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      デジタル/UX組織の立ち上げ成功のコツとは? 「立ち上げ期」「実践期」「拡大期」3ステップを徹底解説

      時代のニーズに応え、「デジタル/UX組織」を立ち上げる企業も多い今、実際に組織を発足させるとどんな課題があるのでしょうか。また、どうすれば安定した運用ができるのでしょうか。

      「常駐型支援で実現するデジタル/UX組織の垂直立上げ」と題したセッションでは、株式会社NTTドコモ マーケティングプラットフォーム本部の南部美貴氏と、株式会社電通デジタル・CXトランスフォーメーション部門の小浪宏信が登壇。実際の事例をもとに、デジタル/UX組織の成長フローごとに出てくる課題や、成果を上げるためのポイントをくまなく解説しました。
      以下に、Do!Solutions編集部がセッションの内容をまとめます。

      「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」概要はこちら

      【立ち上げ期】人材不足や連携不足など課題山積だった「デジ推」

      一般的に、立ち上げた組織の成長フローは「立ち上げ期」→「実践期」→「定着拡大期」と大きく3ステップにわけられます。実際、NTTドコモで2015年に発足したデジタル/UX組織「デジタルマーケティング推進部(以下、デジ推)」も、もれなくこのフローを辿っています。まず、NTTドコモの南部氏は、デジ推立ち上げの理由について、次のように話します。

      南部:ドコモは2015年に、ドコモのケータイをお持ちでないお客さまにもご利用いただける「dポイント」という共通ポイント事業をスタート。2018年にはdポイント会員を軸とした事業基盤に変更するという大きな舵を切りました。その新事業のために発足したのが「デジ推」でした。デジ推は、システム部門、データ分析部門、dポイントの会員制度を担う組織の一部などを統合した組織です。主なミッションは、全社的なDXの推進と、dポイントユーザーに向けた事業を行うための基盤づくりとなります。

      ちなみに2015年の発足当初、デジ推ではマーケティングオートメーション(※)の環境整備やデータ活用方法の検討を最優先に進めていたとのこと。
      ※企業のマーケティング業界において、人間が実施している定型業務や複雑な作業を自動化し、効率を高める仕組みのこと。

      南部:デジタルマーケティングで何ができるのか、どういった効果があるのか自体がまだ社内で浸透しておらず、メリットをわかってもらうには実践し、結果を出すしかありませんでした。マーケティングオートメーションを使うと、従来に比べていかにお客さまとのコミュニケーションを改善できるか、そのために必要な環境を整備できるかという視点で企画・実行を急いでいました。

      一方、立ち上げ直後のデジ推では、マーケターの不足という課題も抱えていました。

      南部:私たちのいうマーケターとは、カスタマージャーニーを設計したり、顧客一人ひとりに応じたシナリオを設計する人材のこと。このマーケターのチームの立上げが必要となり、2019年7月にデジ推に異動、着任することとなりました。当時、まず取り掛かったのは、企画を量産し、成功パターンを見つけていくことでした。

      デジタルマーケティングの実践

      デジ推が電通デジタルに運営サポートの依頼をしたのも、ちょうどこの時期のこと。当時、電通デジタルは「デジ推をどう運営するべきか」という実行内容をまとめた提案を行ったといいます。

      小浪:まず、会員基盤を作るミッションでデジタルマーケティングの成功事例を作り、他事業への横展開をご提案しました。そして、他事業でも結果を出し、最終的にはデジタルマーケティングを全社的に最適に実践できる組織に成長するというシナリオを描きました。

      会員基盤作りのその後の可能性(案)

      2020年の現在から振り返ると、デジ推はこのシナリオを着実に辿っています。しかし当時、デジ推が最初の成功事例を作る上でのボトルネックになったのが、ドコモ社内における部署間の連携でした。

      南部:社内には営業本部やスマートライフビジネス本部といった「本部」があります。会員基盤を作る上ではこうした事業本部との連携が欠かせません。しかし、社内ではデジタルマーケティングやUXに関する知識・経験をもった人材が不足していたり、仕組みを理解してもらえなかったり、また各部署のミッションが異なるために調整に時間がかかる状態でした。そこで、地道に社内を啓蒙しつつ、連携するための業務プロセスを作っていきました。

      会員基盤活用に向けた各部の位置づけ

      ※ご提案時(2019/5)の組織図

      NTTドコモの事例のように、DX組織の立ち上げ構想期には、「戦略」「体制・人材開発」「データ活用基盤」「業務オペレーション」の4つの切り口において、共通の課題を抱えがちだと小浪は考察します。具体的な内容は次の通りです。

      戦略……どのような経営課題を解決するのか?
      体制・人材開発……立上げ期にはどのような体制を用意すべきか?
      データ活用基盤……立上げ時に必要なデータ活用基盤とは?
      業務オペレーション……何から手をつけるべきか?

      南部:ドコモの例でいうと、「戦略」は全社DX推進の構想や顧客体験軸のビジョンを経営層が決定、「体制・人材開発」はシステム部署主体のデジ推が担当、「データ活用基盤」はマーケティングオートメーションの環境整備を優先しながら構築、「業務オペレーション」は他部門との連携を急ぎました。

      【実践期】電通デジタルのリソースも活用しながら部署間との連携を強化

      「立ち上げ期」を経て、デジ推は「実践期」へと突入します。デジタルマーケティングの成功事例を作るため、LINEやInstagramを活用するなど、電通デジタルとともにさまざまな施策に取り組んでいきました。

      南部:ドコモショップやスマホアプリといったお客さまとのタッチポイントにおいて、「どんなコミュニケーションをすればお客さまと良い関係を築けるのか?」「どのタイミングでオファーをすればサービスを使ってもらえるようになるのか?」など、お客さまの理解を深めることが必要と考えました。

      従来は、回線料金プランのチーム、サービスのチーム、ポイントや決済のチームなどがそれぞれ独立してデータを活用して販促を行っています。一方、デジタルマーケティングはお客さま中心のマーケティングということで、こうしたチームをすべて横断して連携しながら、お客さまへの認知、利用だけでなく、使い続けてお気に入りにしていただく、そのアプローチを最適化する点が特徴です。

      お客さま中心のマーケティングへ

      各領域からの情報を分析しはじめた南部氏は、ここでも課題を感じたといいます。

      南部:部署やチームがそれぞれ個別に動いているため、データの分析法も評価法もバラバラだったのです。これでは正確な活用やお客さまの理解が進みません。そこで、まずはここを解決したいと考えました。さまざまな部署との調整が必要になったとき、活躍してくださったのが小浪さんをはじめとする電通デジタルのみなさんでした。

      ここで、電通デジタルの常駐型支援の内容について少し紹介しておきましょう。今回、小浪が率いたチームは3名体制で、施策立案の概要資料づくりや関連部署の調整、代理店との調整、効果検証、報告書作成といった業務を請け負っていました。

      一方で、同じように電通デジタルから派遣された少数精鋭のチームが、ドコモ内の他部署でも数多く活躍していました。

      小浪:もちろん、通常はプロパーのみなさま同士のコミュニケーションがベースです。ただ、補完的なコミュニケーションについては電通デジタルのメンバーが連絡し合うことで理解が円滑に進んだり、部署間の調整がうまく進んだりするとよい効果が生まれそうだと思っていました。

      南部:そこは、とくに助けていただいたと感じる点です。社員がお願いする前に、すでに状況と連携を整えてくださっていたこともありました。並走していただく上でとても心強かったです。施策のフレーム・評価軸の統一も一緒に整理いただけました。

      弊社(電通デジタル)のご支援体制

      ※ご提案時(2019/5)の組織図

      では、デジタル/UX組織を立ち上げて「実践期」を迎えたときに考えるべき課題とは何なのか。小浪は、次のように整理します。

      戦略……推進力をもって戦略を実行するためには?
      体制・人材開発……施策実践に必要な組織体制とは?
      データ活用基盤……データ活用環境をどのように運用すべきか?
      業務オペレーション……施策実践はどのように計画すべきか?

      南部:ドコモの例でいうと、「戦略」はデジタルマーケティングの事業貢献度を可視化して経営層・社内関係部署に報告しながら、「体制・人材開発」は電通デジタルの力を借りてフルパワーで進めました。「業務オペレーション」では数々の施策を試し、トライ&エラーによって成功事例を蓄積。「データ活用基盤」では施策を進めやすいように環境整備を強化・改善しながら、「業務オペレーション」に落として実践していく…という作業を繰り返しました。

      【定着・拡大期】デジタル/UX組織の未来予想図

      2018年の発足から2年を経た現在、デジ推は定着・拡大期に差し掛かりつつあります。2020年7月からは、スマートライフビジネス本部、営業本部の一部と合併し、「マーケティングプラットフォーム本部」へとかたちを変えました。南部氏によれば、事業を担う「本部」の扱いになったことで事業貢献度が厳しく問われ、これまで以上に取り組みを加速させていくといいます。

      小浪は、デジタル/UX組織の成長を示すモデルについて次の図をもとに説明します。

      UX/デジタル組織の成長モデル

      小浪:電通デジタルでは、デジタル/UXの取り組み状況によって【ステージ0】から【ステージ4】まで分け、ステージごとの課題を明らかにしています。デジ推は、横断的に知見を展開する【ステージ2】から、いよいよ【ステージ3】へ、UX経営の浸透に進む段階へと移りつつありますね。

      では、最後に、立ち上げたデジタル/UX組織が「定着・拡大期」を迎えたときに考えるべき課題を整理してみましょう。

      戦略……どのように戦略を浸透させるか?
      体制・人材開発……部署横断的な取組みに横展開を図るためには?
      データ活用基盤……全社的なデータ活用時に求められる環境とは?
      業務オペレーション……各事業主体をどのように巻き込むか?

      南部:ドコモの例でいえば、「戦略」として本部を立ち上げたことを社内外にアナウンスし、本部間で連携して全社的に取り組む士気が高まったこと。経営層も定期的にデジタル推進を後押しするよう発信しているので、おそらく取り組みはますます加速するでしょう。「業務オペレーション」については、他部署の方も巻き込みながらマーケティングオートメーションを推進していく予定です。

      これからも引き続き、デジタルマーケティングのさらなる高度化を目指すと語る南部氏。最後に次のような決意を述べられました。

      南部:今後は、データドリブンで業務改善を行い、お客さまの理解を深めていくことで、これまで以上にお客さまにとって最適なタッチポイント、最適のツール、最適のタイミングで、好みにあった気の利いた情報をお届けしていきたいと思います。

      Webinar Report

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