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      今まで通りのリーダーシップはもう通用しない?VUCAの時代に対応するリーダーとは ~ビジネスの行き詰まりを解決する柔軟なリーダー像を考える~

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      ハンブルリーダー養成講座オフィシャルブログ
      第五回:リーダーシップについて

      ハンブルリーダー養成講座オフィシャルブログでは、第一回:「組織のカタチ」、第二回:「組織の心理的安全性」、第三回:「エンゲージメントを高めるチーム」、第四回:「高信頼性組織の文化」について触れ、働く場としてのチームがどのような状態であることが望ましいかについて考察を行ってきた。第五回となる今回はそのチームのあり方に最も影響を与える「リーダーシップ」について考えていきたい。

      VUCAな時代に直面する企業の苦悩

      VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)な時代と言われるようになり、企業には非連続な変化への対応、つまり質的な変容が求められている。
      2020年に世界を襲った新型コロナウイルスの脅威は、VUCAの象徴的な事象として我々を深い苦悩の谷底に落とし込んだ。

      今、ビジネスの環境は、多くの事象が複雑に絡みあい、さらにデジタル化によってその変化は指数関数的になっている。それは5年、10年で数倍という変化ではなく、桁が変わるというこれまでの想像をはるかに超えるものである。
      「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」とも言われ、経済学者の予測的中率は5%にも満たない。
      結果論で成功や失敗の分析は出来ても、それを予測し計画することはほとんど不可能と言っていいだろう。

      混迷からの脱出を果たすチームとは?

      かつて存在した明確なビジネスのゴールが、現在は見失われた。
      これまでは多くの消費者が求めるお手本的商品があり、それに少しでも近付けることを目標に、調査・開発し、生産する方法が確立されていた。

      しかし今では、市場にはそのようなゴールは存在しない。「漠然とした新しい価値」が求められているように思える。かつての「ものつくり時代」に習得した勝利の方程式は通用しなくなってしまったのだ。
      このような時代にどうやってヒット商品やサービスを創り出せばいいのか?既存の商品やサービスを売り続けることが出来るのか?

      これまでの経験則や成功体験が活かせない状態で、どうすれば、その解を見つけることができるのだろうか。
      今、我々は、かつてない不確実な、非連続的変化の局面に立っている。未来を自らデザインすることができる企業だけが生き延びられる時代へと突入した。これからの企業の価値は未来を仕掛けることが出来るか否かで決まるといえよう。そのような価値を創造できるのはどのような「チーム」だろうか。この時代を生き抜くための組織の在り方について長い模索が続いている。

      会社そのものが組織である以上、それを構成する部や課という単位もその相似形となっていることが多い。そのヒエラルキー構造が何層にも重なって会社は出来上がっている。そのことが機能不全を起こしている場合はないだろうか。

      確かに1人で出来る仕事には限界があり、チームで均質な成果を上げることの方が堅実であることもあるだろう。だからと言って旧態然とした組織体制にしがみついていてよいということではない。今このVUCAの時代において、私たちには未来を先んじて考え表現するような答えを生み出すチームが求められているからだ。

      理想的なチームの姿、チーム作りの方法は重要なビジネスファクターだ。
      なぜなら、仕事を動かす単位であるチームが創造的であるか、メンバーのモチベーションは高いか、などはそのチームの雰囲気、コミュニケーションの活発さに大きく影響されることが分かっているからだ。

      そして、チームの姿に最も影響を与えるのはリーダーの言動である。
      ではどういうリーダーがベストなチームを作るのだろうか。

      チームの姿を決める「リーダーシップ」、その理想形は?

      リーダーがチームを引っ張っていくやり方は古くから多くのスタイルが挙げられてきた。いわゆるリーダーシップ論である。

      例えばダニエル・ゴールマンはリーダーシップを以下の6通りに分類している。
      ※出典:ダニエル・ゴールマン「EQリーダーシップ」

      ビジョン型

      チームの方向性を示して引っ張っていくカリスマタイプ。創業期の優れたリーダーに多いが、その後の時期や後進の育成には課題がある。

      コーチ型

      メンバーの悪いところを指摘して修正する。リーダーとメンバーが1対1の関係をつくる必要があるので、多くのメンバーでチームを作る時には限界がある。

      関係重視型

      メンバー個々との人間関係を重視するのでモチベーションは上げやすい。しかし和に拘ることで仕事の結果や生産性に課題が生まれることもある。

      民主主義型

      チームメンバー全員の声を聞き吸い上げることでメンバーの納得性は上がる。しかし多数決が必ずしも正しい選択ではない時や非常事態では機能しない場合もある。

      ペースセッター型

      リーダー自らが手本を示し、メンバーはその背中を見て育っていく。リーダー個人の技量に負うところがあり、リーダーを超えての成長は難しい。

      強制型

      様々な手法でメンバーがやらざるを得ない状況を創り出し引っ張っていくストロングスタイル。付いていけずに落ちこぼれるメンバーが発生する。

      ゴールマンは状況やメンバーによってこれらのアプローチを使い分けることが必要と言っている。またリーダーは「自己認識」「自己抑制」「動機つけ」「共感性」「ソーシャルスキル」のEQ(心の知能指数)をバランスよく発揮することが求められる。しかし実際のビジネスの現場ではそのような対応を実現できることは難しいと感じている人は多いのではないだろうか。

      ここで私はリーダーシップの類型を大きく、A)引っ張っていくタイプ、B)伴走するタイプ、C)フォローするタイプ、の3つに分けて考えてみたい。

      A)引っ張って行くタイプは、引っ張っていきたくてもどちらの方向にチームをリードすれば良いか、そもそものゴールが分からないことが問題である。ただやみくもに「頑張れ!」「ヒット商品を生み出せ!」と言われて出来るものではない。メンバーは「じゃあまずリーダーが方向性を示してくださいよ」というだろう。

      B)伴走するタイプは、「引っ張っていくタイプ」より少しいいかも知れない。しかしリーダーとメンバーの距離感は重要な課題だ。メンバーの多様性、プライバシー、パワハラの問題など、いまこの距離感をどう作るかが職場で最も難しいテーマになっているからだ。そして伴走しながらどこへ向かうのか、その方向は迷走しがちだ。

      C)フォローするタイプはどうだろうか。これはメンバーの力量によるだろう。素晴らしい実力の持ち主がチームに揃っているような「ドリームチーム」ならこれでいいかも知れない。だがどんな組織でも優秀な人材は引っ張りだこだ。欠点のないメンバーに恵まれる幸運なリーダーはめったにいない。現実的にはメンバーをフォローするだけでは解決できない問題があり、大きな目標達成のためにはメンバーの新たな力を引き出すリーダーの創意工夫が求められる。

      ではこのVUCAの時代においてはどのようなリーダーシップが適しているのだろうか?
      勿論単純な正解はない。業界や、企業がおかれている個別の状況、景気や市場の状態、人材の豊富さ、人と人の相性、など組合せ要素は無限にある。それぞれにメリットとデメリットがある。しかし結局はリーダー自身の性格、リーダーが自分のやりやすい方法、やれる方法に任せてしまっているのが実態ではないだろうか。

      「リーダーシップ」の呪縛を超えた新しいリーダー像

      ビジネスに答えが無い、答えを探さなくてはならない、新しい答えを創り出さなくてはならない時に、少なくとも「自分の過去の成功体験」では通用しないことは確かであろう。
      答えが分からないときにリーダーはどう振舞えばいいのだろうか。そしてメンバーが必ずしもみな優秀とは限らない時にはどうすればよいのだろうか。
      そのためにはいま私たちはリーダーシップそのものに対する概念を見直すことから始めなくてはならない。

      VUCAの時代に合ったリーダーシップを考えようとする時に、最大の障壁は私たち自身の中にある。
      それは「リーダーは強くあらねば」という思い込みである。いまだに多くの企業でも社員をリーダーにする時に次のような条件を課すところが多いのではないだろうか。例えば、「統率力」「行動力」「説得力」「責任感」「高耐性」などである。

      そしてこの傾向は経営層だけでなく、当のリーダー自身、リーダー予備軍にも共有されている。更にはメンバーの側にも「リーダーは強く自分たちを引っ張っていってほしい」という願望が覗かれる。
      しかし答えを持っていないのに、引っ張っていくことなど可能だろうか?現在のリーダーたちが直面している課題がまさにここにある。今この複雑な時代において過去の成功体験にとらわれずに「新しい答え」を探す方法はあるのだろうか?

      混迷を打開する「謙虚なリーダー」への道

      第二回ブログ で触れたように、チームが新しい答えを出すための「創造性」を上げる方法としては、リーダーが「謙虚」になるという鍵がある。
      だがこれまで誰しもが持ってきた「強いリーダー」のイメージを捨てることは簡単なことではない。

      電通ダイバーシティ・ラボが提唱しているのはズバリ、「リーダー像そのものを変える」ことだ。リーダーも一人の弱い人間であり、得意なこともあれば苦手なこともある。そこを出発点としながらチームを一つの有機的な集合と見て、そのミッション遂行のために最も効果的なアサインを行い、柔軟に対応していく。
      一人ひとりのメンバーを孤立させずにチーム内で繋ぎ、更にはチーム外へ向けてその繋がりを拡張していく。

      そのためにはこれまでの「強いリーダー」は「謙虚なリーダー」に生まれ変わっていく必要があるのだ。私たちは、「謙虚」をへりくだることではなく、「自ら学び、相手を認め、互いに教え合いたくなる佇まいを纏うこと」と定義している。

      これによって「答えを探す」という今のビジネス課題に対し、チーム全員のポテンシャルとネットワークを最大限引き出すチャンスが生まれると考えている。
      「謙虚なリーダー」は、チーム力を伸ばす上で最も重要なファクターである「心理的安全性」を職場にもたらす効果的な手段だからだ。
      そしてチーム内のミッション遂行に欠かせない「情報流通」を量的にも質的にも高めることにもつながることが研究でも明らかになっている。

      しかしみんなが長らく持ち続けてきた「強いリーダーイメージ」はどうやって変えればいいのだろうか?リーダー自身もメンバーも、そして経営陣もそのマインドセットから変えなくてはならず、そしてそれを実践するには新しい知識とテクニックが必要なのである。

      電通ダイバーシティ・ラボの最新ソリューション「ハンブルリーダー養成講座」では、リーダーが強さの虚勢を張るのではなく、ハンブル(謙虚)に振舞うことの効果を東京大学先端科学研究センターと共同で研究し、それを実現するためのメソッドを開発した。

      リーダーがハンブルになることとは、例えば自分自身の弱さを認め、それを開示すること。またメンバーの弱さも共有しチーム全体でその解決に向けて考えていくことである。そのような行動により、チームに多くのメリットが生まれる。メンバーのエンゲージメントの向上、学習志向性の向上、心理的安全性の向上、そしてクリエーティビティの向上などに大きな影響を与えるのである。
      そして、これは経営層と部下の間で板挟みになって苦しんでいるリーダー自身が楽になる方法でもある。

      この複雑な時代に、答えを持っている強いリーダーがメンバーを育成しながら成果を出し続けられるなら、そのやり方でなんら問題はない。しかし現実的には多くの企業が袋小路から出られずにいる。
      この状況にハンブルリーダーシップという、「リーダーシップのあり方そのものの変更」を試してみることで事態の打開を図ってみてはどうだろうか。

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