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営業を「戦略的」に行い、成果を上げる:「顧客戦略」について

作成者: D-sol|Dec 18, 2024 3:00:33 AM

数年間にわたるコロナ禍や身の回りのデジタル化を契機として、生活者のライフスタイルや行動様式は大きく様変わりしました。また、SDGsなどの社会課題に対する意識の高まりを受け、人々の価値観やニーズも変化しています。この変化に伴い、企業の営業部門がお客様に接する「営業手法」も抜本的な変革が迫られています。

今回は、フィールドセールス(顧客を訪問し、対面で商談や提案を行う営業職)を抱える営業部門が顧客に向き合い、成果を出すために必要なノウハウ=「顧客戦略」について説明します。

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変化の激しい時代に、営業部門が抱える3つの悩み

企業が成長するためには、売上の拡大が必要不可欠です。そしてその大切な役割を担うのが「営業部門」。営業部門は、顧客ニーズを的確に把握し、相手の心を動かす提案を行うことで売上を向上させる組織を目指していくことが理想です。

今、営業部門には、消費者のライフスタイルの変化や、顧客の価値観の多様化の動きに合わせて、商品やサービスを適切に提案していく効果的な営業活動が求められています。そのためには、改めて自社の商品と顧客を深く理解していかねばなりません。

しかし、往々にして商品や顧客の情報を持つ他部門との連携が充分でないため、営業個人の手持ちの情報をもとに戦わざるを得ず、充分な準備ができないまま顧客と向き合っている、という方も多いのではないでしょうか。
営業活動では、以下のような問題が起こりがちです。

① 顧客ニーズの先読みができない

営業活動で成果を上げるために必要なことは、顕在化しているニーズに素早く応えることはもちろんですが、顧客に対してより適した商品・サービスを提供することや将来必要になるものを「先読みして」提案することです。

そのためには、一人ひとりの顧客の状況を深く知ると同時に、現状および今後の市場動向などが頭に入っていなければなりません。しかしながら、そのような資料が営業現場に分かりやすい形で用意されていることは少なく、結果としてとりあえずお客様から言われたものを提供するといった「御用聞き営業」になりがちです。

② ターゲットと、購買の決め手への理解が不足

ターゲットが明確でないと、効率的な営業活動ができません。また、たとえ設定していたターゲットに合致する見込み客に巡り合えたとしても、そのターゲットが購入を決定する際の重要なポイントが何なのかを知らなければ、せっかくの機会を逃してしまうことになりかねません

このような「ターゲット顧客に関連する情報」は、通常は開発またはマーケティング部門がまとめる場合が多いかと思います。ですが、営業現場で必要な観点からターゲットプロフィールと決め手となるセールストークまでを分かりやすくまとめた資料が作成されることは少ないのではないでしょうか。

③商談資料が競合と横並び

営業現場では、競合と比較して自社の商品・サービスがいかに優れているかを示すことが重要なポイントとなります。しかしながら、社内資料があったとしてもそのまま営業ツールとして使えるものにはなっていない場合が多く、営業現場で改めて商談資料を作ることになります。その際、分かりやすく説得力のある資料を迅速に作るのは容易ではありません。

これらのような、顧客に関する営業部門の悩みを解決するためには、「市場動向やマーケティング戦略をシームレスに営業現場へとつなげていく仕組み」が必要となります。

「顧客戦略」とは。重要な3つのポイント

必要な情報をシームレスに営業現場につなげていく仕組みをつくり、営業活動で成果が上がるようにするためには、「顧客戦略」の立案が必要です。
「顧客戦略」とは、顧客を中心に置いて、マーケティング戦略/営業戦略/CS(Customer Success=顧客の成功体験)戦略を首尾一貫した形で整理し顧客に向かい合うことです
顧客のニーズ、価値観、行動を深く理解し、市場の動向を押さえた上で商品・サービスと顧客体験を設計することで、顧客に対し効果的なコミュニケーションを行い、売上向上を通じて事業の持続的な成長を目指します。

顧客戦略で特に大事なのは、以下の3つです。

① 市場や競合の動向の把握

顧客に対して自社の商品・サービスが本当に必要であることを説得力を持って説明するためには、前提となる市場や競合の動向を的確に知っておくことが必要です。自社の情報だけでなく、とりまく業界や市場の動向を踏まえつつ、さらには将来の生活予測などを押さえておくことも大切です。

② 自社のマーケティング戦略の理解

自社の提供する商品・サービスを隅々まで知っておくことは大切ですが、それがどのような顧客のどのような課題に応えるものなのかを理解しておくことはさらに重要です。顧客セグメントの価値観・生活様式などの背景を知った上で商品・サービスの価値を提案できれば、より説得力のある営業活動が可能になります。

③ 顧客に説得力のある説明方法

顧客の心に響くセールストークや資料を作るには、自社の商品・サービスがどのように課題を解決し、顧客に何をもたらすのかという視点に立って、それを分かりやすく伝えるノウハウが求められます。

商品・サービスのスペックを列挙することに止まらず、顧客にとってのメリットを具体的に説明できれば、営業効果は飛躍的に高まります。例えば、実際の利用者の声や成功事例を交えたストーリー形式の説明などは、効果的な例と言えるでしょう。

これらを満たす「顧客戦略」を立案し実現を目指すことで、営業・開発・マーケのシームレスなつながりが生み出され、効果的な営業活動が可能となります。

電通Sales Transformation For Growthが提供する「顧客戦略」支援ソリューション

では、どのようなプロセスで「顧客戦略」を推進していくのか、そのご参考として、私たち
電通グループが「Sales Transformation For Growth」の中でご提供している「顧客戦略」支援ソリューションをご紹介します。

Sales Transformation For Growth「顧客戦略」支援ソリューションについて

私たちは、顧客戦略の立案から営業活動の実行まで、一貫して支援するサービスを提供しています。顧客企業の複数の領域や部門を横断しながら、営業目標達成に向けた「実行」までを含めた密な伴走支援を行うことが特徴です。このアプローチにより、企業内部の部署間のサイロ化を解消し、営業部門を核として組織全体の連携を強化します。また、データやテクノロジー分野のグループ内外各社との幅広いネットワークを活用し、最適なソリューションを提案します。

① 事業環境分析

未来視点を含めたマクロ・ミクロ両方の視点で顧客/競合/自社の3C分析を始めとした各種分析を行い、中長期的な価値観や行動様式変化の予測も鑑みた顧客戦略を支援します。

② 顧客戦略策定

豊富な生活者データに基づいた的確で深い顧客インサイトをもとに、マーケティング戦略・営業戦略・CS戦略を策定します。

③ 施策検討~実施

商品の魅力を伝えるデザイン性が高い営業マテリアルや、顧客の感性に訴えかける効果的なトークスクリプトを開発します。また広告プロモーションとも連動、一気通貫したご支援も可能です。

営業部門の「顧客戦略」ご支援事例

ここで「顧客戦略」支援ソリューションを用いて、マーケティングと営業戦略の策定を支援した事例をご紹介します。

保険会社A社様の新サービス「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)開示支援システム」の販売に際し、「顧客戦略」支援ソリューションを用いてマーケティングと営業戦略の策定を支援しました。

A社様は、東証プライムとスタンダード/グロースで気候変動情報開示に対する企業ニーズが大きく異なることで、リード獲得に苦戦していました。この課題を解決するため、電通は市場調査と競合分析を実施し、各レイヤー企業のニーズを抽出。それに基づき、それぞれに合わせた認知向上のPR施策設計だけでなく、実際の営業体制構築や提案資料の作成を伴走型で支援しました。

その結果、リード獲得から受注獲得までの一連のプロセスを強化でき、A社様は新たな顧客基盤を構築することに成功しました。

営業部門を企業の成長ドライバーへ

私たち電通グループは、「営業部門は企業の成長ドライバーである」ととらえています。この信念のもと、営業部門が「商品やサービスの売上を伸ばす」という役割を超え、全社の売上や成長、さらには社会の活性化に貢献することを目指し、「Sales Transformation For Growth」というプログラムを開発しました。

これまでにマーケティング領域で培ってきた「生活者のインサイト探求力」「人を動かすクリエイティブの力」「マーケティングの知見」をベースに、営業の成長と事業成長の両輪を支援します。その中核をなすソリューションのひとつが、今回ご紹介した「顧客戦略」支援ソリューションです。

「顧客戦略」支援ソリューションや「Sales Transformation For Growth」の詳しい資料を
無料で進呈しておりますので是非こちらをダウンロードしてみてください。