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      EC戦略、その前に!自社のECの強み、弱みを評価するためのフレームワーク[前編]

      人々の購買行動の変化にあわせて新しくEC戦略を考えたい、あるいは既存のEC戦略を見直して、新たなチャレンジをしたいという企業が増えています。しかし、進化し続けるECにおいて今自社がどのレベルにあるのか、どこを目指すべきなのかを把握したうえで、全体戦略を考えているでしょうか。ここでは、EC戦略の前に考えておきたい評価指標について解説します。

      PROFILE

       
       

      ECに求められる要件のとてつもない複雑化

      EC戦略を考えるにあたって、どのようなことに注意が必要ですか?

      山内:ECの世界はテクノロジーが常に進化して、次々に新しいソリューションが登場しています。集客のための広告一つとっても、従来の主要な検索エンジンの広告だけでなく、楽天市場やAmazonなどのECプラットフォームが保有するデータを活用したターゲティング、Twitter、Facebook、Instagram、LINEなどSNSの活用、位置情報データの活用など多様化しています。ECの利用環境も人によりさまざまで、人とデジタルの接点はどんどん増えています。こうした変化を押さえながら、人が集まるところに売り場を用意するという考え方が必要です。

      ネイト:担当者としては、EC戦略の方針が決まった後も、多様な判断を迫られます。Amazonに出店するなら、Amazonに在庫管理や物流を任せるのか、それとも自社で運用するのか。オウンドECであれば、サイト構築、決済手法、コンテンツ、SEO、集客などどういう施策をとるのか、すべて自分たちで考えていくことになります。どんなプラットフォームを選んでも、さまざまな意思決定が必要なので、個別に考えていると方向性を見失ってしまうことがあります。

      変わるユーザーの行動に、敏感になれているか?

      ユーザーの行動も世代によって大きく変化していますね。

      ネイト:はい。情報の調べ方や、意思決定に影響する媒体が変わっていますし、購入するチャネルも選択肢が増えています。自社がターゲットとするユーザー行動を把握する難易度が上がっています

      情報を調べる方法として、以前はニュース、検索エンジン、比較サイトなどが主流でしたが、若い世代はまずInstagramで検索しますね。2019年の話ですがiProspectの新入社員がベトナム旅行の情報を集めるのにInstagramを使っていました。私がおすすめのレストランを教えたら、Instagramでその店名を検索して「出てこない」というんです。世代によって行動が変わるので、先入観なしで理解しないといけないとあらためて感じた出来事です。自分の推測でユーザーの行動を想定して施策を考えてしまうと、ターゲットに届かないことになりかねません。

      山内:商品を検索する時、検索エンジンから探すのではなく、Amazonを使い慣れている人はAmazonで直接検索することも多いですよね。こうしたユーザーが増えると、検索エンジンの広告の効果が低くなってしまうので、Amazon広告に力を入れるなど対策する必要があります。

      自社のEC戦略を評価するための「ユーザーの視点」

      ECのよくある失敗!原因と対策」でEC戦略を考えるにあたって、現在地を知る必要があるというお話がありました。現在地を知るためには、どういった視点から評価する必要がありますか?

      ネイト:ユーザーの視点から評価する必要があります。まずモノが売っていなければ買えませんし、売っていても見つけられなければ買えません。見つけた場合でも、買う理由がなければ買いませんし、買った後の体験が悪ければリピートしません。

      ユーザーの視点は、裏を返せば企業がどのように対策をするべきか、改善できるかということです。在庫を確保して販売する、広告を出稿して見つけやすくする、商品の詳細を記載して他との違いを知らせる、価格でお得感を出す、購入した人のサポートをするというように、自分たちで改善できる事柄を評価します。自分たちでは改善できないことについて評価しても、対策できないので意味がありません。

      自社の現状を理解するために必要な指標をシンプルに評価できるのが「コマース・サクセス・フレームワーク(CSF)」です。コマースサクセスフレームワークでは、ECの取り組みを項目ごとに5段階で評価し、レーダーチャートで表します。円が大きいほどシステマティックに動ける体制が整って最適化されている、小さいほど管理できていないとわかります。

      コマースサクセスフレームワークの例コマース・サクセス・フレームワークによる評価結果

      コマース・サクセス・フレームワークの「4つ」の指標

      コマース・サクセス・フレームワークの評価指標について教えてください。

      ネイト:コマース・サクセス・フレームワークでは、大きく4つの指標で評価します。一つは、「アベイラビリティ」で、商品を購入できる状態にすることです。アベイラビリティの評価では、ユーザーがいる場所のオンラインチャネルを選択しているか、選択したオンラインチャネルで他のオフラインのチャネルと合わせて統一した体験を提供できているか、在庫を確保して物流を管理できているか、という点から評価します。

      「ファインダビリティ」は、ユーザーに見つけてもらえる環境を整えることです。広告を活用して、正しいメッセージを、正しいターゲットに、正しいタイミングで配信して、ユーザーを誘導できているか。もちろん広告だけでなく、オーガニックな検索流入を獲得するためのSEOも必要です。そして、同様の商品を扱う競合他社に露出で負けていないか、自社製品の他の販売店の価格設定より高くないか、販売店は正しい製品を取り扱っているかといったことも評価します。

      売り場をきちんと用意して、ユーザーに見つけてもらうための指標ですね。次の2つはどんな指標でしょうか。

      ネイト:「バイアビリティ」購入してもらうための指標で、競合商品の中から自社製品を選んでもらえるようになっているかを評価します。まずは、コンテンツの充実度です。商品を購入するメリット、活用方法、効果、利便性など、商品の価値を示せているか。価格も重要です。購入したい価格になっているか、季節や需要に合わせた価格変動ができているか、予約販売など購入しやすさに配慮しているかといった視点から評価します。購入をうながすための、割引、複数購入の特典などのプロモーションがあるか、という点も評価します。

      購入した商品に満足してもらえたら、リピーターになってもらえます。購入後の体験がリピートに影響するため「リピータビリティ」で評価します。購入後もリテンションしやすいコミュニケーションができているか、購入者が評価、レビューなどをしたくなるような仕掛けができているか。コールセンターに寄せられた声をフィードバックして体験を向上させられるような体制ができているか。さらに、自社で購入し続けてもらうためのロイヤルティを高める施策ができているかといった視点で評価します。

      評価を高める難しさとどう向き合うか

      4つの指標がすべて重要だと思いますが、すべてを高めるのは大変そうですね。

      ネイト:はい。私たちの調査でもすべてが高いレベルにある企業はありません。世界中の誰もが知っている大手アルコールメーカーであっても、バイアビリティ、ファインダビリティには力を入れているものの、販売するチャネルやロイヤルティの視点ではまだまだ不十分、といったことがあります。

      評価を底上げしていくためには、どういったことが必要でしょうか。

      ネイト:それがまさにEC戦略になりますが、どの評価項目でもテクノロジーの活用が大きく影響します。たとえば、ファインダビリティでは、プラットフォームを越えてユーザーを追跡できる広告、広告運用の自動化、レポーティングなどの機能などがあれば、効率的な広告運用ができるので評価が高くなります。競合対策でも、競合のコンテンツや広告配信の変化、獲得しているレビュー数などを把握する必要がありますが、手作業で網羅するのは時間がかかり過ぎるので、何らかのツールがあると便利です。まずは自社の強み、弱みを把握して、どこを強化していくのかを戦略的に考え、マッチするテクノロジーを採用することになります。

      後半では、業界による評価の特性とコマース・サクセス・フレームワークの詳細についてお話しします。

      ※当記事は2020年7月15日時点の情報を元に記事を執筆しております。

      EC戦略策定のためのEC分析vol.1

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