軽にご相談いただきたいですね。

    内容にもよりますが、企画から実際の配信までは2カ月ほどで実現できますので、今年の秋冬はライブコマースがより本格化してくると思います。

    電通ダイレクトマーケティングの「LIVE X」は、私自身がライブコマースに対して「必ずもっと広がる」「インフラになりうる」という確信があって開発したサービスで、目の前のトレンドを追うというよりは、10年20年という単位で先を見据えているものです。これからのニューノーマルをつくっていくという点、またライブコマースやライブ配信が当たり前になっていくという点でも、長い目でやっていきたいと思っています。

    「ライブ配信」と聞くと、アーティストやセミナー講師がイベントを配信するなど、「一方的な配信」というイメージをお持ちの方も多かったかもしれません。しかし、配信は双方向のコミュニケーションが可能で、実際に顔を合わせなくても対話ができる“ツール”だったのです。この特性を生かした販売やサービスに成功の可能性があるのは、中国や国内での先行事例からも明らかです。太田氏が目指す「ライブコマースが当たり前になる日」は、すぐそこまでやってきていると言えそうです。

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