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      EC戦略の“次の一手”を打つ前に! ~4つのポイントからECサイトの競争力を高める~

      拡大するEC市場、今の戦略で大丈夫?

      経済産業省の調べ によると、2018 年の 国内BtoC-EC市場規模は17 兆 9,845 億円、前年から約9%の増加となりました。世界全体のEC市場全体は251兆円。年平均 20.6%で成長し、2021年には531兆円まで拡大するとも推計されています。今やECは国内のみならず、グローバルでビジネス展開を行う上でも避けて通れない販売チャネルです。

      ※出典:経済産業省「平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査) 報告書」
      https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

      またEC市場では、Amazonやアリババグループ、日本では楽天、Yahoo!といったECプラットフォーマーの成長も目立ちます。消費者がこういったECプラットフォームで買い物をする以上、たとえ自社でECサイトを持っていなくてもECマーケティングは絶必。同時に現状で大部分を占めるオフラインのチャネルとのかかわり方も気になるところです。

      このように多くの企業にとってECマーケティングの重要度が増す一方、担当者からは「今のままの取り組みを続けていて良いのか?」という不安の声をよく耳にします。こうした不安が生じるのは、ECに関する体制/アクションを評価する軸が欠如していることに起因します。ECという今まで経験したことのない領域に対しては、経験的に培った評価指標は物差しにはならないのです。

      他社事例との比較だけでは不十分! 本当に見るべきポイントとは

      では、一体どんな評価指標を用いればよいのでしょう? 自社のEC戦略を評価する一般的な方法は、他社の過去事例やケーススタディーとの比較です。業界で踏襲されている方法論と同じことを自社でもやっていれば、他社に後れを取っていないことは確認できます。しかし、これからビジネスを拡大・変革していこうというときには、他社と同じかどうかを見るだけで十分とは言えません

      ECの評価を未来志向で行うには、まず基本に立ち返り、消費者の購入プロセス(どのように商品・サービスを届け、買う気になってもらうか)に沿ってビジネスを検証することが重要です。その際に指標となるのが、下記の4つのアビリティです。

      ①アベイラビリティ Availability:
        基本である商品・サービスを供給する方法
      ②ファインダビリティ Findability:
        商品・サービスを認知させ立ち止まって見てもらう方法
      ③バイアビリティ Buyability:
        価値への理解を促し購入の意思決定を推し進める方法
      ④リピータビリィティ Repeatability:
        再購入・リピートをしてもらう動機づけの方法

      電通グループは、これらの指標を用いてECの実力を評価し、弱点を発見する手法「CSF(Commerce Success Framework)」を開発しました。ここからは、各指標の考え方について詳しくご紹介していきます。

      EC戦略の新たな評価指標「4つのアビリティ」

      「CSF」では、ECの評価において一体どのような点を評価ポイントにしているのでしょうか 。
      各指標の見るべき点と大まかな考え方をご説明していきます。

      1.適切な在庫管理で買える体制を整える「アベイラビリティ Availability」

      商品・サービスが供給されなければECは成り立ちません。当たり前の話ですが、実はECのケーススタディーではあまり取り上げられない話題です。

      ECの在庫調整はオフラインより難しい側面が多々あります。
      例えばECプラットフォームは超多品種を扱うため、1アイテムあたりの在庫をあまり多く持てず、頻繁に在庫調整をしなければなりません。また海外でのEC展開においては、輸送のリードタイムを考慮しながら需要と供給のバランスを保つ必要も。受注生産やカスタマイズオーダー制にしたり、在庫のある店舗等に顧客を誘導したりと、接客の中に在庫調整の機能を内包させる発想も必要になるでしょう。

      商品・サービスのカテゴリーによって供給の仕組みは異なりますが、ECの体制として重要なのは「消費者の需要をしっかり予想して欠品を起こさず供給すること」。需給バランスの調整を、科学的にもしくは自動的に行うような仕組みが理想的です。勘と経験の在庫管理からどれだけ脱却できているかが、評価のポイントとなるのです。

      2. 広告以外の“見つかりやすい仕組み”を作る「ファインダビリティ Findability」

      商品をお客様の目に留まるようにする方法として、わかりやすい例は広告でしょう。EC戦略ではマス広告があまり使われない代わりに、商品・サービスを買いそうなターゲットに絞って広告を露出する、いわゆる検索連動広告やターゲティング広告と呼ばれるデジタル広告が活用されます。これらの広告は、買いそうな人を狙って発信されますから、広告の成果は「買ったか買わないか」。すなわち広告の費用対効果の指標、例えばROAS(Return on Ad Spending)を見て効果を評価します。

      同じ広告でも評価が難しいのが、未来のお客様を増やすために欠かせないブランド広告やPR活動です。これは効果を見るのが大変難しいため、通常は「どれくらいの人に到達したか」「到達者の間ではどれくらいブランド認知が得られたか」などいくつかの指標を組み合わせて管理することが一般的です。これらの活動をやり続けるためには、広告運用のルール化、過去の振り返りデータの蓄積、定期的な判断といった組織的対応が必要となります。

      一方、ファインダビリティにおいて見落とされがちなのが、広告以外でお客様との接点をどう作るか、という点です。大きなECモールに出店すれば売れるという楽観的な発想をよく耳にしますが、これは大きな間違い。お客様が多い場所には店も商品も大量にあるので、そこから自分たちの商品を自発的に見つけてもらうのはほぼ不可能です。

      そこで重要になるのが、「検索エンジン最適化(SEO)」。消費者がウェブ上で商品を検索する際、検索結果の上位に表示されるようにする工夫のことです。多くのSEOサービスでは検索数の多いキーワードにターゲットを絞って対策を行いますが、しかしそこには「この商品はこうやって使ってもらおう」といったお客様への提案はほとんど含まれません。

      EC展開をユニークなものにしていくには、新しい商品提案を考え続け、そこから得られるキーワードを検索ワードとしてコンテンツに組み込むという発想が欠かせません。そして提案型SEOを意識的に行える組織を作っていくこともまた、EC体制の評価のポイントの一つとなります。

      3.「欲しい!」と思える情報と価格を提供する「バイアビリティ Buyability」

      商品を直接手に取って検討できないECでは、お客様がそれを本当に欲しいかどうか判断するための材料(=商品情報)をしっかり提供しなければなりません。

      他社商品との差別化ポイントだけを強調すればいいと思われがちですが、実はお客さまは差別点だけを評価しているわけではなく、商品が当然備えているべき機能が欠落していないかなども慎重に見ています。

      例えば、高級スポーツ腕時計なら防水・防滴が当たり前と思いますが、買ったあとに「水にぬらしたらダメ!」と言われたらがっかりしますよね。こうした不安を解消するためには、たとえ当たり前で差別化にならないと思ったとしても、「防水・防滴」と商品ページに書いてお客様を安心させておくべきなのです。

      商品数が増えてくると、商品説明がおろそかになったり、ルールから逸脱した説明文になってしまったりすることもあります。何を伝え、何を強調すべきか。そのルール化・フォーマット化は、バイアビリティの第一歩です。 

      商品情報に加え、価格もまた購入のきっかけの最大の要因です。EC市場では競合の価格を容易に監視できるので、その動向を踏まえた上での価格戦略が重要。旅行業界のように、ダイナミックプライシングがすでに一般的になっている分野もあります。また、リピートのお客様に割引価格を適応するなどの施策も効果的です。このような対応を手動で行うのは難しく、ITを活用してある程度の自動化を行う必要があります。

      4.満足度と利便性を高めてリピートを促す「リピータビリィティ Repeatability」

      意外に思われるかもしれませんが、ECはリピートしにくいチャネルです。近くのコンビニやスーパーは週に何回も通いますが、ECサイトをそれほど頻繁に使う人は多くないでしょう。

      消費者の生活導線上には存在しないECサイトをリピートしてもらうには、ポイント付与や割引提供によるロイヤルティプログラムが効果的です。これはお客様を大切にしているという企業姿勢を示すと同時に、定期的にお客様とコミュニケーションを行うための重要な施策です。

      オンライン/オフラインでロイヤルティプログラムを連携させる施策は、多くのECでも採用されています。最初は店頭で実際の商品を見ながら選び、二回目以降はECで買うトライアル/リピートの住み分けプログラムなどがそうです。逆にECで商品を購入し、アフターサービスは実店舗で、という逆のパターンもあり得るでしょう。

      また、商品のレーティングやレビューはお客様の満足度の表れでもあり、お客様がリピートする動機づけにもなります。どんなに気を付けても悪い評価を受けることがありますが、お客様のレビューに対して対処方法をきちんとコメントすることで、レビューを改善してくれることも。お客様センターと連携を図りながらコミュニケーションを行い、リピートへとつなげていきます。

      組織的に取り組んでいるECほど、評価は高くなる

      我々がCSFを用いて実際に行う評価では、この4つの項目がさらに細分化され、達成度が定義されます。そして該当する達成度をスコア化することで、業界におけるECの実力を評価し、弱点を発見していきます。

      さて、ここで「達成度」とはいったい何かということですが、我々は能力成熟度モデル(CMM; Capability Maturity Model) の考え方を踏襲したスコアリングを用います。詳細は割愛しますが、これは各項目における取り組みが、「勘と経験に基づくもの」「ルール化されているもの」「自動化・最適化されているもの」のいずれかを確認していく方法論のこと。

      施策だけを見るのではなく、その施策が“組織的にどこまで取り組まれているか”に注目することで、企業の実力や対応力の強さを見極めようという手法です。そしてこの手法のEC版が、今回開発したCSFなのです。

      熟成度レベルの特性

      出典:ウィキペディア「能力成熟度モデル統合」
      https://ja.wikipedia.org/wiki/能力成熟度モデル統合

      グローバルEC市場で勝つには「コンテンツ」の強化が鍵

      CSFはグローバル共通の評価方法。ですから、あなたのECの実力を世界の中で位置づけることができます

      以下はCSFを活用した世界のECの状況ですが、グラフから見られるように「在庫(の管理)」と「コンテンツ」のスコアが低く、世界的な課題となっていることがわかります。在庫の最適化は生産や輸送などにも関わる大変難しい課題ですが、ECコンテンツについては組織的な取り組みによって改善の余地があるテーマ。

      今後、消費者にとってECがもっと楽しい買い物体験の場になるためには、真剣にECコンテンツの在り方を考えていくべきだと言えます。そして今から取り組むことで、競合に対して先行優位な立場を築ける可能性がありそうです。

      なお、これらの指標は業界・業種別にも集計されており、詳細はレポートとして提供されています 。このなかで、ECの先端的取り組みはアジア太平洋地域(APAC)に多くみられること、全社的に商品コンテンツを共有化するツールの導入を行っているブランドは半分に満たない、などが報告されています。

      ECは多くの企業にとって取り組み始めた新しい分野。競合に先行するチャンスはまだまだ多くありそうです。

      グローバル全業界平均 (iProspect調べ)

      スコア計測とコンサルティングで効果的な改善策を

      今回はCSFの基本的な考え方と、グローバルでのECの状況について解説をしました。実際にCSFのベンチマークスコアと比較するためには、CSFの項目でスコアを計測する必要があります。

      またスコア計測と同時に施策の状況、組織体制、導入ツールの状況をコンサルタントがヒアリングすることで、改善項目の洗い出しと同時にその改善のための打ち手を設計することも可能です。

      自社のEC戦略に不安をお持ちの方、競争力を見える化してみたい方。詳しくはぜひ、弊社担当までお問い合わせください。

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