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      ECのよくある失敗|原因と対策 EC拡大の時流を逃さないために必要なこと[後編]

      日本国内のEC化率はいまだ6.22%(※)。まだまだECの拡大チャンスは大きいことに加え、コロナ禍の影響で、これからECに参入しようと計画している企業も増えています。一方で、すでにECを始めているものの、思ったような成果が出ない、運用の負荷が増大しているといった悩みを抱える企業も少なくありません。ECの運用では、どういったポイントでつまずくことが多いのでしょうか?国内外のECの運用支援を行っている二人に話を聞きました。
      ※出典:経済産業省「平成30年度 電子商取引に関する市場調査」

      日本のECの現状・課題を整理した前編はこちら

      PROFILE

       
       

      ECが失敗してしまう原因はECそのものだけではない

      前編」では、ECの失敗例をうかがいましたが、失敗する理由は何でしょうか?

      山内:ECにまつわる業務は一つの部署だけで完結しないことがほとんどです。社内で横の連携ができていればいいのですが、自分たちの部署の役割だけにフォーカスせざるを得ず、全体の最適化ができていないケースが多くあります。

      ネイト:マーケティング部が広告、SEO、コンテンツ制作をする、小売、リテール部門が値段を設定するという組織で、リテール部門が決定した値段を動かせないと、小売店でも、オウンドECでも、ECモールでも、すべて同じ価格で販売することになってしまいます。ECでは、たとえば複数を1セットにして1つあたりの値段を下げるというような売り方ができないと、ECで買うメリットをユーザーが見いだせなくなってしまいます。

      海外ではEC統括のような全体を俯瞰して見る部署があって、物流が弱い、コンテンツが弱いと判断できるので、もう少しスムーズに動けることが多いです。

      日本ではECの予算を抑えがちで、ツールやプラットフォームに投資できないこともあります。CRMがないから顧客ロイヤリティを高める施策ができないなど、もったいないことも多いのです。

      山内:大企業では、ブランド別でECを運用していて、ブランド同士が競合のようになってしまっていることもあります。同じ企業内のブランドで広告の入札をしあって高い金額になっていたら、本当にもったいないです。ブランドを越えて顧客データを連携したほうがよりよいインサイトを得られますし、綿密な行動ターゲティングも可能です。

      リソースを割けないから売上が上がらない、投資もできないという悪循環

      日本でもEC統括部のような部署がある企業もありますが、まだ弱いのでしょうか?

      山内:もちろん、もともと組織としてECに力を入れてきた企業は組織体制が整っています。しかし、そうした部署が出てきたのはごく最近ですね。歴史ある有名なブランドほど、ECへの対応が遅くて、最近ようやくEC事業部ができたという企業も珍しくありません。

      ネイト:EC事業部といっても、担当が1人ということも多いですよ。1人では仕事量が多すぎるので、プラスオンの施策ができずに、現状を維持するための運用でいっぱいになってしまいます。ECの売上が少ないから投資できない、投資しないから成長できないという悪循環です。

      山内:しかし、コロナ禍の影響もあって、企業が変わり始めています。実店舗が開けない、開いていないから顧客も購入できないという状況の中で、ECの重要性が多くの企業に実感されたと思います。

      ネイト:日本では事例がないとチャレンジしないことが多いですね。海外では、他がやっていないことを先取りして取り組むことが評価されますが、日本は先陣を切ることに抵抗があって、事例があることが取り組みの要件になっています。

      もっとも、チャレンジして成功した事例もあります。外出自粛要請期間中に、出前館がAmazon アレクサとタイアップして、声で注文するとキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施したところ、3日間で1億円以上の売上がありました。実験的な取り組みでしたが、今まで誰もやっていなかったやり方にチャレンジができる企業は、今後の動きが期待できます。

      「戦略策定以前」に必要なこととは?

      新しくEC戦略を考えるにあたって、何が必要でしょうか?

      山内:自分がどういう状況にあるのかを把握してから次のステップを考えることです。展示会やセミナーなどに行くと、多種多様なソリューションがあふれていて、まだ取り組んでいないものも多ければ、目移りしてしまうでしょう。とりあえずどれか試してみようかと考えることは悪くないですが、その前に自分たちが今どこにいるのか現在地を把握すること、そして何を目的にするのかを決めることが大切です。現在地とゴールが見えれば、どんな道具で、どの道を進むのか検討できるようになります。この軸がぶれてしまうと、すぐに迷子になってしまいます。私たちはよくこんな図を使ってご説明しています。

      現在地とゴールを明確にすることで道筋が見える

      自分の現在地を確認するには、どうしたらいいのでしょうか?

      山内:前編でよくある失敗として、集客、売り場=ECのコンテンツ、購入後のケアという3つの観点からお話しました。オウンドEC、楽天市場、Amazonなど、場所ごとに、今これらの状況がどうなっているのか、どんなルールで運用されているのか、ひとつずつ整理していくことです。施策が複数部署に渡っている場合は、それぞれの部門の人たちに今何をやっているのか、ヒアリングして正確な情報を整理するのが望ましいです。

      ネイト:整理するだけでも、施策が薄くなっている部分、集中しすぎている部分がわかると思います。その上で、顧客のインサイト、世の中の状況を踏まえて考えれば、どんな売り場が求められているのか、検討できるようになります。そこから、何に投資していくのか、何を削るのかも判断できるようになるでしょう。まずは現状をおさえることが、その先の戦略を考えることにつながるのです。

      しかし、自分たちの力だけでは見落としてしまうこと、気が付かないこともあるでしょう。そういう時に役立つフレームワークが「コマース・サクセス・フレームワーク」です。これは、自社のEC戦略の現状を第三者の視点から評価するフレームワークで、各種業界のベンチマークデータを持っているので、業界のデータを参考にしながら、自社が強化するべきポイントを発見するのに有用です。業界のベンチマークが重要なのは、業界によってECの成熟度が異なるからです。業界のルールや法律によってはできないこともあるので、業界のデータを参考に、自社の強み・弱みを判断して、戦略を立てることが重要なのです。

      まとめ:ECで成果を上げるためには、よくある失敗とその原因を理解し、今自分たちの現状を把握する必要があることがわかりました。まずは今どんな施策を行っているのか棚卸しして、第三者の視点から評価した上でEC戦略を策定するとよいでしょう。

      ※当記事は2020年7月15日時点の情報を元に記事を執筆しております。

      EC戦略策定のためのEC分析vol.1

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