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      広告の効果測定新時代、「バズウォッチ」×「 CM好感度調査」が生み出す新しい価値とは?

      電通が開発した「バズウォッチ」は、ネットにおけるテレビCMやテレビ番組の「バズ」を可視化するツールだ。そして、テレビCMの効果指標として長い歴史を持ち、クライアント企業をはじめとする関係者から高い信頼を得ているのがCM総合研究所の「CM好感度調査」である。では、CM好感度調査とバズウォッチは何が違うのか。あるいは、2つを組み合わせることで、何が見えてくるのか。CM総合研究所のキーパーソンおふたりとバズウォッチの開発者おふたりに、誕生秘話から活用方法、ネット広告とテレビCMの現在と未来までを、存分に語り合ってもらった。

      PROFILE

       
       
       
       

      50年前、「領収書を持ってこい!」からスタートしたCM好感度調査

      関根:弊社はテレビCMの効果測定やコンサルティング活動を主力事業として展開しています。平成元年にCM好感度調査を開始し、今年で31年目を迎えました。おかげさまで、現在ではCM効果の代表的な指標として、多くの企業に活用いただいています。
      当社は私の父が1976年に創業いたしました。創業前、父は日産自動車の宣伝部でCM制作に携わっていたんです。当時は、トヨタのカローラと日産のサニーが競っていた時代です。1970年、日産が1200ccのサニーを発売すると、父は「となりのクルマが小さく見えま~す」というテレビCMを制作しました。このCMは日本初の「比較広告」と騒がれ、キャッチコピーが流行語になるなど、大きな反響を呼んだと聞いています。そして、CMのヒットに手応えを感じていた父がそれを役員会で報告したところ、「それは、君の主観だろう。それよりCMの領収書を持ってこい」とCMの投資対効果を具体的に示すよう求められたそうです。この経験が純粋想起、定点観測、全量調査をベースとしたCM好感度調査が誕生するきっかけとなりました。

      谷内:31年目ということですが、最初から「CM好感度」が指標として受け容れられたんですか。クリエーターの立場からすると、自分の子供のような作品に「CM好感度」という点数が勝手に付けられることを嫌がる人も、多かったかと思いますが?

      関根:谷内さんがおっしゃるように、厳しいご意見をいただいたことも確かです。しかし、もともと広告主側で生まれたニーズでしたので、このような調査はいずれ多くの企業で必要とされるという信念がありました。ですので、広告主の方々にデータを活用いただくために地道な営業活動を続けてまいりました。調査を開始した1989年当時はモニターの人数は500人でしたが、現在は月に2回、1500人を対象に定点調査しています。
      定点観測しているからこそ、時代の空気を反映するのもこの調査の特徴です。直近では5月の大型連休、いわゆる“STAY HOME週間”のCM好感度ランキングが象徴的でした。

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      作品別に見ると、5月前期調査ではDMM.comのオンライン英会話を訴求したCMが1位となりました。矢作兼さんが出演したこちらのCMは、実は2014年に制作されたものです。外出自粛が長期化する中、リモートワークを連想させるといった反響も多かったですね。
      5月19日、6月4日に実査した5月後期と6月前期調査では、ゼスプリ インターナショナルジャパンのゼスプリ キウイフルーツのCMが首位に輝きました。いずれもユーモラスなストーリーや、かわいらしいキャラクターといった人々の心を癒やす表現が特徴で、コロナ禍にある視聴者に寄り添う姿勢が共感を呼んだと考えられます。このようにCM好感度調査の結果には世相や消費者の心理が如実に表れるのです。

      5年前、「バズるCMを作ってほしい!」から始まったバズウォッチ

      関根:谷内さんが開発された「バズウォッチ」は、どういう経緯で生まれたのですか。

      谷内:2015年にあるクライアントから「バズるCMを作ってほしい」と依頼されました。「商品のいいところを伝えて」「好感度を上げて」といったご依頼はよくありますが、「バズらせて」というのは初めてだったので、困りました。「バズるって何だ?」と。結果的に、作ったCMはYouTubeで200万回を超える再生を記録して「バズる」ことには成功したのですが、テレビ出稿がなかったため棚が取れなかったりと、商品の売れ行き的には苦戦……。この苦い経験が、バズウォッチを開発するきっかけです。関根さんのお父様が「領収書を持ってこい!」と言われたのに、少し似ていますね。

      関根:「指標不在によるすれ違い」という意味では似ていますね。それ以前から、ソーシャルメディアには注目されていたのでしょうか。

      谷内:はい。2009年頃にTwitterの波が来ましたが、まだ一部のマニア向けでした。それが、オバマ大統領が誕生して以降、世界的な波になったと思います。クリエーティブの世界でも、若手たちが「バズ、バズ」と言い始めていました。「ネットでバズった作品を作りました!」と自慢している若手がいたので、どういう基準でバズったか聞いたら「ヤフトピでトレンド入りした!」と。当時、私自身はYahoo!もあまり見ていなかったので、「ヤフトピ……?」という感じで。ただ、その辺り(2015年)で「CMのバズ量がどこにも指標化されていない実態」に気づいたのです。私が知らないだけで、きっとどこかにあるだろうと社内・社外を探し回ったのですが、結局見つかりませんでした。指標もないのに「バズるCM云々…」と。それで自分で作ることにしたのです。2015年に構想し、2016年には最初のバージョンを開発しました。

      関根:Twitterを選ばれた理由は?

      谷内:APIが公開されていたのも理由の1つですが、それより大きかったのは、匿名と実名が混在していたことです。私たちの調査では、2016年当時で、匿名6:実名4という割合でした。実名だけだったり、匿名だけだったりだと、ある意味、閉じたメディアになってしまいます。その点、匿名と実名が混在したTwitterはバランスがよくて、情報が拡散しやすいという特徴があったのです。

      インターネット広告費がテレビ広告費を抜いた! その本当の意味

      辰元:2019年にインターネット広告費がテレビ広告費を抜いたというニュースが話題になりました。谷内さんは、このニュースをどのように受け止めましたか。

      谷内:最近ではコロナ禍で在宅時間が増え、すべての年代でテレビを見る人が増えました。ただし、それでも現テレビの主視聴層がM3・ F3 層(50歳以上の男女)であることは否定できません。なので、より若い層に特化したい企業であれば、ネットで「バズらせて」と頼みたくなる気持ちもわかります。ネットに特化しすぎるのではニッチにもなりがちですが。さらに、こうした「年代別でメディア利用差」がある傾向は、最近の世論調査等の変化を見てもわかります。

      従来の調査手法では「訪問」か「家に電話」して調べていました。しかし、最近の若い方は家にいないことも多いし、固定電話を持っていないことも多い。なので、上の層では「電話で」、下の層では「ネットで」調べることが増えています。そうしないと幅広い層での世論調査等は把握しにくいからです。こうしたメディア利用差は、あらゆるところで起きています。「テレビ」と「ネット」、どちらかだけでは成り立たない、そんな今のメディア環境を、背景として押さえておくべきです。ネットで見ていても、結局TV由来のコンテンツばっかりだったりとか、色々な意味での過渡期なんです。それぞれがそれぞれを必要としています。

      辰元:基本的にテレビは在宅中に視聴するものなので、自宅での可処分時間しか消費できません。一方、デジタルは違います。いまや多くの人が、寝るとき以外はスマートフォンを手放しません。接触時間が圧倒的に長いのですから、ネット広告が伸びるのは当然です。ただし、ネットが増えた分、テレビの重要性が減ったわけではありません。もしも、関東のキー5局でテレビCMを出稿している企業が、テレビ広告よりもネット広告へ出稿を大幅にシフトしたなら私も驚きますが、現実はそうはなっていません。テレビ番組を見ながらTwitterでつぶやくなど、テレビとデジタルメディアに同時に接触することは珍しくなく、両者の接触時間が重なる場合も非常に多いのです。

      谷内:広告主・放送局の存在といったプレーヤーの差も大きいのではないでしょうか。

      辰元:そうですね。キー局でCMを流すには、やはりある程度の資金力が必要となります。一方、ウェブの広告は極端にいえば10円からでも出稿することが可能なんですよね。その意味では、テレビの広告費が今後毎年10%ずつ減っていくような事態にはならないと考えています。メディアにとって大きな変化の時代ではありますが、ご存じの通り、オンエアするたびに必ずバズるテレビ番組や映画も少なくないですし、テレビでのタレントの発言がバズることも日常茶飯事ですよね。テレビとSNSはそもそも非常に親和性が高いので、これから両者の融合がさらに進んで、M1・F1層(20歳~34歳の男女)にも支持されるコンテンツが増えてくるのではないでしょうか。

      すべてが可視化されたウェブ広告、可視化が急がれるテレビ広告

      清水:私は現在、谷内といっしょにバズウォッチの開発に携わっています。私自身はM1層に属し、デジタル領域をメインに仕事してきました。その私からすると、テレビって「可視化されない」の割合が大きいと感じます。デジタルはすべてが「可視化されている」世界です。ターゲット層はこうで、訴求すべき商品情報はこうで、何%の人にクリックしてもらう見込みで……と、狙いも成果もすべて見える化されているので、シミュレーションも簡単です。一方、同じやり方でテレビCMの成果をシミュレーションしようとしても、なかなか上手くいかない。そんな「狙いと成果の関係の把握しやすさ」故にデジタルを投資先として選ぶ企業も多いと感じます。
      ただ、どこまでいってもデジタルオンリーには限界がある。大きなキャンペーンにしようとするほど、デジタルだけの展開では反応の弱さが目立ってくるんです。国民みんなが見ているサイトやコンテンツというのは、ネット上にはなかなかなくて、テレビで出稿するとガーっと幅広い層でのスコアが跳ね上がることが多い。でもそれがなぜだかは説明しづらく、その意味で、バズウォッチには「テレビさえも可視化してしまう力」があるんじゃないかと期待しています。
      今後、さらにテレビのデータ解析の質が上がったり、簡単にできるようになっていく中で、デジタルとテレビ、マスメディアの本当に良い掛け合わせや比重が見えてくるのではないかと思います。

      辰元:デジタルを否定しているわけではないんですよ。両方を活用できる場合は、テレビとデジタルそれぞれの特性に合わせたコミュニケーションを実施される方がいいと思います。カードが増えたということです。ただ、デジタルにおけるターゲティングに関しては、ブレイクスルーが必要だと思います。というのは、私がYouTubeを見ていると、脂肪を落とす薬の広告ばかり表示されるんです(笑)。明らかにターゲティングされている。確かに、企業側から見ると私のような人間に当てた方が効率的なのは分かりますが、私がその商品やメーカーによいイメージを持つかどうかは別問題です。そのあたりをブレイクスルーする企業が、これから勝てる企業なのだと思います。

      「バズ」とは、中心性のあるネタを取り巻いて生まれる、大勢の声

      谷内:私は、今年、53歳ですが、学生寮でテレビをまったく見られない時期がありました。それで、当時、爆発的な人気だったのに一度も見たことのなかった『夕やけニャンニャン』という番組を、最近、初めてYouTubeで見たんです。噂には聞いていたんですが、気恥ずかしいほどの若さと「コンプライアンスなんて関係ない!」って感じのエネルギーで、とても面白い。出演者が全員が10代~20代で、テレビが若い。

      関根:当時は非常に人気のある番組でしたね。

      谷内:なぜ、そんな話をしたかというと、最近「中心性」ということが気になっているからです。当時の『夕やけニャンニャン』というのは強力な中心性が働いていた。みんなの中心となって話題に出来る力。だから周囲にたくさん人が集まった。
      そもそも「バズ」というのは一人の声のことじゃないんです。たくさんの人の声が重なり合って、何かの周辺を取り巻いて出来るもの。そんなバズの真ん中にあるのは、何かのニュースだったり、ネタだったり、人物だったり。
      これからはいろいろなところから中心性が生まれてくる時代になって来るでしょう。かつてはテレビだけ見ていれば90%以上の話題についていけた。でも今は「テレビでは全く話題になっていないことがネット上で話題になる時代」です。いくらテレビだけを目を皿のようにしてみていてもわからない中心性が生まれています。
      たとえば、ネット上で超・話題の『BUZZY METAL(仮)』というバンドがあったとします。

      清水:『BUZZY METAL(仮)』!(笑)
      狐の仮面とかつけて歌って踊るハードメタルなイメージですね!

      谷内:そうそう。そのバンドってのは、まだテレビにはそれほど露出していません。でもネット上ではすごく人気があるとしましょう。そこで一般の人が彼女らの人気度を知るには「オリコンチャートで今何位なのか?」が必要になると思うんです。オリコンチャート300位と聞けば「まだそれほど人気ではない」と感じるでしょう。ただ300位であっても、彼女らの熱烈なファンなら「すっごい今、バズっているんです!」と推しますよね。「これから絶対来ますって!」と。でも「オリコンで3位」と聞かされた方が、一般の人には「そんなに話題なんだ!」って思える。
      ここで言いたいことは、オリコンチャートで300位と3位とでは、大勢の人を引き付ける中心性が異なって予測される、ということです。
      中心性のあるネタに人は集まってバズを構成する。バズが増えれば増えるほど中心性の重力はますます高まっていく。
      『夕やけニャンニャン』であっても、「BUZZY METAL(仮)」であっても、オリコンチャートのような指標で見て「ああ、今のバズられ方はそれぐらいなのね!」と直感できるシステムが、いつの時代にも必要なんだと思います。

      「CM好感度」は深く、「バズ」は即応

      谷内:長年、テレビのCM好感度調査を続けてきたお立場から、辰元さんは「バズ」をどう見ていますか

      辰元:当社のCM好感度調査は隔週で実施しています。一方、バズは瞬間風速を捉えていて、スピード感がまったく違います。そのスピードがバズの一つの価値だと思います。先ほど谷内さんが「中心性」とおっしゃいましたが、テレビCMがネットで中心性を持ってバズり、それが回り回って我々のCM好感度調査に跳ね返ってくることは少なくありません。最近はCMの企画段階でも、SNSでの反響を計算してコミュニケーションをデザインすることがほぼデフォルトとなっています。ただ、すべてのケースが成功するわけではなく、なかなか難しいですね。

      谷内:Twitterの反応は脊髄反射のようなものです。いま、トレンドのトップになっても、すぐ1時間後には消えていたりする….。そこでバズウォッチでは、1週間単位でランキングを出しています。やはり、残り続ける力は重要です。その意味では、CM総研さんの「CM好感度」は「残り続ける強い力」的な深い指標だと思います。それに比べると、バズウォッチのランキングは刹那的な反応指標で、好きになる以前の「気になる度」のようなものです。なんだかわからないけど、即応してしまう。

      辰元:「CM好感度」というのは、「そのCMが好き」という自己完結型の指標です。長く調査を続けていると分かるのですが、必ずしもランキングの上位には入らないものの毎月コンスタントに票を獲得するCMがあります。大ヒットする訳ではありませんが、企業のイメージが少しずつ醸成されていくんですね。一方、ここにはCMを「誰かに伝えたい」「話題にしたい」といった要素はあまり反映されません。そこはバズウォッチが向いていると思います。実際にCM好感度調査とバズウォッチの結果を並べてみると、CM好感度は高いのにバズらないCM、逆にCM好感度は高くないのにバズるCMが見受けられます。そこには、我々にも企業にとっても有益なヒントが、数多く潜んでいると思います。

      谷内:CM好感度調査でも、バズウォッチのランキングでも、外出自粛期に両方でトップをとったのが、関根さんが最初に触れられたゼスプリのキウイフルーツのCMでしたね。どちらも文句なしのトップでした。

      清水:ずっとデジタルをやってきた立場で皆さんのお話を聞いていて、改めて「CM好感度」は“凄い”指標だと感じました。デジタルマーケティングでは、あらゆるものをスコア化しますが、基本的には“行動指標”です。それで分かったつもりになりがちですが、最終的に人は「好き/嫌い」「信じられる/信じられない」といった感情で動くものなので、”心理指標“が本当は大切だと思うのです。それを何年間も継続して取り続けている「CM好感度」には、今だからこそ気づきがあるかもしれないと思いました。

      目指すのはバズ界のオリコン、企業目線で見た「バズウォッチ」の価値とは?

      谷内:私たちが目指したいのは、バズ界のオリコンチャートです。先ほどの「BUZZY METAL(仮)」の話をしましたが、彼らの新曲がオリコンでトップ10に入ったら「お!?」となりますし、3位に入ったら「そんなに売れているんだ!」となるでしょう。バズウォッチはバズ界におけるオリコンさんのような存在を目指しています。これまでは、どんなにバズっていても、バズが相対化されていなかったので、そのインパクトを誰も認識できなかったのです。
      たとえば、最新のソーシャル・リスニングツールで最近に気になっているバンドを検索すれば、ツイート数はすぐに分かります。しかし、その数だけ分かっても、市場全体で見たそのインパクトは不明です。既にメジャーになっているバンドのツイート数と比較し、相対化できてはじめてどれだけ凄いのか、凄くないのかが分かるのです。バズウォッチは、それを可能にしたはじめてのツールです。

      関根:ランキング以外の機能も用意されているのですか。

      谷内:はい。現在はランキングが中心ですが、いまはバズの構成分布(クラスター)をグラフィックで表示する機能を開発中です。さらに、クラスターの誕生から成長、衰退までを時系列で分析する機能も開発しています。たとえば、話題のカップラーメンの新CMは時系列的にどうやってバズっていったのか、ボジティブな発言グループとネガティブな発言グループはどういう関係を成しているのか、最初に火を付けたのは誰のツイートなのか……等々をすべて分析できるようになります。これが実現すると、いわゆる“世論の構造”というものも把握可能になります。“世論操作”のようなウソもつけなくなります。誰が、いつ、どうやってデマやウソを流したかが、すぐ追跡できてしまうからです。

      AIは、CM好感度1位のヒット作を作れるか? デジタル化で、クリエーターの役割は変わる?

      辰元:谷内さんがおっしゃったように、最近は「バズらせたい」という企業も増えてきました。そこで、バズるCMとそうでないCMは何が違うのか調査したことがあります。弊社には、CMを見ている人の脳活動を1秒ごとに記録して、CM好感度や購買意向度をAIで解析する『Mnavi』というシステムがあります。このシステムを使って、バズウォッチの上位に入るCMとバズっていないCMの差を分析してみたのです。すると、バズるCMはクリエーティブ以外の影響が大きいことが分かってきました。世の中のトレンドや社会情勢とも密接な関係があります。そこを深掘りすれば、バズらせるコツが見えてくるのではないかと思います。当社の創業者はCMの3悪を「ウソ・ズレ・ムリ」と表現したのですが、それは現在も変わっていません。その基本は守りつつ、バズるCMを分析すればCMのウェブへの波及効果を量的に測定できるようになるかもしれません。その意味でも、バズウォッチには非常に期待しています。

      谷内:AIが発達すれば、これまで蓄積された膨大なデータを分析して、面白いCMを作れるようになるかもしれません。また、A/Bテストを繰り返すようなデジタルマーケティングの手法で、効果的な何かを見つけることもできると思います。ただ、こうした考え方は、テレビCMにはあまり通用しないとも思うのです。たとえば、時勢はつねに変化しています。「安全」という言葉の意味は、1年前とコロナ禍の今ではまったく違います。5年以上前に作られたDMM.comの英会話のCMがヒットすることは、AIにも予想できなかったでしょう。そもそもテレビCMは、不特定多数の人が何回も見る前提で、かつ何回も見た人が好きになるように作らなければなりません。永遠の謎はタケモトピアノさんです。AIには、あのCMを作ることはできないでしょう。だから、クリエーターは、前例のないことにチャレンジし続ける必要があるんです。それは、これまでもそうですし、AIが発達した将来も変わることはないと思います。

      関根:調査を長く続けていると実感しますが、同じ表現のCMでもオンエアの時期が違えば、視聴者の受け取り方やヒットの度合いも変わってきます。また何年も継続して放送することで、ブランドイメージを視聴者へ印象づけるタイプのCMも存在します。やはり世の中の空気を作ることはCMならではの役割であり、マスへの波及効果という意味ではデジタルよりも影響力が大きいのではないでしょうか。 間違いなく言えることは、CM好感度調査で高い評価を獲得するテレビCMは、マーケターとクリエーターが視聴者の気持ちに寄り添い時代の空気を必死に読み取ろうとしなければ生まれないということ。今後はCM好感度調査とバズウォッチのクラスター分析機能を組み合わせることでさらに精度を高め、視聴者の心を動かすCMについてより精緻で多角的な分析が実現できればと考えています。

      谷内:ありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください!

      バズウォッチのご紹介Vol.1

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