課題解決マーケティング情報サイト
[ Do! Solutions|ドゥ・ソリューションズ ]

      電通的マーケティングDX、その先にある世界 -これまでの歩みと現在地、そしてこれから-

      PDMウェビナー2日目に行われたのは「電通的マーケティングDX、その先にある世界 -これまでの歩みと現在地、そしてこれから-」と題したキーノートです。「電通的デジタライゼーション」とはどのような取り組みなのか、これまでの経緯や現在どのようなことを行っているか、強みなどを振り返りながら、今後の展開について電通グループ/電通ジャパンネットワークでディレクターを務める、中津久美子が紹介しました。
      以下に、Do!Solutions編集部がセッションの内容をまとめます。

      「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」概要はこちら

      DXはふたつある? 電通的マーケティングDXとは

      中津:今「DX」と言えば、本屋さんに行くと関連する書籍が平積みされていますし、新聞やニュースでもごく当たり前のように聞くワードになっています。

      私はDXには2つの局面があると考えています。
      ICTいわゆる情報通信技術を使って、ビジネス上の課題を解決するデジタイゼーション。そして、この技術をビジネスモデルの変革に使って、新たな価値を生み出していくデジタライゼーションの2つです。

      電通グループとして今後力を入れていきたいと考えているのは、2つめのDX、デジタライゼーションのフェーズです。マーケティングとデジタルテクノロジーの力を使って新たな顧客体験を創出し、お客さまの数を増加させるとともに、企業とお客さまのエンゲージメントを深め、売上を増加させるようなDXをやっていきたいと考えています。

      しかしながら、デジタルライゼーションは1日にしてならず。ということで、私たちのこれまでの道のりを振り返りながら、私たちの取り組みをご紹介していきたいと思います。

      「デジタル」は新しい? 2005年「イーマーケティングの時代」

      中津:私がデジタルマーケティングに取り組み始めた2005年当時には、まだ「デジタルマーケティング」という言葉はなかったと記憶しています。

      いろいろなネーミングに「e」がついていた時期で、例えばeBookとかeカタログなどがありました。今も残っているのは「eメール」と「eコマース」くらいでしょうか?でも、今は「メール」「コマース」という言い方に。もはや「デジタルがメインで当たり前」という時代になってきていますよね。

      当時はカタログをウェブサイトにする、ダイレクトメールをeメールにする、あるいはネット専売商品を開発させていただくといったお仕事をやっていました。今思うと、物理的な面で、顧客体験がデジタル化していった時期でした。

      当時、企業とお客さまとの関係性に一番の変化を与えたのは「CRM(顧客関係管理)」という考え方ではないでしょうか。それまで日本のマーケティングにおいては、何度もたくさん買ってくださるお客さまに対しても、初めて来店されたお客さまに対しても、サービスを明確に分けるという概念はなかった気がします。「CRM」という概念によって、初めて、お客さまを区分していこうという動きになりました。

      また、2000年代後半は「ライフタイムバリュー(LTV)」という考え方も一般化していき、各社ともCRMに取り組み始めた時期でした。

      こうして、マーケティング手法がカスタマイズ化、パーソナライズ化されていったのですが、当時はたとえばメールの出し分けといったパーソナライズの作業を、マーケターみなさんが手作業でやられていました。CSVを抜き出してデータをコンバートして……この作業が事故に繋がりやすいもので、大変冷や汗をかく毎日だったと記憶しています。

      2014年「コミュニケーションの1to1化」へ

      中津:そのような中、2014年にMarketo社が単独で日本に上陸します。これは、コミュニケーションの「1to1」化を支援するマーケティングオートメーションのソリューションでした。今、Marketo社はAdobeの強力なソリューションの一員になっていますが、この時は電通イーマーケティングワンとしてJV(ジョイントベンチャー)に参画させていただき、一緒に日本法人を設立しました。

      マーケティングのプロセスを自動化することで大幅にマーケターの手間が省け、複雑化するコンタクトポイントを一元管理することでシームレスな顧客体験を提供。クロスセルやアップセルにより企業のトップラインの上昇に大きく寄与するMarketo社のソリューションによって、「これこそがマーケティングDXだな」という世界を体験・体感できました。ここが本格的なマーケティングDX時代の幕開けであったのではないでしょうか。

      2016年 PDM0.0~1.0時代。Ad×CRMへの(早すぎた)チャレンジ

      中津:2016年7月に電通デジタルが設立されました。発足の背景のひとつには、断絶していた2つのマーケティングプロセス、主に広告によって見込顧客が新規顧客化されるまでのプロセスと、その後の顧客育成プロセスいわゆるCRM業務を「繋げていくべきでは」と考え、デュアルファネルでの一気通貫したマーケティングを目指したことにあります。

      こちらは電通デジタルの最新ソリューションのひとつ、X-Stackです。ADだけ/CRMだけでなく、領域横断でデータを統合する基盤を構築、機械学習で予測モデルを策定し、AD&CRM施策実行までワンストップで提供しています。

      2016年当時、この実現に必要なテクノロジーがなかっただけでなく、私たち自身が合併したばかりで組織側も分断されているという課題を持っていました。2年半の歳月を経て、今ではこのサービスはいろいろなクライアント企業で導入され、一般化しています。

      データとテクノロジーを味方に2017年 PDM1.0 登場

      今回のセミナーはPDM4.0ということで4年目、4回目ですが、私たちが最初にPeopleDriveMarketingを提唱したのは2017年でした。マーケティング課題を人(People)基点でとらえなおし、本当に必要な人に、必要な場所で、必要なタイミングに情報を提供することをゴールとして、戦略を立案し、施策を実施・運用していきます。
      ここからさらに、データとテクノロジーを駆使して、ビジネスをデザインし、実行していく動きが加速していきました。

      現在提供しているフルサービス 私たち自身のトランスフォーメーション

      そしていま、電通デジタルは、デュアルファネルを統合的にプランニングして実施していくという横軸と、マーケティング施策の企画実行・設計開発、また変革コンサルティングという縦軸。そして、この両軸でフルに面をカバーするサービスラインナップをメニュー化しています。

      電通グループ自体の変化と改革

      中津:今までは私個人の視点で、この領域の進化を話してきましたが、電通グループ自体も同じく進化してきました。こちらのスライドは、代表的なサービスメニューです。

      電通グループ各社のサービスメニューの拡大

      こちらは、電通グループの代表的な業務変革支援のメニューです。マーケティングコミュニケーションに至るには、マーケティング戦略全体の策定が必要になりますし、そのためには企業や事業の在り方そのものを検討していく必要もあります。昨今では、パーパスが重要視されていますが、こうした企業のあるべき姿、ビジョンの策定やパーパス設計も、私たちは数多く手がけてきました。

      また、企業とお客さまのエンゲージメントという観点では、カスタマーサクセスと言われる、購入後の体験も重要視されています。このフェーズでも、コンタクトセンターの設計・開発、VOCすなわちお客さまの声を分析して、パーパスやマーケティング戦略の策定に反映していくような取り組みも、私たちのサービスメニューです。この企業活動全体を支える業務基盤・ITインフラの整備は、45年にわたる歴史をもつISIDが担っています。マーケティングDXに必要な、個々の機能・サービスを、グループ各社が磨いてきたのです。

      2020年 (株)電通グループの誕生 フォーメーション強化

      これらの機能をひとつのチームとして構成し、きちんとクライアントへお届けしていきたいという意図を込めて、私たちは㈱電通グループというチーミングカンパニーを誕生させ、
      フォーメーションを変化させています。

      私たちがこのチーミングで実現したいのは、「Integrated Growth Solutions」です。売上の向上・企業成長という面で、ぜひ貢献したいという気持ちがあります。これまで国内外のグループ各社個々に磨いてきたソリューションを統合し、1つのソリューションとしてお届けしていく、まさにいま求められていることを実現していきたいと考えています。

      業務の断絶を乗り越えるために大切にしている3つの強みとは?

      中津:こうした業務やサービスの断絶を乗り越えるための機能強化として、3つのことを大切にしています。それが「データ」「テクノロジー」、そして「クリエーティビティ」です。

      業務の断絶を解消するためには、データを収集・統合し、不足するデータを付け足しながら、お客さまの解像度を上げていくこと。そして、たゆまない施策改善が、重要だと考えています。マーケティングデータのみならず、さまざまなデータを統合し、使える形に加工していく技術に関して、電通グループは磨きをかけています。

      強み① データ

      データ

      また、私たちは独自の「People Driven DMP®」というもの持っています。企業単独では補えないようなデータを量と質で補いたいと、独自のデータベースを構築しました。

      また、今求められている、Always onでPDCAを回すことにも対応する必要があります。そこで、私たちは「電通クロスブレイン(DXB)」という会社を誕生させました。

      強み① データ AlwaysOnへの対応 / 電通クロスブレインの誕生

      ブレインパッドと電通グループとで作らせていただいたJVで、Always on型のマーケティングの実施に向けて、クライアントの事業部門に常駐し、チームの一員として一緒に活動させていただきたいと考えています。

      テクノロジー

      マーケティングDX基盤を支える各種テクノロジーに精通するグループ企業群が電通グループの中にはあります。主にはISID、電通デジタル、そして電通isobarの3社です。

      強み② テクノロジー

      マーケティングDX基盤を支えるテクノロジーとしてみなさまが主に検討されるのは、Salesforce、Adobe、Googleだと思います、Salesforceに関してはISIDと電通デジタルがゴールドパートナーとして活動しています。活動の実績にはお墨付きをいただいており、今年のパートナーサミットにおいて、電通デジタルがマーケティングクラウドパートナー・オブ・ザ・イヤーを受賞することができました。

      またAdobeに関しては、グローバル含む電通グループ全体として、グローバルアライアンスソリューションパートナーになっており、導入サービス提供社としてForrester社から「リーダー」の評価をいただきました。Googleのマーケティングプラットフォームに関しても、電通デジタルがセールスパートナーとなっています。

      また、DMP/CDP、CMS、コマース、アナリティクス、AI、BIについても様々なメニューを持っています。マーケティングDX基盤に関しては、どのようなご相談にもお答えできる体制を整えています。

      クリエーティビティ

      データやテクノロジーというと、一見無味乾燥と感じるかもしれません。しかし、これをどう使うか、何を新しい価値として生み出すか、というところにおいて、電通グループの「クリエーティビティ」というDNAを発揮しています。

      ひとつの例ですが、昨年、商社の双日さまと電通、そしてISIDの3社でマグロの品質をAIが目利きするというスマホアプリを開発しました。マグロの尻尾の断面を画像処理すると、そのマグロの品質がわかるというテクノロジーで、「ツナスコープ」と呼んでいます。画像解析の仕組みを使って、マグロの品質を解析しようという発想です。

      このように、テクノロジーやデータをユニークな顧客体験に変えていく力を、私たちの中では大事にしています。

      これから実現したいのは「人に寄り添うマーケティングDX」

      中津:この4年間、PDMの活動をしてきた私たちとしては、マーケティングDXにおいても「人」にフォーカスをして進めていきます。その点では、お客さまだけではなく、企業で働く社員の方々みなさまの体験の変革も必要ではないかと考えています。

      電通デジタルによる顧客対応の在宅化ソリューション

      こちらは、電通デジタルがこの5月にリリースした「顧客対応の在宅化ソリューション」です。コロナ禍で在宅勤務となり、オフラインの拠点には行けない、しかしお客さまへの対応は止められない、というなかで、在宅環境でセキュアに顧客対応ができないかと考えたソリューションです。不便を補うために考えたわけですが、いざ蓋を開けてみると、意外にも「お客さまとの結びつきが以前よりも強くなった」という声が聞かれるようになりました。このソリューションを使うことで、今までは店舗で「指名」することが難しかった担当者と直接いつでもコンタクトできるといった、新たなメリットが生まれています。

      働くみなさまの体験を変えると、おのずからお客さまの体験も変わっていくことがわかりました。働き方の変革にフォーカスをすることで、顧客体験を変えていくことも積極的にやっていきたいと考えています。

      そして、今はパーソナライズやカスタマイズのスピードがどんどん上がっています。マーケティング業務に閉じず、企業とお客さまの体験全体がリアルタイムでパーソナライズされていくという世界が求められているのです。企業のすべての業務がひとつのリアルタイムデータに連動して反応していく世界が、現在、技術的には可能なところまできています。

      お客様に寄り添う究極のパーソナライズ リアルタイムマーケティング

      こちらは、Microsoft社の提唱するデジタルフィードバックループです。お客さまのデータを、マーケティング部門だけではなく製造部門やバックオフィスも見て、いま何が一番大事なのかを考え、リアルタイムに反応していく企業活動の新たな姿です。こうした姿を実現していきます。

      最後に、マーケティングの普遍的な力は、人の気持ちを動かしていくことだと思います。それが新しい顧客体験に繋がっていく。今後も企業とお客さまとのエンゲージメントを変革し、継続的にご支援させていただくことによって、クライアント企業みなさまの成長に貢献していきたいと考えています。

      Webinar Report

      デジタル起点の見込み顧客獲得戦略とは? 生命保険の営業マーケティング変革の事例から学ぶ

      デジタル起点の見込み顧客獲得戦略とは? 生命保険の営業マーケティング変革の事例から学ぶ

      見込み顧客に対する「デジタルでの接点」と「リアルでの接点」の両輪でPDCAを回し、マーケティング活動と営業現場とを一つの線でつなぐにはどうしたら良いのでしょうか。「ファン、Jリーグ、パートナー」の三方よしを実現しながら新たなデータ活用のかたちを生み出し、デジタル施策による営業活動の高度化を叶えた明治安田生命の事例を紹介します。

      Google×PDM®で広がる「データテクノロジー×クリエーティビティ」の可能性

      Google×PDM®で広がる「データテクノロジー×クリエーティビティ」の可能性

      Googleが所有しているデジタルトランスフォーメーション技術と、そこに電通のPDM®を掛け合わせることによって起こるシナジーについて解説します。データテクノロジーとクリエーティブの関係はどうあるべきか、実際に取り組むためには何から始めたらいいのか、米国の事例なども合わせて紹介します。

      Always onマーケティングの課題と解決~日本とアメリカのデータ活用最前線

      Always onマーケティングの課題と解決~日本とアメリカのデータ活用最前線

      マーケティング分野におけるデータ活用は、複雑化の一途をたどっています。AIや機械学習などの技術がコモディティ化し高度なデータ分析・データ活用が可能になる一方で、担当者に求められる職能も変化しています。データドリブンマーケティングの視点から日米の企業の現状をひもとき、次の一手を打つために必要な人材、職能について解説します。

      DXに必要な4つの視点を提言!個人が主役の時代を見据えた「クリエーティビティが拓くブランドの未来」とは

      DXに必要な4つの視点を提言!個人が主役の時代を見据えた「クリエーティビティが拓くブランドの未来」とは

      デジタルの進化により人々の価値観が変容している昨今において、企業やブランドはDXのビジョンをどう描けばいいのでしょうか?通デジタルのエグゼクティブクリエーティブディレクター佐久間崇(さくま・たかし)が、その本質や原理原則をもとに「クリエーティビティが拓くブランドの未来」について紐解きます。

      モノコトからイミの時代へ。消費者とともに育てるD2C時代のブランド再構築支援

      モノコトからイミの時代へ。消費者とともに育てるD2C時代のブランド再構築支援

      「モノ消費」から「コト消費」、そして「イミ消費」の時代へと、これまでとは異なる価値観に基づいた消費スタイルが台頭し、あらゆるマーケットに大きな影響を与えています。そうした中でブランドはどのように変化すればいいのでしょうか。“具体的な一人”に買ってもらう方法から逆算したマーケティング手法について、D2C/DNVBの事例と共に解説します。

      ソーシャルリスニングと広告配信が抱える課題を乗り越え、「ソーシャルデータからブランドの顧客体験へ」

      ソーシャルリスニングと広告配信が抱える課題を乗り越え、ソーシャルデータからブランドの顧客体験へ

      生活者のさまざまな声が集まるソーシャルメディアやSNS。そこに蓄積されるソーシャルデータの活用は企業のマーケティングに不可欠なものになっています。今後さらに重要性を増すソーシャルメディアマーケティングの本質とともに、ソーシャルリスニングと広告配信の課題克服方法について解説します。

      REPORT TAG

      ECモール出店の注意点と必要支援ソリューション
      無料

      mail magazine

      最新ソリューションネタを
      メールでお届けします!

      ALL TAG