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      Google×PDM®で広がる「データテクノロジー×クリエーティビティ」の可能性

      このセッションでは、Googleが所有しているデジタルトランスフォーメーション技術と、そこに電通のPDM®を掛け合わせることによって起こるシナジーについて解説します。データテクノロジーを自社に導入するには、担当者は何から取り組めば良いのでしょうか?
      以下に、Do!Solutions編集部がセッションの内容をまとめます。

      「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」概要はこちら

      テクノロジーの進化で広告の自由度が高まっている

      谷澤:今回は「Google×PDMで広がるデータテクノロジー×クリエーティビティの可能性」と題して、顧客視点でデータテクノロジーとクリエーティブの関係はどうあるべきか、実際に取り組むために何から始めたらいいのかをみなさまと共有できればと思います。

      登壇者は、グーグル合同会社 Data Strategy Leadの姜哲浩氏、電通デジタル Data Management Consultantの福島ゆかり、そして私、電通プランニングディレクターの谷澤正文です。

      アジェンダは、大きく3つ。「Googleのデータテクノロジー×クリエーティビティ」「データ基盤の開発実装にあたって」「データテクノロジー×クリエーティビティの未来」です。まずは、Googleの「データテクノロジー×クリエーティビティ」について、姜哲浩さんよりお話しいただきます。

      姜: Googleが提供するさまざまなサービスの中で欲しい情報をキーワード検索すると、実に多くの情報が飛んできます。さらに発展させ、声で「OK、Google」と対応デバイスに向かって話せば、キーワード検索同様の結果が得られます。最近は画像データによる機械学習が進化することによって、画像認識の技術も進みました。今日は、「データテクノロジー×クリエーティビティ」にまつわるテーマとして、いくつか米国の事例をご紹介したいと思います。

      まずは、ニューバランスの新しいタイプの広告です。これまでは、サイトの中で特定のキーワードを入力すると、テキストをベースにした情報や画像が表示されるだけでした。しかし、これはAR機能を使って3Dモデルを表示することで、商品に対してより詳しく理解を深めることができます。さらに、自分の家で商品がどういう風に見えるかを想像しやすいテクノロジーになっています。

      次はYouTubeの新しいタイプの広告です。一番の人気がある広告コンテンツは、コスメなどのビューティー系で、例えばリップスティックの広告では、画像の下の方に「TRY IT ON(試してみる)」というボタンが出ています。

      それをクリックすると、実際に自分の顔が表示され、リップの色がリアルタイムで変わります。これは顔認識技術を使い、その人がまるでスティックを今塗っているような表現方法ができます。次は「Google Lens」を使った方法です。

      例えばここに本があって、その上にGoogle Lensをかざすとします。すると、そのコンテンツが表したいさまざまな世界観を、動きのある表現で見ることができます。単純に見せるだけではなく、オンラインとオフラインが合体された新しいコンテンツによって、エンゲージメントが高まっていき、行動も促していけるクリエーティブになっています。

      このように、テクノロジーが進化することによって、バナーや動画、テキストだけの広告から、3DモデリングやVR、ジャイロセンサーを使ったものなど、広告の自由度がどんどん高まっていくと思っています。

       

      バタフライサーキットで購買に繋げる3つのポイント

      姜:しかし、どんな広告を出したとしても、やっぱり人はその企業が思っているようには動きません。人がどういう風に新しいブランドに対してエンゲージメントし、深い理解をした上で最終的に購買に至るかを表している一つの事例があります。私たちが「バタフライサーキット」と呼んでいるものです。

      「バタフライ=蝶」の飛び方に見立てた、行動パターンの円(無限大=∞のような円)がありますよね。そのブランドに興味を持つ段階があり、どこかのタイミングでとなりの円に移り、購買に繋がる瞬間があります。「その蝶がここに来るだろう」というタイミングをしっかり待ち、必要な時に広告を出してコミュニケーションをとるのが、ひとつの大事なポイントです。

      バタフライサーキットを利用し、しっかり購買に繋げるために3つのポイントを紹介します。

      コミュニケーションプランニングのポイント

      ひとつ目が、「網を張る」ことです。ずっとユーザーを追いかけ続けるよりも、バタフライサーキットの円全体に網を張っておいて、必要なタイミングでしっかり捕まえる。2つ目は、しっかりブランドに対する理解を深めていくために、クリエーティブの力を使いながらその人の動機を誘導し、深めていくこと。3つ目は、最終的に購買に至らなければ、マーケティングのすべてのアクティビティが無駄になりますので、購買を後押しするようなセレンディピティが必要です。以上の3つが、これからのコミュニケーション戦略でとても大事なポイントとなります。

      そして、その実現に向けての行動として必要なのが、データの蓄積で人の行動を予測すること。リアルタイムでのデータを繋げ、AIを活用して自動化。そのためのクラウドの活用と、3項目の活用がこれからのマーケティングの中で、大きな武器になると思っています。

      AIとクラウドで顧客の心を掴んだ実例

      姜:非常に好きな事例として、ニトリさんの事例をご紹介します。ニトリさんはとてもたくさんの商品を扱っていますよね。クリエーティブを作るときに、どういった要素を組み合わせたらユーザーに購買を促せるかを、試行錯誤されていると思います。

      例えば時間、場所、天気など、さまざまな要素がある中で、どういった要素がパフォーマンス向上に繋がるかという情報まで機械学習に入れます。検査フローという機械学習のロジックを使うことで、「こういう要素とこういうクリエーティブの組み合わせがベストなパフォーマンスを出す」ということがわかりました。そして、そのデータをGoogleのテクノロジーに入れていくことによって、条件ごとのクリエーティブをリアルタイムで構成し、配信できるようになったのですね。その結果、2倍以上のCTRが実現できました。

      このように、ファーストパーティのデータとクラウドの機械学習、そしてクリエーティブのテクノロジーをどんどん組み合わせていくことで、こういった新しいコミュニケーションができるのです。

      また化粧品会社の事例では、レコメンAIというクラウドの機械学習モジュールを使っています。今まさに売れている商品だけではなく、これから売れそうな商品をレコメンドエンジンによって予測。その結果をGoogleのテクノロジーに入れて配信することで、およそ30%の新規獲得に貢献をしました。

      まとめますと、機械学習とファーストパーティなどのデータ、オートメーションというクラウドのテクノロジーを組み合わせて、自動化することが大事だということです。顧客の心を掴みながら購買に至るコミュニケーション設計が、テクノロジーの組み合わせによって実現できると思っています。

      マーケティング担当がデータビジネスで最初に行うべきこと

      谷澤:ここからは、アジェンダの2つ目「データ基盤の開発実装にあたって」について、福島さんからお話しいただきます。

      福島:データ基盤とひと口に申していますが、「なにを」「どうやって」「どう使う」の3ステップがあります。この一連の流れのエコシステムを、概ねデータ基盤と呼んでいます。また、「Google Cloud プラットフォーム」という製品の中にデータを集めることができますが、こうしたファーストパーティデータと外のデータを掛け合わせるようなデータ基盤のことを「カスタマーデータプラットフォーム(CDP)」と言います。

      このデータの箱は、あくまでデータの統合や人間にはできない高度な計算、機械学習をする場所で、その先のアクションはマーケティング担当者が行うものです。アクションする時は別のツールと掛け合わせるため、フェーズの中間地点という位置付けでご理解いただければと思います。

      Google Cloud Platform(GCP)に統合データ基盤構築イメージ 

      次にデータ基盤の進め方ですが、広告出稿のフェーズが少し変わってきていて、開発の現場に近いスケジュール管理やプロジェクト進行が求められるようになってきました。しかし、やはりエンジニアリングのところは、かなりの知見や知識が必要です。お客さまの要望をエンジニアにお伝えして、その部分はできるだけ口を出さずにプロに任せます。

      開発プロジェクトの進め方の違いとマーケティング担当者の関わり方最後は、プロジェクトを進める時によく言われる単語である「人」「モノ」「技術」「カネ」です。特に「人」。通常のデジタルマーケター以外に、特殊なエンジニアが必要です。機械学習に精通したエンジニアといったプレイヤーが必要とされますので、マーケット担当者は、いろいろな方に声掛けをする準備をしてください。

      データの集合から分析・活用までの6つのフェーズ

      福島:プロジェクトを進行していくにあたって、いくつかのフェーズがあります。分解すると「収集」「統合」、その統合されたデータの「分析」「活用」です。ここには6つのポイントがあります。1点目は、一番大切な部分です。

      データ収集の目的:投資対効果(ROI)を高める為プラン設計

      データ基盤を作るかどうかを検討する際に、何を使うかを決めてから作るパターンと、全データを一旦統合して、あとから目的を決めるパターンがあります。どちらのパターンもプロジェクトとしては完遂できますが、お客さまの中でも、自社のデータがどうなっているかを知らないことが、よくあります。そのため、サイロ化(データが分散していて活用できないこと)されたデータを統合してから検討するパターンもあります。目的が決まっていないから走り出せない、というのではなく、まずは全データを統合しておくのです。

      2点目は、そのたまったデータで「何をするか」です。ここでは、みなさんのアイデアが重要となります。実現可否に関わらず、まずはKPIを整理して、「何を一番上げたいか」や「何を一番売っていきたいか」などを伝えてもらえると、エンジニアは非常に助かります。マーケット担当者は、まず自社で何をしたいかを整理してください。以上の2点が、収集フェーズのポイントとなります。

      次は3点目。やることが決まったら、自分たちの持っているデータがそもそも統合できるかどうかを確認する必要があります。ここで重要なのが、お客さまのファーストパーティデータの中で固有のIDを持っているかどうかです。

      最近では、ユーザーに会員カードを使ったり会員サイトで会員登録してもらったりするので、多くの場合はユーザーを紐付けるIDがあります。そのIDに他のデータを集合させるように設計支援しますので、しっかりお伝えいただければと思います。

      データ統合の為のマッチングキーの有無確認ただ、IDを持っていないお客さまもいます。そういった場合は、Googleアナリティクスなどユーザーごとに解析ツールが、CookieなどにIDを持たせていたりします。アプリであれば、IDFA (Identifier for Advertisers)やADID(Advertising ID)などのユニークIDを持っていたりしますが、統合させるにはマッチングIDが必要です。

      4点目。IDが統合できると、データの分析先が決まってきますから、目的の分析がその統合基盤で可能か、人間の手による集計だけでは精度が心配だと機械学習をかけるべきか、そういったことを決めるフェーズとなります。

      データ分析の方針と設計を検討するお客さまの中には分析が好きな企業さんもいらっしゃいますし、自分たちの経験や勘の方が売り上げに寄与する場合もあるので、人力でも十分に分析できるケースもあります。その場合は、作ったデータ基盤の中で分析できるか、われわれのティーチングが必要かご相談をいただいて、次のフェーズに進むパターンもあります。

      ルーチンの分析作業では、「人間が出せるCVRの最大値やROIの最大値がこれ以上、上がらなそうだ」「どんなターゲットを作ったらさらに精度が上がるのか」と、「上げ止まり」のタイミングがきます。そうしたときに、Google Cloud プラットフォームの中にある機械学習の仕組み「Cloud Auto ML」で、ターゲットセグメントなどが作れます。

      一対一でコミュニケーションをしたいものに対して、より無駄なくお客さまにアクションできるデータを作れるツールです。この先の施策に使うときに精度の高いIDでアクションできるようになるので、お客さまとのコミュニケーションを深めていけるような環境が作れます。

      最近は、このコミュニケーション用のターゲットセグメントが「ファーストパーティデータ×サードパーティデータ」の優位性を持たせるための元データで作られるので、お客さまのデータビジネスのためになる重要なフェーズです。ターゲットセグメントまで作れたら、5点目にいきます。そのセグメントを使ってアクションをしてもらうツール選定です。

      データ活用へ向けた準備

      そして、6点目の活用フェーズへ。データは1回作って終わりではなく、どんどんリッチにさせていくべきですから、構築済みのデータである程度PDCAを回したら、さらにどんなデータを追加したらいいかを検討していきます。

      以上の6点がプロジェクト進行上のポイントになりますので、ぜひこれを念頭に基盤データ活用を楽しんでいただければと思います。

      販売の70%は広告にかかっている

      谷澤:福島さんのお話で、データ基盤の活用イメージが湧いたのではないかと思います。最後に、姜さんから「データテクノロジー×クリエーティビティの未来」についてお話しいただきます。「クリエーティブが70%」というキーワードをお聞きしていますが、どういったことでしょうか?

      姜:Googleは、広告主としていろいろな媒体に認知させるためのキャンペーンをやっていますが、調査によってキャンペーンの成果のおよそ70%がクリエーティブにかかっていることがわかりました。要するに、クリエーティブの使い方が成果の是非を決めるのです。

      去年、アメリカのGoogle本社で3ヶ月ほどエバンジェリストとして仕事をしていて、多くのアメリカの事例を見てきました。すると、プランニングの最初の段階から、クリエーティブの専門家が入っているのですね。例えばメディアのプロ、クリエーティブのプロ、データサイエンティスト、そしてアナリストといった人たちが、みんな同じテーブルに集まっていたのです。そして、このキャンペーンに何が一番必要かを考え、実現するために動いています。それぞれのスペシャリストが集まるところから、ストーリーが始まっていくわけです。こうした動きが、日本の市場の中でも定着していければおもしろいと思います。

      谷澤:私自身、いろいろなクライアントとマーケティング活動をしていく中で、ひとつのテーブルにさまざまスペシャリストが集まって、リアルタイムに分析をして意思決定をして……という動きは大切だと感じています。チームの作り方やクライアントとの意思決定のスピードをどう上げていくかといったところは、これから大きく変わっていくと思います。

      そして競争優位を作っていく中で、ファーストパーティデータを入手して、どうクリエーティブを作っていくか。サイトのデザインやメールといった表に見える部分はもちろんですが、その裏にある見えない部分がとっても大切で、それをやっているかどうかで成果が変わってくるものだと思います。

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