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      オウンドECはなぜ難しい?企業が陥りやすい「EC運用」の課題と解決事例を聞いてみた 〜[前編]売り上げが伸びない原因は?~

      今や売り上げを拡大させるために欠かせないEC(Electronic Commerce)。実店舗よりも簡単に参入できて、なおかつ全国に拡販できることが大きなメリットですが、実際のところ「なかなか売り上げが上がらない」「成功のための打ち手がわからない」という企業は少なくありません。そこで、電通デジタルの宮川大輔氏、川久保剛氏にECの課題と解決方法について聞いてみました。

      PROFILE

       
       

      EC出店のハードルは起業と同じ?!

      お二人はECコンサルタントとして活躍していますが、企業からはどんな相談が多いですか?

      宮川:オウンドECを運用していくには、事業計画を作り、ECサイトを構築し、商品ページを作って決済・発送・問い合わせ対応……とたくさんの作業が必要です。また、返品対応などのアフターフォローも必要であったりと、非常に幅広い対応をしなければなりません。

      運用フローを分解していくと、約60項目もの作業となります。こうした作業をすべて社内でやっておられるケースが多く、「課題があるのはわかるけれど、どこから手を付けていいかわからない」というクライアントは少なくないですね。

      川久保:もちろん「新しくECを立ち上げるから手伝ってほしい」というケースも多いですし、「とにかく売れないからなんとかしたい」という漠然とした相談もたくさんいただきます。電通デジタルとしては、オウンドECにこだわらず、「ビジネスとしてどう成功させていくか」というスタンスでご提案しています。

      電通デジタルの提供ソリューション

      ECの運用から、いきなり大きな視点になりました。それだけECが難しいということでしょうか?

      川久保:ECを立ち上げるというと、ECサイトを作ることだと思われがちですが、実際には起業するのに近いイメージです。

      事業計画を作る、マーケティングの分析をする、商品を考える、採算ラインを決める、キャンペーンや広告を考える、データ分析をして改善につなげる……と、商売にともなうすべてを考えなければいけません。会社を一つ作るようなものなのです。

      宮川:実際に小売をされている方は、こうした「商い」のフローチャートを意識されていると思いますが、メーカー企業などの場合は、B2Bビジネスがメインなので、この「商い」の感覚が異なる場合も多いのです。

      ECを展開するにあたっては商品やお店、ブランドのコンセプトがあって、マーチャンダイジングをしっかり実施して……という部分は重要です。場合によっては、ECに合わせた新たな商品の調達や開発が必要となる場合もあります。また、「商材の種類や、ビジネスの規模」というところから考えると、オウンドECではなく、Amazonや楽天市場といったECモールへの出店の方がメリットが多い場合もあります。

      大切なのはお客様の「お買い物体験」

      「いい商品があれば売れるだろう」ではダメで、ひとつのビジネスとして全体を見ていなければ売り上げには結びつかないと……。

      宮川:そうですね。いかにお客様にとって買いやすい環境か、いわゆる「お買い物体験」も重要です。UX(User Experience)の観点から言うと、実際に商品をお客様が手にするまでを考えて設計しなくてはいけません。

      今は「配達にきた配送業者の愛想が悪かった」「梱包のダンボールが潰れていた」とレビューに書かれて評価が落とされてしまうこともありますから、そこまで考えて全体を設計していかなければ、ビジネスとしての成功確率は上がらないでしょう。

      川久保:実際に小売の最前線で活躍されている方でも、こうした流れ全体を一人で見るのは難しいと思います。「物流には詳しいけれど、マーケティングは全然わからない」という方もいるでしょう。そんな中で、UXを微に入り細に入り設計して……となると、自社だけでやるのは難しいケースも出てくると思います。

      商品を売るサイトは作ったけれど、マーケティングまで手が回らず不十分な対応に……となってしまうことも多いものです。課題というか、ボトルネックとなってしまうわけですね。

      「なぜ売れたのか?」を分析しよう

      相談をいただく企業には、どんな業種あるいは規模が多いですか?

      宮川:業種という点であまり傾向はありませんが、タイプとしては大きく2つにわかれます。ひとつは、大企業で大規模なシステム開発が伴い、サイロ化した課題が複雑に絡み合っているため、全体の最適化を見据えた総合的な施策の検討が必要なタイプ。もうひとつは、小規模なベンチャーやオーナー企業で、すごく商品に自信をお持ちで、それを売るための最短の戦略と戦術が必要というタイプです。

      ただどんな企業であっても、今重要視されているのはスピード感ですね。特に大企業だと、要件定義からECサイト制作やECモール出店まで含めて、非常に時間がかかることが当たり前だと思われがちですが、スピード感をもってやっている若い企業が増えているので、従来の進め方では後れをとってしまいます。小さく早く始めてデータを集め、立ち上げ後の改善もきちんとデータ分析を回していかないと、デジタルの世界ではなかなか勝ち目が見えてこないな、という印象です。

      川久保:実際に「急ぎで」というオーダーをいただくことも多いですが、企業がそれに対応できていない場合もあります。たとえば、急ぎの対応ができる組織体制であったり権限委譲であったりといった部分ですね。

      組織体制などの部分も、さきほど出た「ボトルネック」のひとつになるのですね。他にもいろいろなボトルネックがありそうです。

      川久保:そうですね。ひとつ改善すべき点があっても、やってみたら別の課題が出てきたり、そちらの方がボトルネックになっていたということがわかったりして、結果的に全体を見直すケースもよくあります。課題がひとつ見つかったらその背景には10の課題があった、みたいな。そこをひとつずつ潰しながら、全体を最適化させていくのが、私たちの役目ですね。

      何かの課題に対して改善をしたとして、それで売り上げが上がったら「なぜ、売り上げが上がったのか?」をきちんと分析しなければいけません。場合によっては、対応したのに売り上げが上がらないことだってありますが、それを分析することで「実はここに問題があるんじゃないか」と別の課題が見えてきます。データ分析とPDCAを回すことは本当に大事ですね。

      2つのパッケージでECをサポート

      話を聞いていると、ECならではのノウハウやテクニックだけではなく、経営的な部分にまで踏み込んで改善をしていくような感じがします。

      川久保:小売の現場にいらっしゃる方にとっては当たり前かもしれませんが、データ分析が重要なのはわかっているけど、まだ誰も本格的に手をつけたことがないという企業も少なくありません。ECサイトを作ったり運用業務のサポートをするだけではなく、こうした部分を担うことが私たちの役割だと思っています。

      おまかせECパックの概要イメージ

      宮川:例えば、「おまかせECパック」といって、これからEC展開を検討中、あるいはすでに出店されている企業に向けて、どのような出店計画を立てればいいか、どこから改善すればいいかをパッケージングしたソリューションと、「ファンダメンタルレビュー」と呼んでいるいわゆるサイト全体の調査・診断の、2つのパッケージをご用意しています。

      ファンダメンタルレビューは、「ECサイトの改善点の洗い出し」を目的に、ここまでお話ししてきたような、ECサイトのトータル分析や競合比較をして課題をあぶり出し、課題の優先順位をつけて解決していくというソリューションです。

      川久保:ECの運用というと、ケースバイケースで仕組み化しづらいように思われるかもしれませんが、意外と標準化できる部分も多く、自動化するためのツールを開発したり、マニュアルを整備したりして、パッケージとして提供しています。

      ここまで電通デジタルのECコンサルでできることを聞きました。後編では具体的な事例について聞きたいと思います。

      ※当記事は2020年7月15日時点の情報を元に記事を執筆しております。

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