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      【売上に直結】知っておきたいAmazon広告のキホンと効率化のための運用管理ツール[前編]

      Amazonに出稿できるAmazon広告は、売上に直結するため多くの企業が取り組むようになっています。しかし、他のオンライン広告と異なり、Amazon広告ならではの運用のコツがあり、ROAS(Return On Advertising Spend、広告費用対効果)だけを追っていると成果を最大化できないことがあります。
      この記事では、Amazon広告の基本からKPI、運用の注意点について、Amazon広告に詳しいアイプロスペクト・ジャパン 株式会社 橋本 俊紀、iProspectネイト・シュリラに聞きました。

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      Amazon広告とは?押さえておきたい基礎知識

      他のオンライン広告と比較して、Amazon広告の強み、弱みはどこにありますか?

      橋本:売上に直結するAmazonという媒体に広告を出せることが強みです。GoogleやYahoo!の広告でもタグやパラメーターを設定すれば広告から購入までを紐付けることができますが、Amazonならダイレクトに商品ごとに広告が売上に与えた効果が測れます

      弱みは、日本でローンチしてから10年も経っていない新しい広告なので、とくに日本では情報が少ないことです。またAmazonの広告運用管理画面が他の媒体と比較すると洗練されていないため、サードパーティの運用管理ツールを使わないと効率的に活用することが難しいことです。

      ネイト:Amazon自身も自社プロダクトの販売を行っているので、時にAmazon自身が競合になることがあります。この点は、他のオンライン広告媒体との違いで弱みと言えるかもしれません。もっともオフラインでみれば、スーパーがプライベートブランドで商品を販売しているので、オフラインと同様のことがオンラインでも発生していると考えるとわかりやすいですね。

      Amazonの主な広告メニューと特徴について教えてください

      橋本:主要な広告メニューは3つあります。1つ目がスポンサープロダクト広告で検索結果や商品ページなどに表示される広告です。もっとも売上に直結する広告です。

      2つ目はスポンサーブランド広告。これは、検索結果で1社しか表示されない広告で、ブランドロゴ、見出し、複数の商品画像がまとめて表示できるリッチなメニューです。売上に直結しますし、認知にも効果があります。

      3つ目はスポンサーディスプレイ広告です。購買データからユーザーをターゲティングして、Amazon内でバナーを配信します。購買よりも認知獲得に効果のあるメニューです。

      Amazonの広告メニュー3つの広告メニュー

      Amazonの広告アカウントタイプは2つ。ベンダーセントラルとセラーセントラル

      Amazon広告に出稿している企業はどんな企業が多いですか?

      橋本:Amazonで商品を販売しているメーカーの多くが出稿しています。とくに、消耗品、家電などは顕著です。

      ネイト:Amazonの検索表示順位は、商品が売れたり商品ページが閲覧されたりするほど上がっていきます。広告を使って購買や閲覧数を増やすことが順位に影響するため、多くの企業が活用しています。

      Amazon広告の登録アカウントには、ベンダーセントラル、セラーセントラルがありますが、どのような違いがありますか?

      橋本:販売元がAmazonなのかどうかの違いです。Amazonの倉庫、配送システムを使って販売するのがベンダーセントラルです。この場合Amazonプライム会員には即日配送されますし、ベンダーとしても配送をAmazonに任せられ、ユーザーからの信頼性も高いというメリットがあります。デメリットは、販売価格をAmazonが決めるので、ベンダー側でコントロールできないことです。大手のベンダーは、Amazonから広告出稿を案内され、ベンダーセントラルでの広告アカウント登録ができます。

      一方でセラーセントラルは、基本的に倉庫、配送を自社で運用します。その分、価格を自由に決められるというメリットがあります。倉庫、配送をAmazonにお願いすることもできますが、その場合は費用がかかるので利益率が下がってしまいます。セラーセントラルは、誰でも広告のアカウント登録ができます。

      Amazon広告運用では、ROASに加えて利益率、在庫数も要チェック

      Amazon広告を運用する時、どういった指標に着目するべきでしょうか

      橋本:どの広告メニューでも、売上とROAS(Return On Advertising Spend、広告費用対効果)は必ず確認してください。加えて、広告メニュー、ターゲティングするキーワードや製品によって見る指標や目標を変えて最適化するとよいでしょう。

      たとえば、キーワードであれば、競合のワードなのか、自社ブランドのワードなのかで、検索した人の動機が異なります。競合ブランドを買おうとしている人と、自社ブランドを買おうとしている人を同じROASで比較してはいけません。

      競合キーワードを設定した場合は、CTR(Click Through Rate、クリック率)やインプレッションシェア率(検索に表示されたうち、どのくらいシェアをとれたか)を合わせて見るなど、広告キャンペーンごとにKPIを設定するのがおすすめです。

      ネイト:ただし、Amazonの場合はROASが高ければよいというわけでもありません。ベンダーセントラルの場合、販売価格は外部サイトでの販売価格などに合わせて自動的に調整されます。Amazonでの自社製品の販売価格をモニタリングして、利益率を見ながら広告配信を最適化する必要があります。外部サイトのセール価格にあわせて値段が下がって利益率が低くなっている時は、広告予算を抑えるといった対応が必要です。

      次の表をご覧ください。

      商品ごとのROAS・利益率・在庫

      Product1−4はROASが高いのですが、Product 3と4は利益率が低く、在庫が少なくなっています。これらの商品は、広告を打たなくても売り切れる可能性がありますし、利益率が低いので広告費をかけてまで売る必要はありません。

      一方で、Product 10、11のROASは低いですが、利益率が高くなっていますね。これは売るほど利益が出るということです。また在庫も多いので、タイミングを逃すと売れなくなるかもしれません。ですから、10、11は広告を強化すべき商品だと判断できます。

      ROASはもちろん重要ですが、Amazon広告では商品ごとの利益率、在庫数を確認しながら予算配分していくことで効果を最大化できます。

      売上が上がっているのに、実は売上全体の自社シェアが下がっていることも

      Amazon広告では、配信の結果だけでなく、変動する在庫や利益率にも注意する必要があるのですね

      ネイト:もう一つ、商品カテゴリ全体の売上の中での自社のシェアにも注意する必要があります。アメリカでゴミ袋を販売するA社は自社のAmazonでの売上が10%成長したので満足していました。しかし、ゴミ袋カテゴリ全体では30%の売上成長をしていて、以下の図に示したゴミ袋カテゴリの各社のシェアに着目すると、A社のシェアは36%から21%に減少し、他の企業のシェアがその分増加していることがわかりました。

      アメリカにおけるゴミ袋の売上シェアの推移A社のシェアは36%から21%に減少していた

      Amazonでは特別なプランを契約していれば、月に1回カテゴリ全体に対する売上シェアが提供されます。しかし、月1回ではそのデータからリアルタイムで広告の最適化をすることはできません。一方サードパーティのツールでは、売上シェアを逐次確認できるものがあります。

      検索結果の表示順位に注意!

      Amazonの検索結果での表示順位に関して、気をつけるべきことはありますか?

      橋本:さきほどの話にもありましたが、在庫状況は気をつけないといけません。Amazonの表示順位では、販売価格、クリック率、売上に加えて利益率、在庫なども含めて判定されます。自社ブランドの製品であっても、他の出品者が同じ商品を販売していたら、表示順位で負けてしまうことがあるのです。とくに在庫は数がなくなれば、広告予算を用意していても、広告が配信されなくなってしまうので、機会損失になります。

      ネイト:同じ商品をAmazon以外の店も販売している場合、基本的にはAmazonが優先的に表示されますが、価格、商品ページの充実度、店舗のレビュー、発送などをトータルに評価した結果、Amazon以外の店が上位に表示される可能性もあります。競合の状況にも気を配る必要があります。

      もう一つ気をつけないといけない点として、Amazonでの販売がない場合、転売で非公式の販売者が販売することがあります。その際、商品詳細ページに虚偽の情報がある、配送ミスがある、届いた商品が偽物ということがあれば、ブランドのイメージに影響します。Amazonでベンダーセントラルで販売することは、自社ブランドのイメージを守るためにも重要なのです。

      自社商品のページに競合の広告が!ユーザーを目移りさせないためには?

      Amazon広告ならではの注意点はありますか?

      ネイト:自社ブランドのキーワードで広告を出稿して、ROASが高いので満足しているという方もいるでしょう。しかし、実はそもそも広告を出さなくても売れた可能性もあります。オーガニックでの売上との比率については注意してください。

      橋本:ただし、競合他社が自社ブランド名をキーワード設定できてしまうので、ある程度は自社ブランドのキーワードも押さえておく必要があります。たとえば、自社の商品ページで、競合の製品がおすすめとして広告表示されることがあります。ユーザーは自社の商品を買うつもりで商品ページを見ていますが、類似商品に価格で負けていたり、口コミが少なかったりすると、ブランドスイッチしてしまう可能性があります。ですから、自社商品のページには、自社の別ブランドの商品やセット商品を表示するように広告を出すなど、自社製品でブロックしておくのがおすすめです。

      広告の効果はどれくらいで表れますか? また、広告の設定の見直しの頻度は?

      橋本:Amazonは広告を出稿すれば、すぐに効果が上がります。消耗品であれば、ROASは平均すると400%程度は期待できます。見直しのタイミングとしては、2−3週間くらい同じアカウント構成、キャンペーンで出稿してみて、データを見ながら調整し、翌月リニューアルというようなサイクルが一般的です。

      ネイト:Amazonでは、「Always ON」、つまり競合にとられないようにずっと広告を配信し続ける守りのキャンペーンと、ブラックマンデーやAmazonプライムデーなどのイベント、新商品のリリースなどにあわせた攻めのキャンペーンの2つを考えておくといいですね。

      Amazon広告の運用管理ツールの限界

      Amazon広告の公式の運用管理ツールの使い勝手はどのように評価していますか?

      橋本:冒頭でも述べたように、Amazonの広告運用管理ツールはまだ発展途上で次のような課題があります。

      ・3ヶ月前までのデータしか取得できない
      ・時間帯別の入札調整ができない
      ・日予算設定しかできない(週間、月間で予算設定ができない)
      ・Amazonからのレポートのデータ量が少ない
      ・自動最適化の質が高くない
      ・管理画面がわかりにくい
      ※2020年7月現在

      これらの課題を解決するためのソリューションとして、サードパーティの運用管理ツール「Commerce Intelligence & Optimization(CIO)」があります。後編は、このツールについてお話しします。

      ※当記事は2020年7月15日時点の情報を元に記事を執筆しております。

      Amazon広告の基本とベストプラクティスvol.1

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