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ソーシャルリスニングツールの新しい地平とは 分析方法の事例も紹介

作成者: D-sol|May 23, 2022 1:00:00 AM

生活者やお客さまの声を読み解く「ソーシャルリスニング」。日々の業務の中で、SNSやアンケート等にあふれる生声を、的確に読み解くのは手間がかかって難しい、とお感じではありませんか?

ソーシャルリスニングは新しいステージに入っています。 このブログ記事は、特に次のような方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

すでに外資系ベンダーのソーシャルリスニングツールを使っているものの、日本語の質的な分析精度に難があると感じているマーケターの方
ソーシャル上でのレピュテーションが問題となっており、適切な対策が常に課題となっている企業の広報担当、SNS運用担当の方
お客様の声などの1stパーティ・テキストデータを持ち、手早く精緻に分析したいものの人的リソースが不足している企業の方
データの性質上、外部に分析作業を委託しづらいという部署の方

そのような方に向けて、課題を解決する、新たなソーシャルリスニングの方法・ツールをご紹介していきます。

INDEX

必要だけど、難しい! ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニング分析が直面する課題

SNS時代——

わたしたちは、ソーシャル上で起こったムーブメント(いわゆる『バズ』)が、世の中全体のセンチメント(感情)すら変えていく時代に、もう何年も前から突入しています。

不特定多数の人々に向けて発信される従来型メディアの情報を「自分向きではないので、あまり信じないし、共感しない」と他人事と感じる一方で、SNSで繋がっている人や、フォローする人がSNS上で発信する言葉に重きを置き、かつ自らも発信者となるといった傾向が加速しています。

SNSが人々の生活の中心となった今、いわゆる「炎上」によって、企業のレピュテーションが深刻なダメージを受けるリスクは常に存在します。一方、ソーシャルメディア上にみられる「兆し」をいち早く、的確に捉えることで、新しい施策や商品・サービス開発の示唆を得る機会も一層広がっているとも言えます。

そのような中、ソーシャル上の声を集め分析するための手法「ソーシャルリスニング」が改めて注目され、そのためのツールにも、企業やマーケターの関心が集まっています。すでに自分自身で、もしくは外部企業に相談して、ソーシャルリスニングを一度は試してみたことがあるというマーケターの方も、多いのではないでしょうか。

ただ、多くの場合、そこで行なわれている分析は、投稿量の推移など、いわゆる「量的な分析」の範囲にとどまっているのではないかと思います。

その先の「質的な分析」に関しては、行なわれていないか、行なわれていたとしても、後述するように、利用しているツールの機能の限界により、分析精度に難があるケースが多いのではないでしょうか。

精度を上げようとすると目視で大量の投稿データを見なければならなくなり、多くの人的・時間的リソースと、習熟度が必要になることでツールを使った意味が半減してしまう。ソーシャルリスニングの現場では、こうしたジレンマが生じているようです。

本来、質的分析の領域こそが、ソーシャルリスニングの肝であり、醍醐味であったはずです。ソーシャルリスニングにおいて、今、本当に必要とされているのは、単なる量的分析に留まらない、高精度の質的分析であり、それを可能にする進化した「ツール」なのです

高まる「日本発ソーシャルリスニングツール」へのニーズ

現在、国内で利用されているソーシャルリスニングツールの大半は、海外のベンダーから提供されているもので、メジャーなツールは全て海外発と言ってもいいでしょう。

Twitterの全量投稿データを抽出する——これにいち早く着目してソリューション化することで海外のツールベンダーは成功しました。海外発のツールを使わないと分析対象となる投稿データを抽出できないことから、それらを抜きにしては分析自体が成り立たない状況が生まれたのです。

これらのツールは全て、投稿量の推移などの量的分析に加えて、ポジ・ネガ判定や共起ワードなどの質的分析もできる仕様に「一応」なっていますが、一方で大きな課題が残されています。

それは、日本語テキスト分析の精度です

例えば、目視で確認すれば明らかに「ポジティブ」な内容の投稿が「ネガティブ」に割り振られたり、ワードクラウド(頻出語を頻度に比例する大きさで雲のように図示する方法)で表示される単語が、単語ではなく単語の切れ端(助動詞など)になってしまったりというケースに出会った方は多いのではないでしょうか。

これは仕方がないことで、英語をメインとしながら、世界中のあらゆる言語に対応しなければならない分析エンジンに、日本語という特殊な言語の分析に特化した機能を付与するのは難題なのです。

ツールを使って抽出した投稿データを精確に分析しようとすると、人力すなわち「目視」に頼らざるを得なくなる。そして、膨大な工数がかかり、分析するマーケターの習熟度によって分析結果に大きなバラつきが出てきてしまいます。

そもそも膨大な全量データの全てを目視で分析することなどできるはずもなく、結局のところ、何らかの基準でサンプリングされた一部のデータのみ分析し、無理矢理、代表性を持たせるということにならざるを得ない。

まさに「ソーシャルリスニングあるある」ですね。
そんな「あるある」を解決する、知る人ぞ知るツールが、実はあります。
これからご紹介する、日本語解析AIテキスト解析ツール「mindlook(マインドルック)」です

ソーシャルリスニングの進化と深化 ~「mindlook」とは

ソーシャルリスニングだけにとどまらない、高精度の日本語解析ツールが登場

日立製作所と電通、電通デジタルの3社が共同で開発し、高度な日本語解析エンジンを搭載したメイド・イン・ジャパンの日本語分析ツールがmindlook®です。

mindlook®では、他のソーシャルリスニングツールを使って抽出した全量投稿データを取り込むことで、従来のツールでは考えられないほどの高精度で精緻な深掘り分析を、最小の工数で行うことを可能にしています

上の図は、とあるクエリ(キーワード)に関して、海外ベンダーのツール(左側)とmindlook®(右側)で、それぞれポジ・ネガ分析をした結果です。同じクエリで抽出されたデータを分析しているのに、驚くほど異なる結果になっています。

海外ツールでは、多くの場合、日本語の投稿内容を分析しきれず、ポジにもネガにも割り振れない「ニュートラル」が多くなってしまいます。さらに、ポジ・ネガ・ニュートラルに割り振られた投稿文の内容を見れば、どちらのグラフがより実態に即しているかは、一目瞭然です。

例えば、いわゆるネットスラングとして「推ししか勝たん」という言葉がありますが、これは、自分の「推し(大好きなアイドルとか)」を褒めたたえる表現であり、ポジに割り振られるべきキーワードです。

しかし、mindlook®以外のツールでは、「勝たん(勝てない)」と読み取ることでネガと判定してしまうケースが多いようです。このように、「日本発の日本語解析エンジン」であるmindlook®は、日本語解析の精度において、他より抜きん出ているのです。

mindlook®の自然言語処理の優位性は、例えば以下のようなところで見て取ることができます。

著作・アーティスト名、企業・商品名などの固有のキーワードを判別できる
  例:鬼滅の刃、呪術廻戦、マリトッツォ 等
ネットスラングなどの多様な言語表現に対して、適切な感性情報を付与できる
  例:~しか勝たん、ワロタ 等
表現の揺れが存在するキーワードも同じものとして識別することができる
  例:コロナ/コロナウイルス、午後の紅茶/午後ティー 等
SNSに存在する分析に不要と思われるデータを、あらかじめ除外できる
  例:転売系、TwitterにおけるBOT、アダルト系などを含む投稿文

さらに、mindlook®では、ポジ・ネガ分析において、下図のように、「全投稿件数の推移(折れ線グラフ)」と、「ポジ・ネガ・ニュートラルの割合の推移(棒グラフ)」を一つのグラフで見ることもできます(期間の単位も自由に変えられます)。

これにより、生活者や顧客の感性が、時系列でどのように変化したのかを、ダッシュボード上で簡単に見ることができます。いつ何が原因でその気持ちが生じたのかを、より高い精度で推察していくことができるのです

mindlook®の強み・分析事例

生活者の感性まで踏み込んだセンチメント分析力

mindlook®の最大の特徴・強みは、高度な自然言語処理技術と独自開発の辞書により、81種類もの感性成分、約800個のトピックによって、単なるポジ・ネガ分析を超えた精緻なセンチメント分析が可能な点にあります。

ちょっと複雑そうですね。なので細かい機能説明ではなく、この機能がどんな効果をもたらすかを事例でご紹介しましょう。

上の図は、2019年に開催されたラグビー・ワールドカップにおける「ゲーム観戦時の感情」の推移を、mindlook®で分析したグラフです。

分析対象となった関連投稿データ(全量)について、通常、「ポジティブ」でひとくくりにされてしまうセンチメントを「褒め・賞賛」「感謝」「感動」「祝福」「歓喜」「楽しい」「期待」「吉報」「驚き」という感性成分で細かく割り振って、その割合推移と投稿総量推移を見ています。

その結果、「ポジティブな感性成分」の中で、特に「(選手たちに対する)感謝」の割合が大きく膨らむと、ラグビー・ワールドカップ全体の投稿量も急増する——という傾向を、解き明かすことができました。このように投稿したいという動機となるセンチメントが分かれば、、大会を最大限に盛り上げるためのコミュニケーションの方向性も見えてきますよね

マーケティング・ファネルとのリンケージ:チャンス分析/ボトルネック分析

さらにmindlook®では、分析対象となるデータが、マーケティングのファネル「認知/意向/体験/リピート」のどの段階にあるのかを割り振ることができます。さらに、分析したい業種に合わせて、割り振りを最適化することもできます。

例えば「で知った」「で読んだ」といった言葉は『認知ファネル』、「行きたい」「買いたい」といった言葉は『意向ファネル』——といったように割り振られます。

それをさらに、たとえば「食品」カテゴリーならば、「食べたい(意向)」「食べた(体験)」「美味しかった(体験)」「ハマった(リピート)」というふうに、カテゴリーごとの言葉の意味に基づいてファネルに割り振ることができます。

この機能を使うことで、たとえば下図のようなことが分かります。

これはあるブランドの、「認知ファネル」における感性成分と、「体験ファネル」における感性成分を比較したものですが、「認知」段階ではほとんどなかった「悪い・嫌い」というネガティブな感性成分が、「体験」段階で大きく増加してしまっていることが分かります。つまりこのブランドのマーケティング・ファネル上のボトルネックが「(悪い・嫌いになった)体験」にあることが分かります

これまで、SNSにあふれる「生活者の声」や「お客様の声」のテキストデータをもとに、自社のボトルネックやチャンスポイントがどこにあるか、どんな感情がそこで生じているかを、一目で把握できるツールは存在しませんでした

このように、精緻で、精度の高い日本語感性分析が、マーケティング分析の目的に沿ってカンタンにできてしまうのが、これまでにないmindlook®の優れた特徴です

専門知識がなくても直感的に操作できる、ユーザーインターフェース

お試し頂ければすぐに実感できますが、mindlook®は、極めて直感的なユーザーインターフェースになっており、初めて操作する方や、ソーシャルリスニング初心者であっても、ある一定水準以上の分析アウトプットが、カンタンに作れてしまいます

一方で、高度なリテラシーを備えたソーシャルリスニング上級者の要求レベルにも十二分に応えうるという、汎用性と専門性を両立させたツールとなっています。

ソーシャルリスニングにとどまらない、mindlook®の可能性

ここまでのご説明でお分かりになる通り、mindlook®はソーシャルリスニング分析との相性が非常に良いツールですが、さらにそれに加えた特徴があります。実はTwitterの投稿データ以外にも、CSV化された日本語テキストデータであれば、何でも分析の対象とすることが可能なのです

例えば、ECサイトのレビュー、WEB記事、TVメタデータ。                    社内に蓄えたお客様の声(会話ログ)、アンケート、メール・手紙などの様々なテキストデータを、多様な角度から精緻かつ効率的に深掘り分析することができます。

この機能を活用すれば、社外には出せない、「宝の山」ともいうべき1stパーティ・データを、縦横無尽に分析し知財化したい企業にとって、mindlook®は無くてはならないツールとなるでしょう

mindlook®は、導入後のサポート体制も充実しています。ダッシュボード作成や、ソーシャルリスニング分析、その先の打ち手に繋げるコンサルティングも、豊富な経験・最新の知見を備えた専門プランナーがサポートしています。

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
テキスト分析ツールは、世の中にいろいろありますが、日本語に強く、「感性成分」に着目し、精緻に掘り下げ、かつ直感的で使いやすいインターフェイスにまとめ上げた「mindlook®」は、他に類を見ないツールです。

ソーシャル上のセンチメント(レピュテーション)に対し、細心の注意を払わなければならない企業や、外部企業に頼りきるのではなく、自分たち固有の視点で分析し、知見とノウハウを貯めていきたいと考えている企業のみなさまにおすすめです。

最後に、mindlook®の「推し」ポイントをまとめました。ご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。

「日本発」のツールならではの、高精度な日本語の自然言語処理能力
81種類もの感性成分、約800個のトピックによる、精緻なセンチメント分析
初心者から熟練者まで安心・満足できる、直感的で使いやすいユーザーインターフェース。サポート体制も充実
CSV化された日本語データであれば、何でも分析可能

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